ブルースブラザーズ (1980)
The Blues Brothers
出演: ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド
監督: ジョン・ランディス
あらすじ: 刑務所から釈放されたジェイクを迎えに来た弟、エルウッド。二人は幼少時に育ててもらったカトリック教会の修道女(あだ名はペンギン)を訪ねる。そこで税金5000ドルが払えずに教会は存続の危機に陥っていることを知る二人。そんな問題俺達に任せとけ!と意気込んだ二人だが、盗んできた金ならいらないと逆に追い返されてしまう。教会でソウルミュージックを聴いているとき、ジェイクがひらめいた。“そうだ!バンドだ!”二人は昔のバンド仲間を集めてブルースブラザーズを再結させようとする。
アクション、コメディ、ミュージカルなどなど、娯楽性も高くて色々な要素を含んだ映画。
ハードボイルドにしようかとも思ったけど、何といっても彼らの音楽が好きなのでミュージカル映画にカテゴライズ。
私的に、『一生のうちに一回は観ておくべき映画・ベスト5』に入る映画です。
もうー何がスバラシイって、あり得ないような展開も、大げさすぎるカーアクションも、ブルースブラザーズの歌も踊りも、二人のバカみたいに真面目に“神からのミッション”を遂行しようとする姿も、全部が面白くて全部が素晴らしい。大好き。
警察だろうとネオナチだろうと、彼らの行く道を遮るものがあったら迂回するんじゃなくて正面から向かってゆく。その精神、かっこよすぎる。人によっては、これを観て世界観を揺さぶられたんじゃないかな。なんかこの映画にはそんな魅力があると思う。
ブルースブラザーズ以外に歌う人ではレイ・チャールズしか分からなかったけど、有名な歌手が出演しているみたいです。私は特にソウルフードカフェの女主人の歌が好き。
ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 (1995)
Before
出演:イーサン・ホーク、ジュリー・デルピー
監督:リチャード・リンクレイター
105分
あらすじ: ヨーロッパを旅行中のジェシーはウィーンへ向かう列車の中でセリーンと出会う。話が弾み意気投合した二人。ジェシーは翌日の朝にはアメリカへ戻るのだが、セリーンに一緒に列車を降りてウィーンの街を散策しようと誘う。
私のなかでの恋愛映画の最高傑作。
無邪気なジェシーと聡明なセリーン。二人ともおしゃべりで映画のほとんどは街をぶらつく二人の会話によって進行していきます。ウィーンでのできごとや会話をとおしてお互いを知り、そして惹かれてゆく。その経過がものすごーく自然なんです。
肩を抱こうか、手を触れようか。伸ばした手を戸惑って引っ込めたり、レコードの視聴をしているときは、お互い目をあわさないように、でも相手を見つめたり。そんな恋愛のはじまりのような動作のひとつひとつが微笑ましい。
絵画のように美しい街ウィーンを散策するなかで、二人は役者、作詞家、手相師などなど変わった人々に出会います。二人の会話は哲学的でディープなものが多いところも興味深い。
撮影方にも凝っていて、二人がバスに乗って話している間や歩きながら話しているショットはほとんど切り替えがなく長いものばかり。この独特な撮影方が、二人のあいだの微妙な空気をうまく捉えていると思います。
Bye, Good Bye, Au Revoir, Later… この台詞、大好き。
出会えてよかったなぁと思える映画です。
関連映画
極楽ピアノ騒動 (1932)
The Music Box
出演: スタン・ローレル、オリバー・ハーディ
監督: ハル・ローチ
30分
あらすじ: ローレル&ハーディ引越し業者のふたりは、ピアノの運送中。届け先を探していると、それは長い長~い階段を上った高台に建つ家だった。二人はピアノを担いで階段を上ろうとするのだが・・・
サイレント映画・トーキー映画で有名な俳優といえばバスター・キートンやチャールズ・チャップリンだと思うけど、彼らの映画が好きな方はローレル&ハーディも好きになるはず。彼らの作品は邦題では『極楽シリーズ』となっているみたい。
これは思い入れのある映画です。5年前に初めて取った映画のクラスの、一回目の授業で観た映画。
