Don't Blow Away -8ページ目

市民ケーン (1941)




Citizen Kane

 

出演: オーソン・ウェルズ、ジョセフ・コットン、ドロシー・カミンガー

監督: オーソン・ウェルズ

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あらすじ: 新聞王チャールズ・フォスター・ケーンは、彼の建てた城の中で ”Rose Bud” (薔薇の蕾) という言葉を残してこの世を去る。この言葉の謎を解くことを依頼された記者は、ケーンに関わった人たちへのインタビューを続けるうちに、人々に恐れられていたケーンとは違った、彼の孤独な生涯が見えてくる。



かなり前に観たことがあってほとんど忘れていたんですが、タイムリーな時期に観なおしました。

この映画の主役、ケーンのモデルとなった実在した新聞王、ウィリアム・ランドルフ・ハーストが建てたお城に、先月小旅行をした帰りに寄って見学してきたんです。

お城を見学するときに解説等もしてくれるんですが、そのときに得たハーストのイメージと、ケーンのイメージが真逆だったので驚きました。真実はハーストのみが知る・・でしょう。

 

世間に対し最も影響力のある男でありながら、最も孤独な男。これが私の中でのケーン像です。このテーマは、権力や財力を持つものの宿命なんでしょうね。

ストーリーは一貫して、ケーンの生涯。

しっかり観ていないと混乱しかねないですが(私は途中でちょっと混乱しそうでした・・)フラッシュバック方式で5人の証言者が彼について語ることによって、様々な視点からケーンを見ることができるので、淡々と語られるよりもよりドラマチックにケーン像が浮かび上がります。

カメラワークにも凝っていて、個々のショットに強いインパクトがあるのも印象的。

私は上からのクレーンショットが好きでした。ぽつんと立つケーンの孤独感が際立っていたのと、ケーンの生涯を遠目で眺めているような、彼と私の間にちょっとした距離感を感じたからです。

当時25歳にして制作・監督・脚本・主演を務めたオーソン・ウェルズですが、なんとなく、浦沢直樹の書くマンガに出てきそうな顔だなぁ~と思いました。




『映画好きに20の質問』

こんな人がDon’t Blow Away を書いています。

 

 

『映画好きに20の質問』 に答えてみました。



1 ハンドルネームと簡単な自己紹介。

terriです。

2001年に渡米してカリフォルニアの大学に通う。専攻は映画じゃないけど、趣味が興じていくつか映画のクラスも取る。そしてこの時期に視野が開けた。観る映画、好きな映画の幅が広がりました。

2007年夏に帰国予定。

2 映画を好きになったきっかけは?

ほんとうに時々ですが、相性のいい映画を映画館で観ると、映画に深くシンクロして例えようのない感動を覚えるときがあります。ある意味、ナチュラル・ハイのような・・。 この感覚を味わったのがきっかけ。

3 好きな映画苦手な映画のジャンルは?

好きなジャンルはほとんど。

苦手なのは、ホラー、戦争もの、血が多い作品。

4 好きな作品は?

バグダット・カフェ 、お熱いのがお好き その他たくさん。

5 好きな監督は?

ビリー・ワイルダー

 

6 好きな俳優・女優は?

ローレン・バコール、マリリン・モンロー

ユアン・マグレガー、ティム・ロス


7
 好きな映画のキャラクターは?

ポルコ(紅の豚


8
 お気に入りのサントラは?

最近聴いたのは、雨に唄えばのサントラ。

ミュージカル映画のサントラが多いです。


9
 月に何本位映画を見ますか?(映画館/レンタル問わず)

月に2本だったり10本だったり、かなりまちまち。


10
 映画を見る時はどんな所に注目して見ますか?(監督/ストーリー/前評判 キャスト etc…)

カメラショットがユニークだったり、映像の色が綺麗だったりするとハッとするときがある。 

あとは、映画全体が持つ雰囲気。


11
 映画化してほしい作品は?(小説/漫画/ドラマ etc…)

『ライ麦畑でつかまえて』

というよりこの本が好きなだけ。


12
 シリーズ物でDVD BOXが出たらいいなと思う作品は?

特にない


13
 感動した作品は?

何気に感動やさんなのでいろんな作品で感動してます。


14
 これは泣けるという作品は?

超ベタにアイ・アム・サムとか。


15
 もう見たくないという作品は?

リング。 怖い。


16
 忘れられないシーンは?

ニューシネマパラダイスで、アルフレードがアパートの壁にスクリーンをスライドしていくシーン。


17
 お気に入りの名セリフは?

お熱いのがお好き から、『Nobody is Perfect


18
 映画関連で集めているものはありますか?

ついつい買ってしまって増え続けるDVD・・


19
 今後、注目している作品や見てみたい作品は?

