皆さんこんにちは!

 

【番外編】水泳選手に起こる『肩の痛み』について〜水泳肩(Swimmer's shoulder)〜についてお伝えします。

 

『水泳肩(Swimmer's shoulder)』とは、水泳選手の肩関節に生じるスポーツ障害です。

 

発症年齢は、小学生〜高校生などの練習量が多くなる年代に発症しやすく、その中でもフォームの不良が見られやすい小学生に多くみられます。
あまり聞かないケガかと思いますが、クロールやバタフライに多く発症します。
 

発症する箇所は下図の通りです。

クロールやバタフライでのストロークでは、リカバリー動作後半からプル動作の初期において

棘上筋腱と上腕二頭筋腱による烏口肩峰アーチへのインピンジメント(衝突・挟み込む)し痛みが生じます。

 

クロールのストロークがこちらです。

「水泳における上肢障害の特徴と対処法・リハビリテーション  八木 茂典」より引用・改変

 

症状は、肩関節外転60度〜120度の痛み(ペインフルアークサイン)や上腕二頭筋に伸張ストレスを加えると痛みが生じます。

筋萎縮や可動域制限などはみられないことがほとんどです。

 

画像所見については、レントゲン画像では病変はみられません。

 

MRI画像では、不正像がみられます。

しかし、必ずし撮影する必要はありません。

「水泳における上肢障害の特徴と対処法・リハビリテーション  八木 茂典」より引用・改変

 

当院では。超音波検査装置を用い患部の観察を行います。

棘上筋腱や上腕二頭筋腱の肥厚や炎症像など確認します。

「投球時の肩痛  黒川大介」より引用・改変

 

 

受傷原因をいくつか紹介します。

 

1つ目は「肩関節の不安定性」です。

 

年少期から競泳競技を行っている選手は、肩甲上腕関節、肩甲胸郭関節の柔軟性が優れていることが多く、関節過可動性(hypermobility)を有し不安定性を認めます。

その状態に加え、前鋸筋や回旋筋腱板の機能低下が起こると先ほど記載した泳法でのフェーズで肩甲骨が不安定性を生じ、肩関節外転時に上腕骨頭下方への滑りが正常に行われずインピンジメントを生じます。

 

2つ目は「体の使い方(フォーム不良)」です。

「Swimmer's shoulder  武藤 芳照」より引用・改変

 

上記のフォームは1例ですが、ほんの少し使い方を変えるだけで肩関節の負担は減少します。

 

最後に予後と治療に関してです。

基本的に保存療法で経過を見ます。

痛みや症状に応じて水泳の中止も考慮しますが、ほとんどの症例では水泳しながら治療を行う事が可能です。

必要なことは原因を見つけ改善する事です。

原因の一つであるフォームの見直しやアライメントの修正を行います。

 

当院での治療を紹介します。

 

①徒手療法・運動、姿勢指導・トレーニング

当院では「Joint by Joint Theory」を基に原因と考えられる筋肉や関節に対して治療を行います。

「Joint by Joint Theory」については下記のブログで紹介しています。

 

先程、受傷原因の一つに、『肩関節不安定性』と説明しました。

受傷原因に対する「インナーマッスル」のエクササイズ方法をお伝えします。

 

1人1人原因は違います。我々はその違いを見極め、1人の患者様にベストな改善方法をお伝えします。

 

 

『水泳肩(Swimmer's shoulder』は水泳選手では稀な障害ではありません。

軽い痛みを放置していると徐々に悪化し、水泳を継続することが難しくなります。

早期発見し原因を改善すれば治療しながら経過観察できます。

少しでも気になる方は早めの受診をお勧めします。

【番外編】水泳選手に起こる『肩の痛み』について〜水泳肩(Swimmer's shoulder)〜 でした!!