うろ覚えですが、授業では徹底した反復法を使ったスラップスティックコメディ(どたばたコメディ)のなかに隠されたメッセージについて語っていたような。
乳母、警官、教授など、映画に出てくる人物はみんなローレルとハーディに対していじわるですが、彼らは自分らの地位が下だからって下出になんて出ないでむしろ誰に対しても凛としている、というよりも偉そう。そんな彼らの態度はおもしろいだけじゃなくて、当時の観客には共感できるものだったそうです。ピアノから最後に流れる曲は国家で、教授も一緒に起立することで、国を愛する気持ちは誰しも同じと訴えているとも言っていました。
まぁ私にはそんな解析はできないけど、古き良きコメディという感じが好きです。笑いのレベルは‘バナナの皮を踏んで転んで大笑い‘というくらい単純なんだけど、ローレルとハーディの愛嬌のある動きでぷっと笑ってしまいます。短いからパッと観れるのもいい。
ただのピアノじゃなくて演奏ピアノを運ぶことで、ピアノの音が効果音としてもBGMとして使われていていい演出になっているところもニクイ。
1932年のアカデミー短編コメディ部門受賞作。
O (オー) シルク・ドゥ・ソレイユ
O by Cirque du Soleil
見た場所: Bellagio in Las Vegas
これはブロードウェイからは外れていますが、ラスベガスで見たシルク・ドゥ・ソレイユ。
シルク・ドゥ・ソレイユのパフォーマンスを見たのは、2000年に日本で見たサルティンバンコ以来。こっちのほうが断然良かった。
O オーとはフランス語で水のこと。舞台がとても凝っていました。ステージ全体がプールになっていて、舞台の床が動いて水の深さが変わっていくんです。彼ら特有の道化っぽい演出と、水というオブジェが融合されてミステリアスな雰囲気をかもし出していました。
シルク・ドゥ・ソレイユといえばアクロバット。私のなかで “人間の限界に挑む”みたいなイメージがあったんですが、それは変わらずすごかった。
ひとつだけ気になったのはアジア人女性4人のパフォーマンス。赤い衣装に黒髪おかっぱのメイク、演出、パフォーマンスともに明らかにオリエンタル。ショーの雰囲気に全然あってなくて、私には中国雑技団にしか見えませんでした。
この一部分を除いては、劇場の中で水に飛び込むパフォーマンスが見れること自体がすごいと思うし、とても完成度の高いショーでした。
ただ、シルクのショーチケットは高いっ!このときは幸運なことに最前列だったのですが、それでも高いと思いました。ラスベガスはシルクフィーバーなのか、去年くらいから『Love』というビートルズの音楽を使った彼らの新しいショーがはじまりました。見たいなぁと思っていたんですが、この値段じゃ当分ムリ・・・。
ゴーストワールド (2001)
Ghost World
出演: ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロ
監督: テリー・ツワイゴフ
111分
あらすじ: 高校を卒業したイーニドとレベッカ。イーニドは夏休み中に卒業に必要なアートのクラスを取らなければいけなくなってしまった。
変わり者、アンチ一般社会をモットーに生きる若者を描く青春もの、この手の映画に弱いです。青春映画の持つ勢いとかパワーが好き。
イーニドの世間を小ばかにしたような態度って、生意気だけど気持ちはすごく分かる。
世の中には下らないやつばっかり、自分はここには属さないんだと強がっていても、親友レベッカは二人でアパートを借りるためだんだんと現実を見据えて折り合いをつけてやっていき、中年男の友人シモアにもガールフレンドができてしまい、ますます自分を理解してくれる人はいない、自分の居場所はないと孤立してゆくイーニド。
後半、イーニドのシモアへの接し方はそれはヒドイ!と思ってしまうけど、戯言がいざ現実になってしまったら前に進めなくなってしまった彼女の気持ちの核心をついている気がします。とりあえず一番かわいそうな被害者はシモアです。
そんな不安定な若者の心情をリアルに描いているんだけど、ベースがコメディだし個性的なキャラクターのおかげで明るく仕上がっているところがいい。脇役や台詞も面白くて笑えます。
イーニドはいつもカラフルな服を着ていて、この映画全体のイメージがとてもカラフル。イーニドから見た世界はこういう鮮やかな色調でできているんだろうな。