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ブランク

スウェーデンから帰ってきました。


三人のレクチャラーの講義だけではなく、各国から参加していた学生達との交流から、さまざまなことを学んだ二週間だった。ほんとうにあっという間の二週間だった。授業料をとらずににここまで贅沢なコースを提供してくださった、ルンド大学と協賛していただいた関係者の皆さんに感謝。


さて、これから生活のリズムを立て直さなければならない。

サマースクールにいってきます。(ブログはしばしお休み)

今日から、サマースクールに参加します。


The Sciences and Humanities in a Changing World
http://www.icomm.lu.se/summerschool/


大仰なタイトルですが、どんなことになるのか楽しみです。

主な授業は、「知識人論」「心理学の歴史」「社会科学の哲学」。

ということで、ブログ更新はしばらくのあいだお休みになると思います。


帰ってきたら、サマースクールでの成果をもとに
なにか書いていければなぁと思っています。

科学技術コミュニケーションの人材育成

sumidatomohisa さんのところでも紹介されているように、いつのまにか、科学技術コミュニケーションの人材育成が動き出している。科学技術コミュニケーションが、巷で見受けられるようになったのは、つい二年前くらいだと思うのだが、もう大学院ができてしまっている・・・。これも、広ーい解釈が可能な点では共通している「科学」と「コミュニケーション」の威力なのだろうか。


●科学を易しい言葉で――“通訳"養成、大学院で 6月1日 読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050531i116.htm


これらの大学院以外でも、阪大のコミュニケーション・デザイン・センターなど他にもこうした試みがどんどんでてきている。 まさにこれからといった感じ。


こうなってきた背景には、もっと科学技術のガバナンス(!)に積極的に関わっていく人材が求められているのだろう。 だから、「通訳」っていうのはすこし消極的な目標だと思う。


また、カタカナになってしまうが、端的なスローガンとしては、


「リアクティブ(reactive)からプロアクティブ(proactive)へ」


だと思う。つまり、科学・技術者からもたらされる科学技術の成果を「事後的」に処理するのではなく、「事前」から知識生産の一端を担っていくのだ。「あなた作る人、わたし伝える人」というのでは、古すぎる、役に立たないっていうところからでてきたのが「科学技術コミュニケーション」ですよね。

イギリスは原子力へすすむのか

先日のニュースのまとめでは、原子力エネルギーについてのニュースがいくつかありましたが(インデペンデント紙が主)、ガーディアン紙の月曜日のComment&Analysis欄では、おおきな記事で原子力エネルギー擁護論でがでていました。ガーディアンはシェフィールドの件については、あまりおおきく扱ってないようです。労働党よりといえるのでしょうか。それほど党派性を感じさせない批判性があるとおもっていたのですが(>ガーディアン歴の長いpomoさんはどう思いますか?)。


●Forget about wind farms. Nuclear power is the future:We are energy junkies, but there's a safe, clean answer to our cravings

http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,,1495257,00.html

Max Hastings
Monday May 30, 2005
The Guardian


現実的にいけば、原子力だという主張です。我々は、エネルギー浪費家なんだからしょうがないと・・・。たしかにそうなんですが・・・風力だオルタナティブだというのは偽善にほかならないのでしょうか。


いずれにせよ、エネルギー政策は切羽詰ってきているかんじです。深読みするならば、労働党政権は原子力発電所を作る方向で準備している感じです。

イギリスは原子力へすすむのか

先日のニュースのまとめでは、原子力エネルギーについてのニュースがいくつかありましたが(インデペンデント紙が主)、ガーディアン紙の月曜日のComment&Analysis欄では、おおきな記事で原子力エネルギー擁護論でがでていました。ガーディアンはシェフィールドの件については、あまりおおきく扱ってないようです。労働党よりといえるのでしょうか。それほど党派性を感じさせない批判性があるとおもっていたのですが(>ガーディアン歴の長いpomoさんはどう思いますか?)。


