「一人の技術者として」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

 

本日はJIRAA(ジラ)レベル2の検定日。

 

最後のトレーニングから1週間ほど間が空いてしまったが、6日間行ってきたトレーニングの成果を見せる時。

 

4月に取得したIRATA(アイラタ)とは異なり、JIRAAはあくまでも「IRATAと同じ技術を学べる国内検定」という趣。

それゆえこの6日間私を指導して下さったインストラクターの方がそのまま検定をする格好。

 

さて結論から先に申し上げると今回のJIRAAレベル2、残念ながら取得には至らなかった。

手順も少々危うい中でスタートをし、それでも最初の3つくらいまでは覚束ない部分がありながらも何とか完了。

 

しかし4つ目の課題である「リアンカーレスキュー」というのにトライした際、手順の間違えもあり、もはやどうにも完了不可となり、私の方から止む無くギブアップを申し出た。

 

トレーニング時には何とか30分ほどで完了出来てたのだが、しかし本日はいくつかのミスが重なったことで1時間近く宙吊り状態のまま右往左往。

そのまま継続してもレスキューどころか、最悪自分がレスキュー対象者になりかねない状態となり、止む無く「すいません。もう無理だと思います」と言い、そこで検定は終了となった。

 

国内検定のJIRAAの場合、その検定自体もIRATAほど厳格なものではなく、インストラクターの方からは「体力的に問題無ければこのまま再挑戦をすることは可能です。ただその場合、また最初の試技からになります」と伝えられた。

 

とは言えその時点で時間は既に昼過ぎ、インストラクターの方曰く「再挑戦の場合、村田さんのペースですと恐らく今から始めて夜の7時過ぎくらいになります」とのこと。

体力的な疲労に加え、正直最初からやり直すだけの気力が持てなかった。

 

IRATAにしろJIRAAにしろ、例えば学科で行う資格試験などの様に「ある科目が出来なくても他の科目で点数を補う」ということが出来ない。

 

基本的にトレーニングで学んだ全ての技術の試技を行い、出来の良し悪しはあるにせよ全て完了することが絶対条件となる。

極端なことを言えば最後の課題まで例え完璧にこなせても、しかしその最終課題で手順を誤り、完了不可となれば失格である。

 

レベル2の課題はほぼほぼ「1対1」のレスキュー技術がメイン。

特にそのリアンカーレスキューはレベル2の中でも高難度で、もしもそこを何事もなく完了出来ていればあるいはもっと先まで進めたかも知れない。

 

とは言え、本日の私はそもそスタート時の比較的難易度の低いレスキューの時点から勘違いによるミスを犯しており、ただそれ自体は原点対象ではなかったものの、しかし結果的にそのミスのために課題完了に至るまでの難易度を自ら上げてしまっていた。

 

なので結局はどこかのタイミングで「完了不可」に成り果てていたことだろう。

検定合格に至らなかったことで最終的に「レベル2の各課題のトレーニングを受けただけ」ということになる。

 

だが一方、レベル2で学ぶ技術はそのどれもが「自分自身もロープに宙吊り状態の中で行うレスキュー」というものであり、単純に自分一人がロープ上を移動するだけの技術を試技するレベル1とはその内容も大きく異なる。

 

ロープ上で実に複雑な動きをする必要があり、今回6日間に渡って受講したトレーニングで私自身、今後ロープ作業を行う上で非常に大きな自信が付いたことは確かである。

実際、今レベル1の各課題を行うのであればどれも苦も無く完了する自信がある。

 

結果は非常に残念なものではあったが、しかしロープ技術の奥深さの一端を知ることができ、その意味でも本当に意義深いものがあった。

検定云々は別に「費用を支払って高度なロープ技術を学んだ」と思えば何ら損などしていない。

学び得たその技術は確かに自分のものである。

 

思えば去年の今頃は「よし。近々ロープ高所作業の特別教育でも受けようか」という段階であった。

つまり高所ロープ技術のまさに「ロ」の字も知らない状態。

でも今は相応に高度なロープ技術も身に付けるに至り、またロープ技術に使う各種機材類への見識も随分と深めることが出来た。

 

4月のIRATAの時も、そして今回も、中々思い通りに身体を動かせない自分を悔やんだが、とは言え、40代も後半から「全く別分野の技術を身に付ける」というのがそんな容易いものじゃないことなど当然理解していたこと。

 

ここは一旦立ち止まり、今後は何よりも先ず実際の実務経験を積んでいくことを優先したい

トレーニングはあくまでもトレーニング。

 

通常のロープ上の移動にしろ、あるいは降下の為のセッティングにしろ、いずれもそれらが「やりやすい様に造られた施設内」での経験。

しかし実際の現場はもっと複雑で、降下以前のセッティングの段階で頭を悩ますことだって多い。

 

先ずはそうした「実際の現場の難しさ」をもっと経験し、実務の研鑽を深めた上でその内またレベル2に挑戦出来ればと考えている。

幸いそちらのトレーニング施設は定期的なトレーニング会なども開催しており、今後タイミング合えば積極的に参加し、更なる技術の向上に努めたい。

 

今回確かに合格には至らなかったが、しかし拙いながらも一応は「ロープ作業技術者」の証であるIRATAレベル1を持つ者として自身の大きな成長を感じ取れた。

 

レベル2までの道のりは険しく難しい。

しかしだからこそやり甲斐、挑戦のし甲斐があると言うもの。

それだけ難しい技術者たちの入口に今自分も立っているのだ。

 

一人のロープ作業技術者として、いつか自分も100mの高さから降下してみたい。

 

 

 

7月、まだ空きがあります!!