皆さんこんにちは!
今回は、『成長期の子供のケガ シリーズ⑤ 骨盤周囲の骨端症 』〜ブキャナン病〜についてお伝えします。
皆さんは、『ブキャナン病』をご存知でしょうか?
『ブキャナン病』とは、腸骨稜(骨盤の横)に発生します。
以前ブログで紹介した『オスグッド病』『シンディング・ラーセン・ヨハンセン病』『シーバー病』『イセリン病』と同じ筋肉により繰り返し牽引され生じる骨端症です。
↓よりチェックできます!
『ブキャナン病』は、13歳〜21歳までに発症し、好発年齢は14〜16歳で、特に男性が多いと言われています。
その中でも、上半身の捻る動きの多い野球やバレー、陸上競技、サッカーをしている成長期に多く見られます。
『ブキャナン病』の症状は主に腰痛です。
腰痛の中でも「捻ると痛い」と「前屈(前かがみ)で痛い」に分かれることが多いです。
『ブキャナン病』は下の図のように2つに分類できます。
それぞれ動作時痛や圧痛が原因の筋肉によって違ってきます。
臨床検査は基本的にレントゲン検査を行います。
レントゲンではこのような画像が診られます。
「スポーツ選手における骨盤傷害 鈴江 直人」より引用・改変
超音波検査も診断に有用で、当院では超音波検査装置を用いて患部の状態を観察します。
発症の原因をいくつか紹介します。
1つ目は、筋肉柔軟性の低下です。
冒頭の分類でもお伝えした通り、腸骨稜に付着する筋肉がいくつかあり、柔軟性の低下により体を捻る、前屈時に牽引力が大きくなります。
2つ目は、胸椎回旋・股関節内旋、外旋可動域の低下です。
体を捻るという動作は「腰(腰椎)を捻る」をイメージされる方が多いと思います。
ですが実際には、腰(腰椎)は捻る可動域はとても小さいです。
本来、体を捻る動きは腰(腰椎)の上下関節である、胸椎と股関節の可動性で成り立っています。
下記のブログで腰椎と胸椎の可動性について投稿しています。
胸椎と股関節の可動性が低下により、筋肉の力に頼り無理矢理体を捻る動作行ってしまいます。
その結果、筋肉の牽引により発症してしまいます。
胸椎と股関節の可動性の低下は、筋肉の柔軟性低下や、胸椎や股関節のをうまく動かすことができないと引き起こされます。
最後に予後と治療に関してです。
『ブキャナン病』は基本的に予後良好です。
痛みの強い場合は、スポーツを中止する必要がありますが、治療をしながら痛みの強さに応じてスポーツの強度を変えていきます。
当院での治療を紹介します。
①徒手療法・運動、姿勢指導・トレーニング
当院では「Joint by Joint Theory」を基に原因と考えられる筋肉や関節に対して治療を行います。
「Joint by Joint Theory」については下記のブログで紹介しています。
今回は『ブキャナン病』に対してのトレーニングを1つ紹介します。
先ほど、発症の原因に「胸椎の可動性低下」と説明しました。
これらに対して行うトレーニングを紹介します。
②テーピング療法
原因となっている筋肉にテーピングを行い、牽引力を軽減させるためサポートします。
『ブキャナン病』は予後は良好なので治療を行い、疼痛をコントロールしながらスポーツを行えます。
発症してしまった理由を突き止め再発しないように予防をすることが大切です。
以上が『成長期の子供のケガ シリーズ⑤ 骨盤周囲の骨端症 』〜ブキャナン病〜でした!!