●Forget about wind farms. Nuclear power is the future:We are energy junkies, but there's a safe, clean answer to our cravings

http://www.guardian.co.uk/comment/story/0,,1495257,00.html

Max Hastings
Monday May 30, 2005
The Guardian


現実的にいけば、原子力だという主張です。我々は、エネルギー浪費家なんだからしょうがないと・・・。たしかにそうなんですが・・・風力だオルタナティブだというのは偽善にほかならないのでしょうか。


いずれにせよ、エネルギー政策は切羽詰ってきているかんじです。深読みするならば、労働党政権は原子力発電所を作る方向で準備している感じです。

英科学ニュース:原子力、プラスチックの有害性、他

サイコム・ニュース(http://scicom.jp/mailmag/ )のためにまとめたもの。とりいそぎ。


英科学ニュース5/29

■研究に関しては、動物実験に関するレポートが一番大きなニュースかもしれません。英国の動物愛護・権利運動は、先日もアメリカでテロリストとして扱われているという報道があったように、国内外で激しい活動を繰り広げていますが、今週も、レポート以外にも、ブリティッシュ・エアウェイズが実験用の動物の輸送を禁止したり、動物権利の問題の報道についての議論が起きたりしています。国民、研究者、メディア関係者のすべての人たちにとって取り扱いの難しい問題になってきていることをうかがわせます。

■シェラフィールドの再処理工場での燃料漏れのニュースにも驚きました。最長で9ヶ月も、見過ごされてきたということだけでなく、選挙前の報道が控えられたとみられているところが重ねて驚かされます。ブレア政権がエネルギー問題においてもう一度、原子力に重点をおこうとしている矢先ということもあり、タイミングが悪いというかなんというか、今後はどうなっていくのでしょうか。

■シェラフィールドのあるカンブリア地方は、このメルマガでも言及される「欠如モデル」という言葉を生んだブラインアン・ウィンの論文の舞台でもあります。論文では、放射能汚染がすすんでいるという疑いのある地域の調査において、放射性物質の専門家が、羊酪農家の持っている「知識」を見過ごしてしまった(「欠如」していると思った)ために実情把握が遅れてしまったことが主題になっていますが、今回の事件は(まだ事実関係ははっきりしていませんが)、より広く深い問題のような気がして成りません。これ以上、私の生半可なコメントは避けますが、日本と抱えている問題が似ているだけに、注目していていくべき事件だと思います。

■健康・医療関連でも、私達の生活と大きく関わってくるようなニュースがいくつかありました。特にプラスティックの件に関しては、一面にも取り上げられたほどで、もしかしたら大きな動きにつながってくるかもしれません。

■ビジネス面では、New Scientist紙のホームページにあったDVDの規格のニュースが目をひきました。インペリアル・カレッジの研究者の言葉として、開発しているとはいえ(規格の問題は)「我々に決定権はない。ハリウッドが決めるんだよ」というコメントが惹かれていました。先日、東芝とソニーの規格の競争が英紙でも伝えられていましたが、それとの関連はどうなっていくのでしょうか。

■ちなみに、私は次週から2~3週間、このメルマガの編集協力ができません。このセクションを意識して読んでくださっている方々がどれだけいらっしゃるかわかりませんが、あらかじめご了承ください。(岡橋)


動物権利
●Scientists told: reduce animal experiments
http://education.guardian.co.uk/businessofresearch/story/0,9860,1491676,00.html

▼the Nuffied Council on Bioethicsによる動物実験に関する二年がかりの調査レポートが発表される。短期間で動物実験を中止することは非現実的だといいつつも、動物実験の替わりになるような方法も模索していくこと、動物実験に関する情報開示を進めることなどを提言。

●Scientists dismayed by BA animal ban
http://www.guardian.co.uk/animalrights/story/0,11917,1494462,00.html

▼土曜日のガーディアン紙の一面記事。ブリティッシュ航空(通称BA)が、実験用の動物の輸送を禁止することに関して、政府や科学者が懸念をしめしている模様。

●Two sides to animal rights story
http://www.guardian.co.uk/animalrights/story/0,11917,1494914,00.html

