下水道法・海洋汚染防止法・PCB特措法・水銀汚染防止法・浄化槽法・土壌汚染対策法など簡易紹介 | 船井総合研究所コラム:最新☆産業廃棄物処分・収集運搬/一般廃棄物(塵芥、し尿汲取り浄化槽)/特別管理、再生資源業の経営支援

船井総合研究所コラム:最新☆産業廃棄物処分・収集運搬/一般廃棄物(塵芥、し尿汲取り浄化槽)/特別管理、再生資源業の経営支援

株式会社船井総合研究所☆環境ビジネスコンサルタント東新一(ひがし)の視点を発信【このような方におすすめ】一般廃棄物処理業(し尿汲取り浄化槽、家庭ごみ処理委託業、事業系一般廃棄物業)・産業廃棄物処理業・再生資源業(古紙、古鉄、スクラップ、非鉄)・環境関連団体

悩んでいる排出事業者を応援:廃棄物処理と関連法規46種類のうち、21~30個目の法令紹介(簡易説明)【環境コンサルタントコラム】東新一:下水道法・海洋汚染防止法・PCB特措法・水銀汚染防止法・浄化槽法・公有水面埋立法・土壌汚染対策法・フロン発生抑制法・放射性物質汚染対処特措法・環境影響評価法

悩んでいる排出事業者を応援:廃棄物処理と関連法規46種類のうち、21~30個目の法令紹介(簡易説明) 前回や前々回の船井総研・環境/廃棄物コラム(排出元・行政・自治体向けコラム)では『廃棄物処理に係る関連する46の法令のうち、10法令の簡易説明など』『11~20法令目の簡易説明や廃棄物処理との関連性』をご紹介しました。今回も引き続き、21~30法令目の簡易説明や廃棄物処理との関連性をご紹介します。

<廃棄物処理と関連法規一覧、廃棄物処理には46種類の法令のうち21~30法令目:下水道法・海洋汚染防止法・PCB特措法・水銀汚染防止法・浄化槽法・公有水面埋立法・土壌汚染対策法・フロン発生抑制法・放射性物質汚染対処特措法・環境影響評価法>

 

21.下水道法は、1958年に制定された公衆衛生の向上と公共用水域の水質保全を守るための法律です。なお、旧下水道法は1900年に制定。旧下水道法が廃止され制定されたこの法律は、流域下水道総合計画の策定に関する事項と公共下水道・流域下水道・都市下水路の設置など管理の基準が示されています。下水とは市街地で発生する不要な水の総称で、家庭汚水、工業廃水、雨水に区分されます。また、下水道とは、排水管、排水渠その他の設備(灌漑排水設備を除く)、下水を処理する施設(し尿浄化槽を除く)、ポンプ施設などの補完施設をいいます。廃棄物&リサイクル業界では、し尿汲取り業や浄化槽清掃業、そして、下水道維持管理業が主に関係する法律になります。


22.海洋汚染防止法は、1970年に制定された海洋汚染や海上災害の防止について定めらている法律です。別呼称では海防法。この法律では、船舶からの油の排出を規制、 船舶からの有害液体物質等の排出を規制、船舶からの有害液体物質等の排出を規制、船舶からの廃棄物の排出を規制、海洋施設及び航空機からの油及び廃棄物の排出を規制、船舶からの排出ガスの放出を規制、船舶及び海洋施設における油/有害液体物質等及び廃棄物の焼却を規制しています。SDGs目標14.海の豊かさを守ろうでは、今後の予測に海洋ゴミの70%は分解されないプラスチック、その量は2015~25年の10年間で3倍に増加。2050年は、海洋プラスチックゴミの量が魚の量を上回る予測がされています。

 

23.PCB特措法は、2001年に制定されたポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の処理に関する法律。廃棄物の処理及び清掃に関する法律の特別法。PCB廃棄物の保管事業者に対し、2027年3月までに処理することが義務づけられています。PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称。人工的に作られた油状の化学物質。特徴は水に溶けにくい/沸点が高い/熱分解しにくい/不燃性/電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定性質があることから電気機器の絶縁油/熱交換器の熱媒体/ノンカーボン紙などで利用。現在は製造・輸入ともに禁止。高濃度PCB廃棄物の代表的なものには、高圧変圧器・コンデンサー等、安定器等があります。低濃度PCB廃棄物の代表的なものには、微量PCB汚染廃電気機器等や橋梁等の塗膜、感圧複写紙、汚泥などが該当します。

 

24.水銀汚染防止法は、2015年に制定された水銀による環境の汚染を防止するための法律。水銀に関する水俣条約の的確かつ円滑な実施を確保し、水銀による環境の汚染を防止するため、水銀の掘採、特定の水銀使用製品の製造、特定の製造工程における水銀等の使用及び水銀等を使用する方法による金の採取を禁止するとともに、水銀等の貯蔵及び水銀を含有する再生資源の管理等などが定められています。水銀に関する水俣条約とは、水銀および水銀を使用した製品の製造と輸出入を規制する国際条約。特定水銀使用製品として、①脈波検査用器具に用いられるひずみゲージ、②真空ポンプ、③車輪の重量の均衡を保つために車輪に装着して用いられるおもり、④写真フィルム及び印画紙、⑤宇宙飛行体(人工衛星を含む。)に用いられる推進薬があります。


