みなさんこんにちは!

 

今回は、『成長期の子供のケガ シリーズ② 足周囲の骨端症 』〜シーバー病〜 について説明していきます。

 

皆さんは『シーバー病』をご存知でしょうか?

 

『シーバー病』とは踵骨(かかと)に発症する骨端症です。

発症すると、走ることやジャンプで痛みを感じ、症状が強いと歩行痛も強く感じます。

 

発症年齢は、

下の図のように、9歳〜13歳の間の小児に発症しやすいです。

「外来新患統計からみた成長期下肢スポーツ障害の年齢分布 内山 英司ら」より引用・改変

 

 

これらの時期では、骨は成長途中になっています。

レントゲンではこのように映ります。

「成長期の足部・足関節スポーツ外傷・障害 米田 梓ら」より引用・改変

 

骨端核や成長軟骨はこれから大人の骨に変わっていく基になるものです。

骨端核は男児で7 〜 8歳ごろ,女児5 〜 7歳ごろに出現し,15 〜 17歳くらいで踵骨(踵の骨)体部に癒合し大人の骨になります。

 

次に、発症メカニズムを説明します。

上図のように、

①アキレス腱(ふくらはぎの筋肉)、足底腱膜(足の裏の筋肉)による骨端核の持続的牽引力。

②踵への繰り返される衝撃,圧力といった機械的な微小外力。

によって発症すると言われています。

 

以前お伝えした『オスグッド病』に似ているケガになります。

 

 

 

成長途中である子供の骨は、筋肉の伸長ストレスや衝撃に弱くなっています。

ですが、成長期の子供全員が『シーバー病』になるわけではありません。

 

『シーバー病』になりやすい子供の特徴を2つピックアップしてお伝えします。

1つ目は、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)、足底腱膜の硬さです。

 

しゃがみ込みができないのも、ふくらはぎの筋肉の硬さが関係しています。

筋肉の硬さで伸長ストレスが強くなるのはもちろんですが、着地時の衝撃吸収がうまくできずに患部のストレスが強くなります。

 

2つ目は、着地時などの体の使い方です。

体の使い方は以前こちらのブログで説明しているのでこちらのブログをご覧ください!

 

 

 

次に『シーバー病』の治療について説明します。

一般的に予後は良好で手術が行われることはありません。

症状が強い場合は安静も必要ですが、基本的に、当院ではスポーツを続けながら治療を行い痛みを減少させていきます。

 

当院でおこなっている治療を少し紹介します。

 

①徒手療法・運動療法

原因となる筋肉の緊張を取り除き、関節の動きをよくした後に、体の使い方などを指導していきます。再発予防のためストレッチ指導も行います。

 

今回は腓腹筋とヒラメ筋のストレッチを紹介します。

 

・腓腹筋のストレッチ

 

・ヒラメ筋のストレッチ

必要であれば以下のような治療を加える事もあります。

 

②足底板療法

患者様の状態・体の使い方を診た上で運動靴や普段履に装着します。

当院では普段使われてる靴のインソールにパッド式のものを装着します。

下の写真は、踵部の補高を加えるものです。

『シーバー病』に対し踵に少し高さを加えることで、踵部のストレスを軽減できます。

 

③テーピング療法

筋肉の働きをサポートして患部のストレスの軽減を図ります。

下の図は、ふくらはぎの筋肉をサポートしているものになります。

 

今回は『シーバー病』について紹介しました。

スポーツをしている小学生にとても多い『骨端症』です。

放っておくと症状が強くなるので早めの治療をお勧めします。

 

次回の『成長期の子供のケガ シリーズ② 足周囲の骨端症 』もお楽しみに!

 

平沢整骨院 

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