▼先日、サイコムニュースでも紹介した、動物権利・反生体解剖の人たちの行き過ぎた例を示した記事がありましたが、その後、記事がかならずしも正確ではなかったことが話題になっている。ここでは、問題となった記事を書いた記者が、経緯を書いている。また、この件に関しては、Europeans for Medical Progress (EMP)が主催したメディアの責任を考える討論会(@ロンドン)でも議論された。

原子力
●Plutonium was left lying in a puddle on the floor for nine months
http://news.independent.co.uk/uk/environment/story.jsp?story=642357

▼'Complacency' led to the spillage of 83,000 litres of highly radioactive nuclear liquor at the Thorp reprocessing plant in Cumbria. Francis Elliott on a scandal that could destroy government plans for a second nuclear age

●Revealed: huge Sellafield leak went undetected for 9 months
http://news.independent.co.uk/uk/environment/story.jsp?story=642358

▼この4月に、シェラフィールドにある再処理工場で、83000リットルの燃料漏れが起きていることがわかった。長くて9ヶ月も発見されずにいたという。なおかつ、選挙まえだったので、事件がメディアにでてくるのが遅くなったという(!)。さらに、閉鎖にともなう経費などに5億ポンド(約100億円!!)の税金が使われる予定。ブレア政権のエネルギー政策にも影響をあたえる可能性もあるかもしれません。

大学・研究生活
●Anti-cheat software turned on academe
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2022165

▼学生のカンニング(cheats)を防ぐために使われているソフトウェアが、学術誌にも使われるかもしれない。

●Minister downplays potential course cuts
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2022172

▼化学の学部の閉鎖などは、国家的な問題にはなっていないのではないか。と新しい高等教育大臣が語る。

健康・医療
●Toxin in plastics harming unborn boys: Scientists say chemicals have gender
bending effect
http://www.guardian.co.uk/medicine/story/0,11381,1493570,00.html

●'Gender-bending' chemicals found to 'feminise' boys
http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn7440

▼ガーディアン紙では一面記事。プラスティックや化粧品などに普通に含まれている「フタラート(phthalate)」という物質が、男の赤ん坊の成育を阻害し、彼らをよりフェミニンにして、生殖機能などを低下させることは研究者の間で知られていましたが、今回のアメリカでの研究ではそれが、現在の日常にあるようなレベルでも起こりうることを示したということで衝撃的なようです。(もとの論文は、Environmental Health Perspectives)

●Exposed: how cigarette firms target women
http://news.independent.co.uk/uk/health_medical/story.jsp?story=642351

▼タバコ産業が、1970年代から1990年代にかけて、女性の喫煙者を増やすための研究を行っていたことをしてきたことがAddictionという雑誌の論文で指摘される。女性向けのブランドづくりや宣伝、製品開発も。今後20年で女性の喫煙者は2倍になるといわれている。

●Media pluckers strike again
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1492076,00.html

▼IVF clinics that take on difficult cases are being unfairly compared to those with a selective door policy, says Vivienne Parry
▼体外受精(IVF)の病院ごとの成功率をしめした報告書が発表される。記事では、全部の数字がでていないと思われるので、一概には比べられないことを指摘している。

●Taking the pill could reduce women's libido, US scientists claim
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1492599,00.html

▼アメリカの科学者が、避妊用ピルが、女性のリビドーを減退させていると主張。そういった副作用は認められているが、服用をやめるほどのことがあるわけではないという医者の声も。

●New fears over cholesterol drug
http://education.guardian.co.uk/businessofresearch/story/0,9860,1490995,00.html

▼アストラゼナカ社のCrestorというコレステロールを下げる薬が、他の薬よりも二倍近い副作用を起こすという研究結果。

●Superbug death sparks warning
http://www.guardian.co.uk/medicine/story/0,11381,1491373,00.html

