父親に楽器を与えられ結成させられたアメリカの3姉妹ガールズバンド「シャッグス(The Shaggs)」が自主制作アルバムを発表したのが、令和からちょうど半世紀前の1969年。全く演奏技術も音楽知識もないまま父親の指示で作らされたオリジナル曲は、決して奇をてらったわけでなく純粋無垢に音楽を楽しんでおり、そこがアウトサイダーアートとして評価されたのではないかと思います。でたらめの手抜き音楽ではない天然さが面白いです。
彼女らの作品中でも、特に強烈なカオス曲である「マイパルフットフット(My Pal Foot Foot)」をピアノソロアレンジしてみました。
原曲はこちら↓
「仲良し猫のフットフットちゃん(My Pal Foot Foot)」
作曲:ドロシー・ウィギン(Dorothy Wiggin)
リズムの概念がない…というかそれを獲得する過渡期に作られた音楽なのでしょう。2枚目のアルバムとの比較で、リズムを合わせようとしたり、拍子を意識しようとしたり、練習による演奏の上達も確認できます。
日本にもこれに類似するバンド「LOOP☆HR」(代表曲「孤独の鳥居」)がいましたが、残念ながら解散してしまいました。(LOOP H☆Rの『孤独の鳥居』を分析)
リズムや拍子の概念がない、もしくは曖昧な点が似てます。もしふざけたり狙ったりする気持ちがあれば、常人のメンタルでは生じるはずのブレや迷いが見られないことも共通しますね。…本物です。
50年前の天然ポリリズムバンド「シャッグス」を譜面に - ②世界原理
【マイパルフットフットコレクション☆】
2017年にシャッグスが再結成して当時のサウンドを再現。ドラムがないのが残念だけど再現度高い!
1982年の2ndアルバム「Own Thing」収録の同曲。演奏が上達し、リズムも若干ある。
ドット・ウィギン・バンド(Dot Wiggin Band)の演奏。再現度高いのも当然で、歌っているボーカル兼リードギターのドット・ウィギンは元シャッグスのドロシー・ウィギン(Dorothy Wiggin)であり、マイパルフットフットの作曲者。
外国人バンドによるコピー。リスペクトがないとここまでできない。
ピアノカバー。イントロと間奏の再現度が素晴らしい。歌の部分で伴奏少な目なのがもったいない。
Stvzさんのカバー。まともな音楽にアレンジ。
Nelson Montanaさんのカバー。これもまともな音楽にアレンジ。
The Shaggs - My pal foot foot (piano cover with sheet music)
The Shaggs is notorious for the weirdest band in the world.
"My pal foot foot" was recorded in the self published album, "Philosophy of the World" released in 1969.
I made sheet music and covered it for piano solo by ear training dictation.
This strange music is world of musical confusion...