ハリウッドクラシック映画。

邦画とウエスタン映画もこれから観ていきたい。


20
 最後に。

レビュウしたいと思う作品はたくさんあるんですが、基本的に観たすぐ後に感想を書くよう心がけているので、暇を見つけてぼちぼち観直し&レビュウしていこうと思います~。

 

楽しんで読んで頂けたら嬉しいです♪

 

 

ブログタイトルは、映画『ホリディ 』の中のセリフから取りました。

 



イン・ハー・シューズ (2005)


inhershoe

In Her Shoes

 

出演: Cameron DiazToni ColletteShirley MacLaine

監督: Curtis Hanson 

130

 

 

あらすじ: トラブルメーカーの妹マギーと、弁護士で生真面目人生まっしぐらの姉、ローズ。ローズの家に転がり込んでいたマギーはローズと大喧嘩をして家を出る。行く先をなくしたマギーは、長年行方知れずとなっていたフロリダの老人ホームに住む祖母のエラを訪ねてゆく。

 

 

内面にコンプレックスを持った妹と、外見にコンプレックスを持った姉と、彼女らの家族がぶつかり合い、向きあってゆくヒューマンドラマ。

シャーリー・マクレーンとキャメロンはとっても好きな女優さん。 

この映画の最初は、ローズとマギーのぼろぼろの状態が強いインパクトをもって描かれています。マギーもかなりの悪女っぷりですが、ローズがすごい。あのどんよりオーラ、ヒステリックさ、怖すぎます。

コンプレックスを抱えたローズが、“Food always makes me fat, shoe always fits 食べ物は私を太らせるけど、靴はいつも私にぴったり合う” みたいなことを言うんだけど、私の心にズシーンと残ってしまいました。すごくもったいないものの考え方をするなぁ・・と、彼女がとてもとても可哀相に思えてしまって。マギーの“Fat Pig!”のセリフも驚いたし。

この印象が強く残りすぎちゃって、エンディングになっても“可哀相なローズ”のイメージが抜けなくて、観終わった後の気分はすっきりというよりも、良かったけど・・なんだか後味がいまいち。 という感じになってしまいました。

シャーリーマクレーン演じるエラも含め、変わり者キャラが多いです。

老人コミュニティでのマギーの朗読シーンや、エラと彼女の友達のシーンはほのぼのしていて好きなんだけどな。

ちなみにこの映画、家族の愛情は絶大だね!ということで、All you need is LOVE にカテゴライズしました。



隠し砦の三悪人 (1958)


HF


出演: 三船敏郎、上原美佐、千秋実、藤原釜足、藤田進

監督: 黒澤明

139

 

あらすじ: 時は戦国時代。つい先日も戦があり、秋月家が山名家に敗れたばかりだった。百姓の太平と又七は川べりで木の枝の中に隠された黄金を見つける。その峠の奥には秋月家の雪姫と武将、真壁六郎太が身を潜める隠し砦があり、その金は秋月家の軍用金だったのだ。金を持つ太平と又七に詰め寄った六郎太は、2人に金を背負わせ、雪姫を連れて敵地を抜ける計画を思い立てる。

 

 

フィ~。 なんだかあらすじを書くのがいつもより難しかった。

黒澤映画、いくつか観たことがありますが、ほんとに面白い。

人間味の溢れたキャラクターと娯楽性の高さが黒澤映画の魅力だと思うんだけど、この映画は数々の黒澤映画の中でもその二つの魅力が抜きん出ていると思います。

主要人物が多いのに、どの役割も個性が強くて印象的。

欲深だけどどこか抜けている太平と又七、正義感溢れる凛とした雪姫、裏切り御免の田所兵衛、そして忠実なる忠誠心を持つ大将・真壁六郎太。彼らの個性が映画をさらに色濃く、そして面白くしています。

そして、この映画、スケールがでっかい。

捕虜たちが山名に対して暴動を始めたときのシーンの迫力に、度肝を抜かされました。

六郎太が馬に乗って敵を切り落としにかかるシーンでは鼓動が高鳴り、

田所兵衛との決闘シーンには目が釘付けになり、

火祭りのシーンでは、心が踊った。

とにかく観客を休ませないおもしろさ。この娯楽性の高さは、日本映画よりもむしろハリウッド映画に近いと思う。

すごいなぁ。単純なコメントですが、ホントにその一言に尽きます。

田所兵衛の、『裏切り御免!』のセリフがたまらなく好き。格好良すぎです。




十二人の怒れる男 (1957)


12


12 Angry Men

 

出演: Henry FondaJack KlugmanLee J. Cobb

監督: Sidney Lumet

96

 

あらすじ: ニューヨークのある法廷に、陪審員として12人の男が召集された。 17歳のスペイン系アメリカ人の少年が父親を殺害したかという裁判だ。最初の投票で11人が少年は有罪だと投票したが、1人の陪審員は無実だと投票した。 陪審員8番のディビッドだ。彼は議論を重ねながら、残り11人の陪審員たちを説得してゆく。

 

この映画は、すんごいです。

脚本と、カメラワークと、役者の演技に感銘を受けました。

陪審員の話なんて大して興味がないし途中で寝ちゃうんじゃないかな。

そんな気持ちで観はじめたはずだったのに、ずんずん引き込まれていってしまいました。

延々と議論が続くだけ。なのに、不思議と飽きない。むしろディビッドに共感して真剣に議論に参加している自分がいる。

一つの部屋を撮影しているだけなのに、一体何アングル撮ったのだろうと思ったカメラワーク。様々なショットで観客を飽きさせない。それでいて部屋の時間の経過、暑さを伝えつつ、緊張感や怒りのムードを高めているところは、うまいなぁ~と唸りました。

映画の騙し云々がまったくない、率直で潔い映画だと思います。

どちらかというと劇を観ているような迫力のある映画です。