ビジネス
●Nanoscale light tricks promise huge DVD storage (New Scientist)
http://www.newscientist.com/article.ns?id=dn7432

▼Iomega社が、現在のDVDの40倍から100倍のデータを収められる技術についてのパテント。ロンドンのインペルアル・カレッジでも同じような技術開発が進んでいる。DVDの新規格については東芝とソニーの間で話し合いがすすんでいるということですが。

温暖化
●G8 will not set targets to cut global warming
http://news.independent.co.uk/world/environment/story.jsp?story=642008

▼G8の会議では原子力については議論される予定だが、温暖化をとめるためのターゲットを定めたりする予定はない模様。

●Owners of gas-guzzling cars to be hit by five-fold tax increase
http://news.independent.co.uk/uk/transport/story.jsp?story=642355

▼ガソリンを多く消費するBMWやレンジ・ローバーなどの車の所有者の道路税が五倍になる可能性。

その他
●Robot to explore buried ice lake
http://education.guardian.co.uk/higher/sciences/story/0,12243,1490331,00.html

▼南極下の湖を英科学者によるロボットが探査。より大きいVostok湖ではなく、Ellsworth湖でおこなわれる。

●The shocking truth about sex in Britain's primary schools
http://education.independent.co.uk/news/story.jsp?story=642340

▼インデペンデント紙の調査で、英国の10歳以下の子どもたちの間でも、「ふしだらな(promiscuous)」行為や言動が広がっていることが明らかになる。政府も学校のクラスに「尊敬の文化(culture of respect)」を取り戻そうと躍起になっているようですが。。。

●Brain-boosting pinta launched
http://www.guardian.co.uk/food/Story/0,2763,1492400,00.html

▼集中力や学習能力など脳の働きに良いとされる、オメガ3(魚や亜麻に多く含まれる)入りの牛乳を国内大手が発売。

鶴見俊輔「期待と回想」上巻

対談本だから、読みやすいのがいい。
どこから読んでも、味のある本である。ということもあって、いつも虫食い読みだから、読むごとに発見がある。


15歳でアメリカに渡らされ、かの有名なクワイン、カルナップなど(といいつつ読んだことはない)から直接学んだにもかかわらず、そこに落ち着かなかったというか、それらと競争しようとしていたところがすごい。「タヌキを信仰している」といっているところもすごい。


哲学から漫画、日本史から世界史、自分の家族の話から交友のあった知人たちの話しまで、縦横無尽に話しがでてくる。ヨーグルトも市民運動だとか、植木等は親ゆずりの真面目な性格なのだとか、「へえ」という話しもたくさんでてくる。


鶴見さんの思想に関しては、プラグマティズム、アナキズム、漫画、反射などのキーワードがあるようなのだが、繰り返し言っていることをまとめれば、最後のところまで「ノー」を手放さないってことなのだと思った。プラグマティズムにも、日本という国にも、マルクス主義にも、キリスト教にも、ぎりぎりまで寄り添っているようでいて、最後のところで信じきるということをしない。正義と真理が一緒になっていたら何かがおかしいと思うという感覚。この、ぎりぎりまで寄り添うっていうのがなかなかできないのだなと思う。


そして、なによりも、哲学と彼自分の感覚が離れていないというところに感動する。~学だとか、~論だとかに溺れてしまっている自分が恥ずかしくなってくる。


こうなってくると、鶴見さんに小熊英二さんと上野千鶴子さんがインタビューして書かれたというあの本は、まるでとっておきのデザートのようだ。もちろん「期待と回想」の下巻も読みたいなぁ。

テート・モダーン再訪

先週末はテート・モダーンにいった。
フリーダ・カーロの特別展は六月からだったので、見れなかったのだが、
常設展をじっくりと見てまわった。


はじめて、テート・モダーンにいったのは2001年の春だったと思う。
元発電所の建物が高い評価を受けていたのもあったが、印象に残ったのは作品がテーマ別に並べられ、テーマにも各作品にも丁寧な説明がついていたことだ。
私は英語の勉強だと思って読み始めたのだが、かなり面白く、なんだかよくわからない「アート」が身近になった気がした。
アート愛好家にとっては、ミュージアムによるテーマや作品の解釈が作品が持つ本来の豊かさを限定させていしまっているという批判もあるようだが、私はテート・モダーンの思い切りを評価している。


