Don't Blow Away -7ページ目

失われた週末 (1945)




The Lost Weekend

出演: レイ・ミランド、ジェーン・ワイマン

監督: ビリー・ワイルダー

101

あらすじ: アルコール漬けの生活を送る売れない作家のドンは、酒から離れられず兄とドンの彼女ヘレンが計画した週末の旅行をキャンセルして家に残ってしまう。ドンは酒を買うために兄のお金を使い込み、仕事に必要なタイプライターまで売ってしまい、さらには幻覚までも見はじめてしまう・・

コメディものも好きですが、ビリー・ワイルダーのシリアス路線の映画を観ると、彼はどんなジャンルでもこなしてしまうなぁ~と感心してしまいます。

酒を求めてどんどん哀れな行動を起こして自暴自棄に陥り、最後には幻覚まで見はじめてしまうドン。ドンの心理描写や彼のみる幻覚症状は、もはやホラー映画のような演出がなされていて、恐ろしい緊迫感と恐怖感をもって描かれています。レイ・ミランドの迫真の演技がさらに拍車をかけていて、オペラ座での幻覚症状や施設でのシーンにはぞっとしました。

不気味ではあるけど、私がこの映画は人間誰にでも起こる自身との葛藤を描いたドラマだと思います。ドンの場合は、書きたいのに、書けない。そんな自分では愛する彼女の両親に顔向けできない。不安や焦りから彼の場合は酒へ逃げてしまった。こんな誰もが経験したことのある不安や恐れとの葛藤をワイルダーは描きたかったんじゃないかなぁと思いました。

行きつけのバーでドンがヘレンのことをフラッシュバック方式で語るのですが、ここで二人の出会いが語られたり、ドンのヘレンへの愛情が垣間見れたりしてよかった。

あと、何気にバーのマスターはいい味出しています。鏡越しのマスターのショットが印象的でした。

そういえばワイルダーのほかの作品でも鏡ってけっこう使われている気がします。彼は鏡を使う演出が好きだったのかも。



ミニミニ大作戦 (2003)





The Italian Job

 

出演: マーク・ウォールバーグ、シャーリーズ・セロン、エドワード・ノートン、セス・グリーン、ジェイソン・ステイサム

監督: F・ゲイリー・グレイ

110

 

あらすじ: イタリアのベニスで大量のゴールドを盗むことに成功した強盗の一味だったが、仲間うちの一人、スティーブが仲間を裏切りボスを殺してゴールドを奪ってゆく。チャーリー率いる残された強盗一味は殺されたボスの娘ステラも仲間にいれ、舞台をLAに移しスティーブからゴールドを取り戻す計画を企てる。

 

 

この映画は、アクションものの中でもかなり観やすいものだと思います。私は十分満足でした。

逆にリアルなアクション映画がお好みの方は物足りないと感じるかも。

オープニングのベニスの街、ミニクーパーのカーチェイスなどがスタイリッシュ。
メンパー各自にあだ名があるのも覚えやすいしユーモラスです。ライルもハンサムロブもいいんだけど、私はレフトイヤーがお気に入り。強盗の一味なのに小心者なところが笑えます。そしてチャーリーはリーダーな割には
一番存在が薄かったです。

シャーリーズ・セロンはこの作品を観てから好きになりました。ぷくっとした頬がチャーミングでかわいい~。
計算されたラストが面白くて、最後のアクションシーンは観ていて爽快です。

この映画を観て以来、運転中に同じ車種の車が走っているのを発見すると、「あっ イタリアンジョブだっ!」と叫ぶのが私の中でのブーム。。でも3台はなかなか見当たらないですけどね

邦題も『イタリアンジョブ』だと思い込んで検索していたので、『ミニミニ~』と知って、なんじゃこりゃー?!と思いました。リメイク前の作品がこのタイトルなのでしょうか・・ いい映画なのにもったいないなぁと思います。



ウィケッド ミュージカル


 

Wicked

 

