◇ 考察11-2 灰原さんの選択  (共にいる覚悟2)「黒鉄の魚影」 ◇ | ひまわりの散歩道

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劇場版名探偵コナン「業火の向日葵」の感想をメインに
コナンについて好き勝手、書き散らしています。
 
 
 

◇ 考察11-2 灰原さんの選択

 (共にいる覚悟2)「黒鉄の魚影」 ◇

投稿が滞っております。灰原さん難しい。
でも「黒鉄」感想で書いておきたいので、ぼちぼちと。

あずま如きが彼女の何を判るんだろう、

と、思わないでもないですが
まあ、あずまなりの解釈ってことで。

・・・すげー長くなる予感。うーん。


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「黒鉄の魚影」を観る前、
以前の私が思っていたことですが

本来、灰原さんに必要なのは、
辛い過去の傷を癒し、前を向くことができるような
絶対的に安全な場所と、時間、なんだろうな、て。

組織から逃げだした当初の灰原さんは
精神的にも(お姉さんが殺されて、自分も殺されかけた)
身体的にも(幼児化して自分の在り方が変わった)
立場的にも(組織に追われ、見つかれば殺される)
ズタボロと言って良いくらいの

大変な状況だと思うんですよね。

なので、まずは立場的な脅威(組織の追手)のない、
絶対に安全で、穏やかで、温かな空間で
幼児化と言う身体的ハンデをサポートしてもらいつつ、
優しく温かく接してもらうこと。

もうこれが絶対条件で、

そういう環境で、心身を十分に休めて、
過去にも今にも向き合って、受け入れて、
この先自分がどうしたいのかを考える。

そういう道のりを辿るのが、灰原さんには必要で、
だからそういう環境を選ぶのが

最善なんじゃないかな、て。

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そして、灰原さんには、その選択は、
いつでも、いくらでもできた。

米花町は事件が多くて恐い、と一言いえば
コナンも博士も別の身の振り方を考えてくれたでしょう。

博士とは離れたくないのであれば
優作さんや有希子さんを頼れば良い。

灰原さんは、対組織戦での超重要人物です。
どこに身を寄せても、大切にされます。

なのに、灰原さんが選んだのが、
よりにもよって、コナンの隣。

「やさしい歌」よりも「強烈な閃光」を選んでしまった。

もちろん、彼女の居場所を選ぶのは彼女自身ですが、
この代償はかなりキツイよね、

大丈夫なのかな、て思ってました。

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コナンの隣にいるには、覚悟が要ります。

「自分だけを見てくれる他の誰か」ではなく、
コナンの傍で「二番目」に甘んじ続ける覚悟。

シェリーの事情にコナンを巻き込む覚悟。

そして、

恐怖と罪悪感から抜け出して
周囲から愛されることを受け入れる覚悟。

コナンや大切な人達のために、
逃げるのではなく自ら行動する覚悟。


コナンの相棒でいるということは、そう言うことです。
灰原さんは、果たしてここまで考えているんだろうか。

ここで、何というのかな、コナンと灰原さん、2人が、
お互いに対して求めるモノや与えようとするモノ、
そして相手から与えられるモノに、ズレがあって
灰原さんの方が、ちょっと無理をして、

ズレを抱え込んでいる。

これはいつか、灰原さんの方が

パンクするんじゃないのかな。

正直、そんな風に見えていたんです。


それが「黒鉄の魚影」、いや、
「純黒の悪夢」に始まった「灰原哀三部作」で、
彼女は一気に変わったな、て思います。


考察11 共にいる覚悟

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