しかし、一番衝撃的だったのは、Century Cityという特別展の一環で日本の写真家が立ち上げた「プロボーク」という雑誌の創刊の言葉がすべて展示され、一室を埋めていたことである(ちなみに横の一室には、ヨーコ・オノの「女性上位万歳」という歌がかかりっぱなしであった)。ちょっとくさいがその時にメモった一説を紹介する。


PROVOKE  知の荒廃 多木浩二

「人間は自分がどのような自己完成へ向おうとこの世界にいる限りダメであることを知り、自己とは自己にさしむけた意識のまえに空虚で自分のつくりだした世界によって致命的な損傷をうけていることを知るのである。・・・・」


から延々と日本語のつらなりが展示されているのである。気づかなかっただけかもしれないが、見たところ、英訳もないので、僕が読むために展示してくれているのかと思った程だ。今みると、少し分析的にみてしまっている自分がいるが、やっぱかっちょいい!


いま、ググってみたところ、慶應の岡原先生のHPに説明があった。
http://oka.web.infoseek.co.jp/cgi-bin/pukiwiki.php?Provoke

英科学:クローン、動物権利、オープンアクセス

先週の目についた科学ニュース。

日曜日の夜に下宿先に帰ってきたため、サイコム・ニュースに間に合わなかった。。。


クローンのニュースは、一面になったり、ガーディアン紙ではComment&Analysisで議論されていたり、とメディアではかなり大きく扱われている。


ニューキャッスルには、何度かブログでも触れたことのあるPEALSという生命科学の倫理面や政策面を重視した研究センターがあるのだが(NanoJury UKにも関わることになっている)、そこで働く人たち(社会学や哲学をバックグランドとする人たちもいる)の気持ちはどうなものなのかなぁと思う。推進派でもなく、反対派でもなく・・・想像するだけで難しい役回りだと思う。


科学コミュニケーション
●Now we're going public: Are you worried about the rise of nanotech? Mark
Welland explains how NanoJury UK will give ordinary people their say
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1486817,00.html

▼ナノテクノロジーに関する科学コミュニケーションを進めるNanoJury UKが発足。市民レベルの議論だけでなく、研究者内でのセミナーも多く行っていくということです。

クローン
●UK breakthrough as human embryo cloned
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1488397,00.html

▼ニューキャッスル大学の科学者が、ヒト胚のクローンに成功した。

オープンアクセス
●Britain a leader in making research available on web
http://education.guardian.co.uk/businessofresearch/story/0,9860,1485744,00.html

▼英国の学術研究情報が得られるネット上のアーカイブ数は、米国に次ぎ2位。人口比にすると、スウェーデン1位、オランダ1位。

高等教育
●Kelly questions 50% pledge
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2021912

▼ケリー教育省が若者の50%に高等教育を受けさせるという労働党の公約の可能性に疑念を示す。

●Medical schools damaged by government funding policy, say doctors
http://www.researchfortnight.co.uk/getPage.cfm?pagename=ResearchDay&lang=EN&type=UK&Publication=Research%20Day%20UK&Issue=2316

▼政府の予算配分が、メディカル・スクールの教育とトレーニングに悪影響をあたえていると医師達が警告。

動物の権利
●Oxford animal lab to be built off-site
http://education.guardian.co.uk/businessofresearch/story/0,9860,1487661,00.html

▼オックスフォード大学の新しい動物研究施設は、オックスフォード郊外の秘密の場所か?大学はコメントを拒否。

●V-cs go on high alert on animal terrorism
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2021908

▼他の大学も動物権利過激派の攻撃からの対策が必要になってきているようです。

環境
●Oxford gets funding boost for climate change research
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1486873,00.html

ナノテクと市民:NanoJury UKが発足!