25.浄化槽法は、1983年に制定された浄化槽によるし尿および雑排水の適正な処理を定めた法律。この法律では、浄化槽の設置・保守点検・清掃及び製造の各段階での規制が定められています。また、浄化槽工事業者の登録制度および浄化槽清掃業の許可制度の整備、浄化槽設備士及び浄化槽管理士の資格を定めること等により、浄化槽の各段階に関わるものの身分と責務を明確化しています。浄化槽清掃とは、浄化槽内に発生した汚泥・スカムの引き出し、引き出し後の汚泥の調整、浄化槽内の機器類の洗浄、およびそれに伴う作業のこと。基本的には保守点検の結果に基づいて実施されます。引き出した汚泥・スカムは廃棄物処理法で定義される一般廃棄物になります。

 

 

26.公有水面埋立法は、1921年に制定された河川/沿岸海域/湖沼などの公共用水域の埋立/干拓に関して示した法律。公有水面の埋立は比較的大規模な事業で与える影響も多いため、関連法令は多い。また、土地という第一級資産に係わる関係上、税務をはじめとする財務関連の法令にも関連します。高度成長期、埋立地の急拡大によって、沿岸海域の生態系維持能力や浄化作用の消失による公害・環境汚染、漁業被害が急増しました。1973年の改正によって、改正前の追認制度が廃止され、原状回復命令を出せるようになり、不法投棄の取締りが可能になりました。


27.土壌汚染対策法は、2002年に制定された土壌汚染による人の健康被害を防止した法律です。土対法(どたいほう)と略されます。土壌汚染の対策は『汚染の未然防止』と『既に発生した汚染の浄化等』に分かれます。汚染の未然防止は、水質汚濁防止法による有害物質の地下浸透の規制、廃棄物の処理および清掃に関する法律による廃棄物の埋立方法の規制などにより対策が進められてきました。一方、既に発生した汚染の対策は、環境省(当時:環境庁)により健康保護上で維持されることが望ましい環境基準を定め、逐次対象項目を追加すること、土壌汚染調査/除去等の措置の実施に関する指針を定め、指針を踏まえた地方公共団体の事業者等に対する行政指導で進められてきました。


28.フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に係る法律は、2001年に制定されたオゾン層保護のため、フロン類の製造規制や排出抑制、使用合理化に関する措置等を示した法律。制定当時の名称は「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」、2015年改正し現行題名になりました。フロン排出抑制法と略されます。この法律によって、特定製品の廃棄時における適正回収/破壊処理の実施等が義務づけられました。特定製品からフロン類(CFC、HCFC、HFC)をみだりに放出することは法令違反。ユーザー、フロン類回収業者、フロン類破壊業者など、フロンを回収・破壊するシステムでの役割が定義され、環境インフラが整備されています。


29.放射性物質汚染対処特措法は、2011年に制定された東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所事故による放射性物質で汚染された瓦礫(がれき)や土壌などを適正処理するための法律。放射性物質に汚染された廃棄物の処理は当初、環境省が中心に廃棄物処理法の「廃棄物」概念を拡張し対処していましたが、限界もあり、新たな法的枠組みとして、災害廃棄物安全評価検討会での結果を踏まえ、放射性物質に汚染された廃棄物の処理と土壌等の除染の二本柱からなる法律がつくられました。原発事故が原因の環境汚染に対処する初めての法律でもあります。


30.環境影響評価法は、1997年に制定された日本における環境影響評価の手続き等について定めた法律です。別呼称では環境アセスメント法。環境アセスメントの対象事業は13事業(1道路2河川3鉄道4飛行場5発電所6廃棄物最終処分場7埋立干拓8土地区画整理事業9新住宅市街地開発事業10工業団地造成事業11新都市基盤整備事業12流通業務団地造成事業13宅地造成事業)。そのうち規模が大きいものを第一種事業、これに準ずる大きさの手続きを行うか否かを個別に判断する第二種事業を定めています。また、地方公共団体において独自の環境アセスメント制度が存在し、法の対象外事業(廃棄物処理施設等)について環境アセスメントの義務付けもされています。

以上、如何でしたか?SDGsとの関係や原発対処による初めてできた法律、初制定されて100年など、今回も多岐にわかっています。次回以降では以下の法令をご紹介します。

31.都市計画法

32.建築基準法
33.工場立地法
34.PFⅠ法
35.産業廃棄物処理特定施設整備促進法
36.環境再生保全機構法
37.中間貯蔵・環境安全事業(株)法
38.広域臨海環境整備センター法
39.特定産業廃棄物支障除去特措法
40.労働安全衛生法
41.電気事業法
42.消防法
43.高圧ガス保安法
44.省エネ法
45.地球温暖化対策推進法
46.FⅠT法

 

<今までのコラムの一例とお問合せ先>

『廃棄物処理に係る関連する46の法令のうち、10法令の簡易説明や廃棄物処理との関連性など』

 

☆『11~20法令の簡易説明や廃棄物処理との関連性など』

 

☆【無料経営相談や環境・廃棄物相談:お問合せ先】

船井総合研究所では排出事業者向けに廃棄物現場の簡易診断を実施しています。法令違反があってからでは遅いです。遠慮なくご相談くださいませ。