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Global blog 〜世界の社窓から〜

アジア、東南アジアに積極展開するインターネットカンパニー
アドウェイズの海外社員ブログです。

僕が勤めるアドウェイズという会社のビジョンは「世界のインターネット商社」です。
このビジョンを入社した頃から、日本発の素晴らしいインターネットサービスを世界に持って行くぞ、そして世界のあらゆる問題を解決するぞ!という風に考えていたのですが、実際今自分が海外に出てみて、もう少し掘り下げて考えるきっかけがありました。

それはサムスンやLGなどの韓国企業の躍進です。

そこに「世界のインターネット商社」のヒントがありました。

商社とは広義で卸売業(俗に言うラーメンから飛行機まで)と言われ、自社でサービスを持っているわけではありませんが、新しい形とは、自社でサービスを持つということです。サムスンLGは自社で安くて質の高いテレビや携帯電話などの電化製品を持っています。さらにサムスンLGは日本の商社と同じように、むしろそれ以上に世界に数多くの拠点を持っており、(サムスンLGを中心に考えると)韓国政府というパートナーを使って、K-POPや韓国ドラマ、韓流スターなどのコンテンツをサムスンLGのテレビ(媒体)を通して海外に輸出しています。

今後、現状のエンターテイメント系コンテンツ以外にも韓国ファッション、韓国料理など、さらに広がって行くでしょう。そしてゆくゆくはビジネス範囲を超えて文化交流、世界平和にも繋がるでしょう(例えば自分達が大好きなアニメやファッション、料理を持っている国に攻撃しようとは思いませんよね?お互いのことを心底分かり合えば喧嘩しないですよね?)。このようにサムスンLGが自社の媒体とネットワークを使って韓国の様々な商品を卸していく様は、まさに商社の大きな側面ではないでしょうか。

僕はアドウェイズという会社で、インターネットメディア(現状は広告ネットワークとゲームを自社で持つ)とアジア・東南アジアに張り巡らされた拠点を通して、日本の素晴らしい文化を世界に伝え、各国の発展(技術・ノウハウの移管と雇用創出による経済発展)と世界平和(前述の各国相互理解)に寄与したいと思います。それが我々のビジョンである「世界のインターネット商社」と考えます。

現在、領土問題のニュースが海外まで届きますが、韓国とは良き友、良きライバルとして、世界を盛り上げて行きたいですね。


明日からインドネシアに向けて飛び立ち、ジャカルタに赴任することになりました。

 

今年20121月に上海赴任になってからの上海編は、半年間という非常に短い期間で幕を閉じることになりました。

 

もともと色々な国での海外経験を希望していたので、希望と言えば希望ですが、正直もう少しやりたかったという心残りはあります。

 

上海赴任当初から色々な仕事を任せて頂きましたが、既にインターネット広告会社として出来上がっている中で、何かNo.1になれるものは無いかと考え、特に中国スマートフォンで一番詳しい人間になろうと思いました。そして、個人目標の一つに中国アドウェイズでスマートフォンを事業の柱にするという項目を入れました。それをもう少し見届けたかったというのが心残りの一つとしてあります。

 

その中で、この半年という短い間でも、非常に多くのことを学ばせて頂きました。

 

やはり一番の反省は語学です。

 

スマートフォンというグローバルな、国を跨ぐ(以後、越境性と呼ぶ)サービスに取り組む反面、自分自身が日本語という越境性の無い言語しか話せませんでした。中国の先輩社員からはナンパして彼女作って覚えるのが一番とアドバイス頂きましたが、草食系にはきつかった(笑)。そんなことでは、越境性に対応したチーム作りもできませんし、ビジョンも、戦略も日々伝えていくことができません…。

 

中国アドウェイズでは、アフィリエイトサービスのCHANetや中国独自の検索エンジンである百度のリスティング広告運用、中国版Twitterの微博運用など、越境性の無いサービスも展開していますが、越境性のあるなしでやり方が違うことを学びました。

 

インドネシアでは、現地の人たちと同じ目線に立ち、よく遊び(笑)、よく学びたいと思います。そして、上海の心残りを打ち返すぐらい活躍します。

 

 

インドネシアでの目標はアドウェイズを東南アジアNo.1のインターネットカンパニーにし、東南アジアでの確固たるポジションを築くこと。具体的には、まず、日本の技術・ノウハウを移転することで、雇用と独自のビジネス生態系を生み出し、育てることに貢献したいと考えています。育てると言っては大変烏滸がましい程、インドネシアには優秀な人材が多いのですが、一緒に創り上げたいという意味です。まぁあまり具体的では無いかもしれませんが(笑)、1つずつ会社のプレスリリースで報告できるように頑張ります。

 

来年、メンバーみんなでガイアの夜明けに出ているかもしれません(笑)。

 

今後ともよろしくお願いします。

 

小倉広嵩


 

追記:

越境性という言葉は、アドウェイズインドネシアの社長であり、尊敬する同期でもある高野勇斗がよく使う言葉で、引用して僕も使っています。

日本ではコンプガチャ問題で大きく揺れるソーシャルゲーム業界ですが、それはさて置き、GREEDeNAの中国展開について少し纏めたいと思います。

 

