


昨日のブログに書いたように本日我々平成め組の一同、「ゴンドラ操作者特別教育」を受講してきた次第。
朝8:30から始まり18:00までという結構な長丁場の講習。
一応最後にテスト(と言っても〇✕式の25問で5分もあれば全て解答可能)があり、全員合格と相成った。
私とタケの2人は4月にヨーロッパ基準のロープ講習「IRATA」(アイラタ)が控えているが、これにて一先ず国内の高所作業系の資格類(高所作業車技能講習、ロープ高所作業特別教育、ゴンドラ取扱特別教育)は網羅した格好。
とは言え、これらはいずれも資格の有無と「実際に現場で出来るのか?」は全く別の話であるが、しかしロープ作業については既に実施済で、外壁が平坦なビルであれば10階程度までは問題無く降下出来る。
「既に実際の高所作業に従事している」という意味で、今回のゴンドラ取扱特別教育も単なるコレクションではなく、今後の作業に向けての補完となるだろう。
法規上、この教育を受講しないことにはそもそもゴンドラには乗れないので、先ずは「スタートラインに立つ資格」は手に入れた。
そんなワケで本日のゴンドラ特別教育。
結論から言うと正直、予想していた以上に「期待外れ」な内容。
先ず私としては高層ビルなどに常設されたメンテナンス用ゴンドラについて学びたかったのだが、講習の大部分は工事現場などで使用される仮設の工事用ゴンドラがメイン。
常設型については「こんなゴンドラもありますよ」という紹介程度で終了。
またその仮設型ゴンドラにしてもほぼ9割が学科。
少々理解しがたいのは朝の講習開始前の説明では14:00までは学科、残りの時間は全て実技という内容であった。
だが実際は15:00過ぎまで学科をやり、実技については受講生(20人程)を2グループに分け、各々30分と要しない駆け足の講習に留まった。
ハッキリ言って実際の操作については何一つ学べないまま終了したと言って良い。



あんな駆け足の内容なら私は無理に1日で済まそうとせず、講習自体を2日間とし、初日は学科、2日目が実技という内容にすべきだと思う。
それどころか「ゴンドラ取扱業務特別教育規定」では「ゴンドラの操作及び点検」を3時間、「ゴンドラの操作のための合図」について1時間と、合計4時間の実技講習を行うよう定めているのだから、この会社の講習はもはやあからさまな「規定違反を犯している」と言える。
どこの会社の特別教育も軒並み1日の設定のようだが、しかし法令ではあくまでも「教育すべき時限数」について定めているだけで「全ての過程を1日で修了せよ」などとは書かれていない。
2日にすることで例えその分受講費が上がっても、むしろそうした内容のものを受講したいと考える者も少なくないと思う。(実際私がそうである)
受講したのは国内有数のゴンドラメーカー主催のものであるが、折角そうした製品を扱っている会社なのにほぼ実物に触れることが出来ないとは、あまりにも勿体なく、また馬鹿げてもいる。
「弊社の講習は2日間で実技もみっちり体験出来ます!」とすれば、こうした講習を主催する上では大きな宣伝にもなると思うし、結果的に「会社の評判も高まるのでは?」と思えてならない。
ロープの特別教育でもそうだが、一番肝心な「吊元へのセッティング」などは一切実技でやらず、なので身近に実際の業務の経験者が居なければいくら講習を受けたところで、しかしどうにもならない。
国もわざわざ法令で教育の基準を定めるなら「学科、実技、それぞれ日を分けた上で既定の時限数を実施しなければならない」くらいのことを定めるべきだ。
いくら制度ばかり定めても、しかし現状では何の安全担保にもならず、むしろ事故が増えることに繋がるのではないだろうか。
技能講習は長いもので5日間程かけて行うが、この特別教育は「安全面での寄与」という点では何の意味も成していない。
甘すぎる制度ではあるが、しかし実施する側も「ウチの講習を受講すれば必ず現場で応用出来ます!」と胸を張って言えるくらいの内容を目指すべきだ。
本日の主催会社もそうだが、あまりにも無責任な講習を行っていると言う他ない。
今回は本当に「ゴンドラ作業を行う上での法的基準を満たしただけ」である。
実際のゴンドラについての技術面での理解は何一つとして得られなかった。
講習を行う以上、もう少し「実務」に沿ったものを実施しろ、と私は言いたい。
というワケで本日はいささか悲観的な内容になってしまったが、でもこれが私自身の素直な感想。
一体特別教育とは何のために存在しているのだろう…。
全くもって馬鹿げている。

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