英ガーディアン紙の今日の一面は、ヒト胚クローンがでかでかとでていましたが、そっちはいろいろ報道されると思うので、木曜日の記事から「目のツケドコロ」をピックアップ。ガーディアン紙は木曜日はLifeという科学技術専門の別冊(別紙)がついてくるのだが、そのなかでNanoJury UKなるものが発足するという記事があった。記事は、ナノテクノロジーの教授であるマーク・ウェランドが書いている。


●Now we're going public: Are you worried about the rise of nanotech? Mark Welland explains how NanoJury UK will give ordinary people their say
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1486817,00.html


ナノ・ジュリィとは何か。ジュリィは、陪審制度であるから、市民がナノテクノロジーに関する社会への影響や日常生活における不安などを、訴えたり、議論できる場所であると思われる。科学技術に関する、こうした試みはコンセンサス会議や市民陪審(Citizen Jury)など、日本を含め各国で実践されてきている。

イギリスでは、遺伝子組み換え技術に関して議論が錯綜したことを踏まえ、政府も科学界も、新しい先端科学技術に関しては、「科学と社会」の問題に目をむけたり「国民との対話」が必要であるというようになってきている(実際に、『GM Nation』という国民との対話プロジェクトを実施したりしている)。イギリスのシンクタンクである「Demos」も去年だしたレポートのなかで、遺伝子組み換え技術の例から学び、ナノテクノロジーに関しては、より開かれたボトムアップの国民レベルでの議論をしていかなくてはならないといっている。まさに、そうした流れでこのNano Juryがでてきたと思われる。


Nano Jury UKの体制のなかで、特に注目したいのが、多くの組織が関係していることである。まず、この記事を書いているウェランド氏のいるケンブリッジ大学のInterdisciplinary Research Collaboration (IRC) in Nanotechnology。そして、環境保護活動で名高いグリーンピース(最近も、レンジ・ローバーの新車を「Climate Criminal」として工場にのりこんだりして、新聞をにぎわせている)。また、この記事がでているガーディアン紙(のとくにLifeという毎週木曜にでる科学技術専門の特集号)も協力している。最後に、ニューキャッスル大学のPEALS(生命科学の政策と倫理と研究を総合的に研究するところで、多くの科学コミュニケーション活動を行っている)も絡んでいる。これだけ骨のある組織が集まって、本当にいっしょにやっていけるのかと不安にもなるが、気合がはいっていることがよくわかる。まさに、「横断する知」が実践されようとしている感じがする。ちなみに、記事では、社会科学者のRobert Doubledayがフルタイムで参加することになっていることも強調されている。


そして、この記事では、NanoJuryの主眼である市民レベルでのディベートもさることながら、IRCの研究者達や組織内での議論やセミナーを積極的に行っていくことにも触れている。曰く、


Having such seminars does not simply educate about specific issues, it educates about how issues are raised and publicised, the importance of public engagement and the importance of establishing scientific transparency.


また、市民とのコミュニケーションにしても、科学フェスティバルで話した経験をひきながら、イベントに参加する市民は関心があって、ただ近くに住んでいるからだったりするのではないかといっている。つまり、グリーンピースや全国紙との連携によって、より広いコミュニケーションを図ろうとしているのだ。

最後に、このNano Juryによってナノテクノロジーが、究極的に望まれないものだとされても、それは私達が、責任ある未来のために科学、技術と市民(公衆)がどのように協力しあっていけるのかということを学べるので、十分に意味のあることだ(下手な訳なので、下に原文も貼り付けておきます)、と述べている。政治家的な発言だが、当のナノテクの研究者がここまで言うだけでもかなり勇気のいることだと思う。


Even if the jury eventually rules that nanotechnology is, ultimately, undesirable, the lessons we will have learned about how science, technology and public understanding can work together for a responsible future will be very valuable.


さて、どうなっていくのでしょうか。