岩谷薫著『亡くなる心得』について | 日置研究室 HIOKI’S OFFICE

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作家の日置俊次(ひおきしゅんじ)が、小説や短歌について語ります。
粒あんが好きですが、こしあんも好きです。

 

  岩谷薫著『亡くなる心得』について

 

 岩谷薫氏の著作『亡くなる心得』の新聞広告が出たことは、これまでご紹介してきております。

 その広告を見て、大きな反響が起こっています。

 岩谷薫氏のブログから、引用します。

 

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 そんな中、「現金書留でしか送れませんが、どうか、切羽詰まっている故、早くに『亡くなる心得』を送ってください!!!!」 や 「足が悪くて、出歩けないのですが、現金書留でなんとかいたします…送ってください!」など切羽詰まった御要望も多々あり、私自身が慌てました!!
 大阪 箕面のタッキーFMに出演 | Talking with Angels 天使像と石棺仏と古典文献: 写真家、作家 岩谷薫 (ameblo.jp)

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 以上、引用です。広告に多大な反響があったのです。

 この本は、実は非常に高度な内容で、学問的にも重要な指摘が数えきれないほどあり、専門的に考察をしなければならない提言が多いのです。しかし、この本のすごいところは、そういう難しいことを考えなくても、一般の普通のご老人にもすっきりと理解できるように書かれていることです。しかも、死を前にしてどうしようもなくなっている人の心を打つように書かれています。

 ここには、母親思いの著者が、老母に読ませようと常に苦心して執筆したという秘密があります。まず母を思う心が、このような明快で分かりやすく、一般に人にも実際に役に立つような形の快著を生み出したのだと思います。

 広告を見るだけでも、なんとなくそれが感じられるのでしょう。

 

 もう一つ話を付け加えておくと、岩谷氏は、当初、鎌倉の詐欺書房でこの本を出版しようとされたのですが、詐欺師のためにひどい目に会いました。これは私とおなじ状況です。詐欺書房の嘘にまみれた詐欺のダメージは大きかったのですが、岩谷氏は横浜地裁に訴えて、裁判で、見事、詐欺書房に勝訴しました。そして自力で、この『亡くなる心得』の出版にこぎつけたのです。

  http://iwatanikaoru.blog134.fc2.com/blog-entry-342.html

 

 昔から新しい芸術作品や、新しい発明品が生まれるときに、作者が試練をくぐりぬけるという逸話がたくさんありますね。苦心の果てに、すばらしい作品を完成させるという物語が、いろいろ残されています。絵画の世界を例にとりますと、例えばゴッホなどは、馬鹿にされて、苦労しながら作品を描き続けて、生前1枚も絵が売れませんでした。今なら何百億円出してもなかなか買えません。セザンヌは近代絵画の父と呼ばれ、彼がいなければ現代の絵画も成立していないと言われます。しかしパリ・サロンは1864年から1869年まで、毎年セザンヌの作品を審査で落としつづけ、落選に次ぐ落選で、パリに呆れたセザンヌは結局南仏に帰って創作を続けました。しかし、いまではもう、セザンヌの盛名は美術の世界にとどろいており、セザンヌの絵には値段が付けられないという感じです。

 何かそういう「試練」という印象が、岩谷氏の『亡くなる心得』にも感じられます。「試練」を乗り越え、正しい評価が、これから拡大していけばいいと祈っております。

 

 しかしいずれにしても鎌倉の詐欺師、鈴プーチンの詐欺書房がやったことは、許されることではありません。岩谷氏は老いたお母様の衰えを悲しみ、出版が遅れてしまったことを嘆いておられます。途方もないダメージを受けておられます。この詐欺書房だけは、許してはならないと考えます。

 

   

 

 

 

 

   

 

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