皆さんこんにちは!

 

今回は『成長期の子供のケガ シリーズ② 足周囲の骨端症 』〜イセリン病〜についてお伝えします!

 

皆さんは『イセリン病』をご存知ですか?

 

『イセリン病』とは第5中足骨粗面(足の小指の付け根)に起こり、骨端症の中でも稀であると言われています。

 

『イセリン病』では下の図の第5中足骨粗面(足の小指の付け根)に痛みが発生します。圧痛も×印のところにあります。

第5中足骨(足の小指の付け根)にも骨端核・成長軟骨がありレントゲンで見ると下の図のようになっています。

「Iselin病(第5中足骨粗面骨端症) 安間 久芳 小林 良充ら」より引用・改変

 

女児では 8~11 歳,男児では 11~14 歳の間に出現します。

 

症状は、ジャンプの着地や切り返し動作の際に痛みが生じますが、症状が強くなると歩行でも痛みを感じます。

きっかけがなく徐々に痛みが強くなっていく事がほとんどですが、捻挫や打撲が契機となり痛みが発生することもあります。

 

好発年齢は8歳〜14歳で、サッカーやバスケットボールなどの切り返し動作・ストップ動作の多いスポーツで受傷しやすいです。

なぜ、切り返し動作・ストップ動作の多いスポーツで受傷しやすいかは受傷原因が関係します。

上の図のように、第5中足骨粗面には①短腓骨筋腱や②足底腱膜外側束(足の裏の筋肉)が付着しています。

短腓骨筋は切り返し動作・ストップ動作の際に働く筋肉になっており、動作時に骨端核に牽引力が働き発症します。

 

レントゲンでは、下の図のような画像となります。

「Iselin病(第5中足骨粗面骨端症) 安間 久芳 小林 良充ら」より引用・改変

 

当院では、超音波診断装置も使って患部を観察します。

「第5中足骨粗面部骨端症(Iselin病)及びその遺残障害 大西 純二ら」から引用・改変

 

『イセリン病』に痛みが発生する箇所が似ているケガがいくつかあります。

代表的なものであれば『Jones 骨折(第5中足骨疲労骨折)』と『第5中足骨基部骨折』というものがあります。

各ケガの特徴を下の表にまとめました。

これらのケガは特徴がそれぞれあり、治療方針も変わってきます。なので、まずは鑑別をしっかり行い、それぞれに合った治療が必要です。

 

『イセリン病』は一般的に予後は良好で手術が行われることはありません。

症状が強い場合は安静も必要ですが、基本的に、当院ではスポーツを続けながら治療を行い痛みを減少させます。

 

『イセリン病』になる子供、ならない子供の違いはなんでしょうか。

当院では、切り返し動作の身体の癖(地面の切り返し方)、立ち方(外側荷重など)、筋肉の柔軟性低下、扁平足(足部内在筋機能低下)などの一人一人の身体の使い方が原因と考え治療を行います。

 

当院での治療を少し紹介します。

 

①徒手療法・運動、姿勢指導・運動療法

原因となる筋肉の緊張を取り除き、関節の動きをよくした後に、正しい体の使い方などを指導していきます。再発予防のためセルフケア方法の指導も行います。

上の図は足底腱膜・足のアーチに対するセルフケアの1例です。

 

②足底板療法

患者様の状態・体の使い方を診た上で運動靴や普段履に装着します。

当院では普段使われてる靴のインソールにパッド式のものを装着します。

 

③テーピング療法

筋肉の働きをサポートして患部のストレスの軽減を図ります。

『イセリン病』の場合は腓骨筋や足底腱膜をサポートするように行います。

 

『イセリン病』かをしっかり見極め、間違った身体の使い方を改善し、再発予防をすることが大事です。

症状が強くなる前に治療を行うことをお勧めします。

 

次回の『成長期の子供のケガ シリーズ② 足周囲の骨端症』もお楽しみに!

 

平沢整骨院 

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