『12日の殺人』 未解決事件のその後は……。ロードバイクと黒猫のインパクトも。 | himawari's diary

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鑑賞日 2024年3月22日(金)
 
 
製作年 2022年
 
製作国 フランス
 
言語 フランス語・手話 日本語字幕
 
尺 121分 
 
公開日 2024年3月15日(金)
 
原題 La nuit du 12
 
レイティング G 
 
配給 STAR CHANNEL MOVIES
 
 
スタッフ
 
監督 ドミニク・モル
 
原作 ポーリーヌ・ゲナ『18.3: Une année à la PJ(刑事訴訟法18.3条:司法警察での1年)』
 
脚本 ジル・マルシャン、ドミニク・モル
 
 
主なキャスト
 
バスティアン・ブイヨン:ヨアン
 
ブーリ・ランネール:マルソー(ヨアンの相棒)
 
テオ・チョルビ:ウィリー(ヨアンの同僚)
 
ヨハン・ディオネ:(ヨアンの同僚)
 
ティヴー・エヴェラー:ロイック(ヨアンの同僚)
 
ポーリーヌ・セリエ:ナニー(クララの親友)
 
ルーラ・コットン・フラピエ:クララ
 
ピエール・ロタン:(DV男)
 
 
概要
 

2016年の10月12日の夜、グルノーブル署で、引退する殺人捜査班の班長の壮行会が開かれていた頃、山あいのサン=ジャン=ド=モーリエンヌの町で、21歳の女性クララが、友人たちとのパーティの帰り道、突如何者かにガソリンをかけられ火を放たれた。そして、無残にも彼女は翌朝焼死体で発見される。すぐに後任の班長ヨアン(バスティアン・ブイヨン)率いる新たな捜査チームが現場に駆けつける。クララが所持していたスマートフォンから、彼女の素性はすぐに明らかになった。

クララの親友のナニーの協力などもあり、クララと交際歴のあったバイト先のウェズリー、ボルダリングジムで知り合ったジュール。そしてあろうことか彼女を「燃やしてやる」というラップを自作していた元カレのギャビなどが捜査線に上がっては消えていった。だが、クララと関係を持っていた男たちは、一様にして彼女が奔放な女性だったことを示唆していた。 懸命な操作が続いたが、事件を解決まで導く確信的な証拠もないまま捜査班は解散となってしまう。

それから3年後。ヨアンは女性判事(アヌーク・グランベール)に呼び出され、新たなチームを作り再捜査に乗り出すことになった。今度は女性捜査官のナディア(ムーナ・スアレム)も加わり、クララの三周忌に彼女の墓で張り込みをすることになった。果たして、仕掛けていた隠しカメラに写っていたのは…。

(引用元:公式サイト)
 
 
感想
 
本作はフランスで2013年に実際に起きた
 
「モード・マレシャル殺人事件」を基にした
 
フィクションとのこと。
 
 
謎が多く、スリリングな内容に引き込まれました。
 
舞台のグルノーブルという、
 
山に囲まれた美しい風景が観られる街も素敵。
 
殺人事件の映像的なグロさは
 
そんなに激しくはないです。
 
レイティングもGですね。
 
ただ、妙なインパクトはありました。
 
脳内でいろいろ想像させられる感じです。
 
個人的にはいい作品だと思うので、
 
結末がわかった上でもう一度落ち着いて、
 
ゆっくり鑑賞したいです。
 
ただ、後味がスッキリする作品ではないので、
 
好みはわかれると思います。
 
 
生きたまま焼かれたという残酷な殺人事件。
 
容疑者は次々と浮上するものの、
 
決定的な手掛かりがない。
 
被害者のクララが容疑者の男性全員と
 
関係を持っていたという怪しさは
 
謎に輪をかけて混乱させます。
 
なかなか進展しない捜査に混乱し、
 
刑事たちの精神も不安定、疲弊していく姿に、
 
観ている側もヒリヒリします。
 
コピー機の不具合でイラついたり、
 
事務作業に追われたり、
 
「残業代は普通にない」と話すなどの
 
刑事たちの日常の様子も描かれていることで、
 
かなり、リアルさを感じました。
 
 
クララの親友のナニーの証言、
 
これは本当かもしれないけれど、
 
辛いものでした。
 
途中から捜査に加わった、
 
女性捜査官のある言葉も印象的。
 
どちらも男性優位社会の中の女性の立場を
 
象徴するようで、痛烈でした。
 
それともうひとり、重要な女性がいます。
 
捜査班が解散してから3年後、
 
再捜査を提案した女性判事。
 
ソフトな語り口ですが、意志の強さ、
 
有能さを感じる印象的な女性でした。
 
 
その他、印象に残っているのは
 
班長の刑事・ヨアンが気分転換に
 
ロードバイクに乗ること。
 
いつもトラックしか走らないことを
 
相棒のマルソーに指摘されていました。
 
終盤で公道を走るようになった姿が
 
何か吹っ切れたようにすがすがしかったです。
 
それと、何度か登場する黒猫。
 
何かを暗示しているようでした。
 
 
 
ドミニク・モル監督の前作
 
『悪なき殺人』(2019)も
 
かなりインパクトがありました。
 
 
 
前作同様、本作もミニシアターでの公開。
 
展示も興味深く鑑賞しました。
 
 
こちらはヒューマントラストシネマ有楽町。

 

 

 

 

以下は全て新宿武蔵野館。

 

横に長~いポスター。

 

 

 

 

丁寧なコラージュ。

 

 

 

 

エレベーターのドアにも。