「その気持ちさえあれば」 | 消防設備士かく語りき

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川崎の消防設備士、平成め組代表のブログ

 

明日、我々平成め組の面々は皆で「ゴンドラ特別教育」を受講する。

 

メンバーは私、ダイゴロー、タケに加え、外注のメメ女史、そして去年11月半ばから産休&育休に入っているチーコを含めた5名。

チーコに至っては実に3ヶ月半ぶりに顔を合わせることになる。

 

天気予報だと明日は午前中が生憎の空模様の様だが、午後は一先ず「雨は降らない」とのこと。

果たしてどんな内容の講習になるのか正直想像も出来ないが、何かしら得るものがあることを期待したい。

 

さて今回受講するその「ゴンドラ特別教育」。

高層ビルなどに設置されるメンテナンス用のゴンドラなどを扱う資格である。

 

最近建築設備検査や特定建築物調査などの業務が増える中、今後高層ビルの「外壁劣化調査」をあのゴンドラでも行えるようになるべく、今回の受講である。

「資格」とは書いたが、しかし「特別教育」はあらゆる資格の中にあって最下層と言って良い。

 

あくまでも「その作業に携わる者には事前に規定の教育を施しなさい」という程度の話でしかない。

それゆえ例えば私が「指導員」という体(てい)で皆に「ちゃんと教育を施しました」と言い、それらしい修了証でも配ればそれで成立してしまう。

 

「技能講習」は既定の講習に加え、一応「試験」もあり、資格としては国家資格の扱いになるが、しかし特別教育はあくまでも「教育」。

一般的に「資格」とまで認知されないと解釈すべきものである。

 

とは言え少々腑に落ちない部分はある。

そもそも毎年1~2件くらいはメンテナンス用のゴンドラが作業員を乗せたまま宙吊りになり、消防隊のレスキューに救助されるといったニュースを見る。

 

あの光景を見る限り、ゴンドラの扱いはそれなりに危険で難しい様にも思えるのだが、それがたった1日だけの特別教育のみで完結してしまうとは…。

これが3日間程度の「技能講習」であればまだ納得もいくのだが、明日の講習終了後、果たして我々は高層ビルのゴンドラさえも扱えるようになれるのであろうか?

 

実際のところ、多分無理であろう。

必要最低限の知識を得て終わるのだろうと考えている。

去年8月に受講した「ロープ高所作業特別教育」がまさにそうであった。

 

ロープ作業では「吊元となる箇所の見極め」、「屋上でのロープのセッティング」、「外壁側に身を乗りだす形での降下」、大袈裟でなくその全てが命懸けの作業である。

しかし特別教育で行う「実技」は、予め天井から吊るされたロープに6尺脚立の上から2段目辺りに乗った状態で下降機などを接続し、そこからただ降りるだけ。

 

一番肝心な「吊元へのセッティング」すらも学ぶことなく終了。

ハッキリ言ってあの程度の講習を受けただけではもはや実際にビルの外壁を降下するなど不可能と言って良い。

 

私はその後、周りに誰一人としてロープ作業の経験者がいない中、本当に現場で降下を実践したが、初日は本気で「今日死ぬかもしれない」という覚悟で降下に臨んだ。

もしも自分が一従業員の立場であったのなら絶対に拒否していたことだろう。

 

だから今回のゴンドラ特別教育も結局は「ぶっつけ本番」の様な形で現場のゴンドラを動かすことになる気がしている。

それでもロープ降下をぶっつけ本番でやるのに比べたらまだマシかなと。

 

特別教育如き、所詮はその作業を今後行う上での通過儀礼、とでも言うべきなのだろう。

明日の講習を期に、ロープだけなくゴンドラについても勉強し、より一層「高所作業のプロ」に近づいていければと考えている。

 

ロープにしてもたった1日の特別教育を期に、現在は普通に降下出来るまでになったのだ。

来年の今頃は必ず高層ビルのゴンドラも普通に扱っているに違いない。

 

「やってみよう」という確かな気持ちがあれば、それは必ず「出来る」に繋がる。

 

 

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