DeNA2012年に入ってからのプレスリリースで、中国関連を抜粋します。

 

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2012/01/17

DeNAと中国オンラインゲーム大手ネットドラゴン、合弁会社設立に合意 ~中国版「Mobage」向けスマートフォンゲームを開発・運営~

 

2012/02/01

DeNAと中国検索最大手の百度が業務提携

~「百度・易」公式アプリストアに中国版「Mobage」専用コーナーを開設~

 

2012/02/23

DeNA、中国で華為製スマートフォン向けに「Mobage」を提供 ~華為公式アプリストアに中国版「Mobage」専用コーナーを開設~

 

2012/02/27

DeNAと中国セキュリティソフト最大手の360が業務提携に合意 8,000万人以上が利用する360のプラットフォームと中国版「Mobage」が連携~

 

2012/03/12

DeNAと中国ミニブログ最大手の新浪が業務提携に合意~中国版「Mobage」と「新浪微博」を連携~

 

2012/03/28DeNA、中国の3大移動通信事業者と提携~各事業者の公式アプリストアでキャリア課金に対応した中国版「Mobage」アプリを配信~

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ゲームディベロッパーとの提携もありますが、アプリダウンロードの入り口を抑える動きが目立ちます。

 

これは中国で約半分のOSシェアを誇るAndroidの市場を抑える非常に重要な提携かと思われます。なぜなら中国のAndroidマーケットは日本と違い100以上は優に超えており、その中でキャリアのマーケットを含め、上記提携にあるようなユーザー数を多く抱えるマーケットを抑えることは非常に重要で、中国でAndroidアプリを展開する際、mobageのプラットフォームに乗せておけば重要なアプリマーケットに掲載されることを意味するからです。

 

対してGREEはどうでしょうか。

 
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2011/01/26

グリー、中国最大のインターネットサービス企業Tencentと業務提携

 

2011/04/27

グリー、子会社のOpenFeint社を通じてソーシャルゲームプラットフォームを中国で提供開始 提携先のThe9社が「The9 Game Zone」をスマートフォン向けに提供

 

2011/11/30

タイトー、Tencent社とグリーの業務提携によるサービス展開第一弾として スマートフォン向けソーシャルゲームを中国市場へ提供

 

2011/12/28

コーエーテクモゲームスとグリー、中国版「100万人の三國志」をTencent社のプラットフォームに初提供

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2012年に入って直接中国に関係するプレスリリースはありませんでしたが、2011年にTencentとの大型提携を行なっています。TencentQQという無料のインスタントメッセンジャーソフトが有名で、総ユーザー数7.5億人、アクティブユーザー数(同時オンラインユーザー数)1.7億人を誇っています。また、EnfoDesk2011年第4四半期の中国オンラインゲームシェアのレポートによると、ダントツトップの31.1%のシェアをとっています。

 

【中国オンラインゲーム市場(約6090億円)の大手3社】

1位:騰訊「テンセント(Tencent)」31.1%http://www.qq.com

2位:网易「ワンイ(Netease)」17.8%http://www.163.com

3位:盛大「シャンダ(SNDA)」16.7%http://www.sdo.com

 

このTencentの巨大プラットフォームに、GREEからゲームを投入し、逆に日本進出としてTencent からGREEのプラットフォームに投入するなど相互関係を強めています。

 

また、あまりニュースには取り上げられていませんが、提携先のThe9社が中国三大通信キャリアと繋がっているので、DeNAと同じようにキャリアマーケットを含めたその他上位マーケットを抑える動きを行なっています。

 

 

最後に本日(2012/06/03)のAppStoreChinaGREEmobage、それぞれ検索をかけてみました。

 

gree&mobage

※上海纵游はDeNA Chinaの中国語表記。

 

mobageは中国専用として中国現地法人からアプリを投入していますが、GREE提供ゲームは中国語に対応しているものの、中国版と言うより世界展開版という位置づけです(世界各国のAppStoreで提供されています)

また、中国専用にした甲斐あってか、mobageの『三国征途』はAppStoreの無料総合ランキング10位(Strategy Gameでは1位)を先月5/10に獲得しています。

 

Androidのマーケットを抑える動きとAppStoreの状況を見ると、現状の中国ではDeNA一歩リードのように見えますが、まだまだスタート直後の状況に過ぎません。

 

今後も日系global企業の動きに目が離せません。

 

 

 

【参考URL

DeNA 2012年のプレスリリース

http://dena.jp/press/list.php?prev_year=2011&cur_year=2012&next_year=2013

GREE 2011年のプレスリリース

http://www.gree.co.jp/news/press/2011.html

DeNA Signs Deals with China’s Three Largest Carriers for Mobage

http://www.techinasia.com/dena-china-carriers

■中国マイクロブログ(微博)雑記

http://blog.livedoor.jp/osschina/archives/50488862.html

Skipper_John(石井良宗)の中国ビジネス・ブログ

http://blog.livedoor.jp/john1984jpn/tag/%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88