初演: 2003年 ニューヨーク

見た場所:Pantage Theater in LA



2003年にブロードウェイで誕生した新しいミュージカル。
映画『オズの魔法使い』にでてきた、西の悪い魔女と南の良い魔女の2人のあいだに隠された秘密の過去のお話。

オズ好きとしては逃すわけにはいかんだろうということで、行ってきました。

感想としては、ちょっと期待しすぎてしまいましたが、なかなかよかったです。

『オズ~』が大好きで何度も観ている私にとって、ストーリーはどうしても継ぎ足したような感じを受けてしまったけど、よく頑張って繋げたなぁ という感じでなんとか収まっています。

魔女たちのイメージが『オズ~』とはかけ離れているので、これはもうまったくの別ものと切り離して見たほうが楽しめます。

曲はアメリカのミュージカルらしいポップな仕上がり。でも何度も聴きたいと思える曲が少ないのか、CD買ったけどあまり聴いていません。

舞台セットや衣装は凝っていて見ごたえがあります。

あと、笑いを誘う会話や動作がたくさん盛り込まれていたのがいかにもアメリカ発のミュージカルっぽいなーと思いました。

テーマカラーがグリーンとブラックなので、偶然にもその2色でコーディネートしていた友人がやけにしっくり馴染んでいました。見に行くときは是非グリーンとブラックの服で行きましょう。こういう些細なことで、見に行く楽しさが増えたりするんだよな~。




キャッツ ミュージカル




CATS


初演: 1981年 ロンドン

見た場所:Pantage Theater in LA

 

ミュージカルも大好きなので、それらの感想も書くことにしました。

これからしばらく、今までに見たミュージカルのレビュウが多くなりそうです。

 

第一弾を飾るのは、CATS

オープニングの猫の目が、ミステリアス。

ストーリーは薄いですが、いろいろな種類の猫がたくさんの歌とダンスを披露します。このミュージカルが、ダンスがいちばん多いと思います。

そんなところが私的には良かったのですが、逆に私の友人は、ストーリー性がもう少しあるほうがいいと言っていました。

私のお気に入りは、色男ならぬ色オス猫、ラム・タム・タガー。メス猫を虜にする腰振りダンスが笑えます。
この手のキャラをアメリカ人が嫌うはずもなく、もちろんスタンディングオベーションのときは拍手喝采で一番人気でした。

時期や公演場所によって出てくる猫達が変わってくるみたいだし、また見たいです。

CATSを面白いと思った方には、DVDもお勧め。クロースアップもあるので猫たちの表情までしっかりと見れて、また違ったCATSの魅力をを楽しめます。



三つ数えろ (1946)




The Big Sleep

 

出演: ハワード・ホークス

監督: ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール

116

 

実は私、この映画は途中で混乱してしまい最後はよく分からないまま終わってしまいました。。

あらすじを書く気にならないので、Amazon から拝借:

ある日私立探偵のマーロウ(ハンフリー・ボガート)は、富豪の老人から末娘が脅迫されているので助けてほしいとの依頼を受けた。調査をつづけていくうちに浮かび上がる姉ヴィヴィアン(ローレン・バコール)の素行の謎。そんな折り、脅迫者が殺され、しかもその死体が消えてしまった



ボガート&バコールものを制覇中です。

数年前に初めて『脱出 (1942)』を観た時にこの2人に惚れて以来、このペアが大好きなんです。

『脱出』の撮影時に映画の中だけでなく、25歳の年齢差を越えてお互いに惹かれあい、プライベートでも恋に落ちたこの二人。同じ監督が撮るこの映画で再び共演。とにかくこの2人の相性がいい。

2人の会話は常にテンポがいいし、2人がポリスに電話をするシーンが最高に面白いです。
シリアスな映画なのに、こういう遊び心を入れちゃうところがハワード・ホークスらしいなぁと思います。

ローレン・バコールは王道を行くような美人なタイプではないけど、煙草を吸う仕草や強めの目線がすごく格好良くて、雰囲気のある女優さんです。テナートーンな話し声と、彼女の歌声が私的にとってもツボ。

この映画、最初はおもしろかったんだけど、次々に新たな悪者が絡んできて誰が何をしたのかよく分からなくなってしまいました・・

悔しいので、忘れた頃に気合を入れなおしてもう一回観なおすつもり。