夜、ちょっと時間が空いたので映画を見ることにしました。

でも現在「国慶節」期間中なので、街中の映画館は混雑しているはず。
すいている映画館といえば……
数か月前にできたばかりのデパートの新館「金鷹・B座」を思い出しました。

「金鷹・B座」
$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-金鷹B座

昆明で有名な高級デパートといえば「金格」と「金鷹」です。
その「金鷹」の新館「B座」は、「H&M」(昆明初)をテナントにしたことで話題になりました。
しかし、それ以外のテナントはあまりパッとしないので、きっとそこの映画館もすいているに違いないと思ったのです。
行ってみると案の定、半分以上空席でした。

見た映画は「白蛇伝説」
中国の古典伝奇小説「白蛇伝」を映画化。
「パイレーツオブカリビアン」「ロードオブザリング」「ハリーポッター」みたいな、スペクタクルファンタジー仕立てを目指したもので、子供が見ても楽しめるように作った映画だと思います。

蛇の妖怪が、人間の男に恋をする話です。妖怪のくせに男に尽くす白蛇。それが観客の同情を買います。
にも関わらず、和尚が出てきて彼らの恋路を邪魔する展開となり…。
中国には「花木蘭」や「児女英雄伝」など女の子が男を助ける話がいくつかありますね。

基本的には大した映画とはいえないのですが、子供向けっぽく作っている割にはエロい表現が多く、しかもその表現がやや遠まわしなので、逆に惹きつけられる感じです。

また主演女優がはまっています。
顔つきがちょっと爬虫類系なのですが、それが逆に妖艶な美を引き立てています。

黄聖依
$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-白蛇伝説

それから、映像がとてもきれいです。
ウォン・カーウァイ組の美術監督、張叔平が美術を担当しているからかもしれません。

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近所(文林街)にある喫茶店「プラグ・カフェ」の前に、ピカピカのランボルギーニが停まっていました。

「シャレで買いました」と言わんばかりのカラフルな色。
$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-ランボルギーニとプラグカフェ

乗っていたのは、ハタチそこそこに思える青年。
昆明では、外人の多い文林街が、ランボルギーニに乗っていくにふさわしいところなのでしょうか。
東京で言うと、さしずめ代官山あたり?

貧乏くさい街なみにミスマッチ…。
$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-街とミスマッチ

でもこのランボルギーニ、とてもかっこよかったです。
昆明では、店舗の差別化は簡単!
店内や店外照明を明るくすれば良い。
なぜなら他店はみんな薄暗いから。

そう思っていましたが…。

昆明に来たばかりのころ、街を見て感じたのは「暗さ」でした。
たとえばこんな感じ。

事例1:庶民的なギョーザ屋で夕食をとったとき、日が暮れてきたので電気のスイッチを勝手に自分で付けると、店のおばちゃんが「まだ明るいでしょう?」とまた消されてしまいました。

事例2:昆明の夜、とりわけ目立つのは病院。タクシーで走らせていて「お、盛り場かな?」と思うとたいてい病院なのです。その派手な照明はまるでパチンコ店のよう。

事例3:私のいるオフィスも、昼間は暗いです。人がいないところは照明を消していて、日本のメーカー企業のオフィスのようです。

事例4:上海は東京ほど明るくはないですが、昆明ほど暗い印象を与えません。


昼間ですら、店の奥が薄暗いところが多く、全体的に貧乏くさい感じ
デパートすらやや暗い印象で、まさに節電中の東京のデパートみたいな照度です

昼間でも照明がなければやっぱり暗い店内
$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-照明問題

こんな場所で、もしキラキラ輝く店があったら、きっと人が集まってくると考えたのです。

しかし、本当にそうなのでしょうか。
依然として照明の明るい店が増えない現況をみて、ちょっと疑問に思い始めました。

そもそもなぜ昆明では、照明が暗いのでしょうか?
いくつか想定される理由を考えてみました。

1.電気代が高いから。
 確かに、感覚的には日本より高いと思います。その分、節約したい気持ちは多いのでしょう。
 病院が夜も煌々と輝いているのは、彼らが金持ちだからかもしれません。
 一方、ギョーザ屋が電気を付けたがらないのは、コスト意識の表れなのかもしれません。

2.省エネ意識があるから。
 まあ、最近は中国でも省エネ意識が高まっていますから、そういう傾向もあるかもしれません。
 しかし、店舗運営をする人なら「省エネのために電気を消す」という発想はしないでしょう。

3.照度感覚には文化差があるから(暗いのが日本人ほど気にならない)。
 夜、明るい電球に虫が集まってくるように、明るい場所にも人が集まるという説がある一方、ホテルのロビーやスタバのようなカフェでは照明を下げています。
 利用空間によって適正照度があるように、文化によっても心地よさを感じる適正照度があるのかもしれません。 

4.照度感覚には時差があるから(日本も昔は暗い店が多かった)。
 モダニティ(近代化)の軌道に乗っかった都市/国家においては、生活が豊かになるほど、あるいは近代化が進むほど、照度が明るくなっていくという考え方です。
 日本だって、30年前は暗かった。省エネ都市となった最近の東京では、その暗さが「懐かしい」と感じる人が少なくないそうです。私が子供のころ、商店街のお店は確かに暗かった。

5.「演出としての照明」をまだ理解していないから。
 上の4と関連してきますが、日本において照度がどんどん上がっていったのは、照明を演出として強く考える店舗経営者が増えてきたのも、大きな要因のひとつと思われます。
 転機となったのはおそらくコンビニです。「深夜に明るいコンビニを見るとホッとする感覚」を消費者に与えたことは、多くの経営者のヒントとなったことでしょう。昆明の店舗経営者は、まだそれに気づいていないのかもしれません。

…などと、色々考えていたら、同僚の中国人が「昆明の照明は今後絶対明るくなるよ。単に田舎なだけだよ!」とバッサリ切り捨てていました。
今後、たまに物価のプチ調査をしていきたいと思います。

「スーパーの商品を任意に選んで価格を記録し、その推移をみる」ことで、当地の暮らしをなんとなく具体的にお伝えするのが目的です。

調査日:2011年10月3日
調査場所:スーパー「足達」文林街店

スーパー「足達」
雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-足達

その前に軽く物価の話をすると、2年暮らして感じる金銭感覚は「1元=100円」です。
現在1元は約12円ですので、まあ8分の1といったところです。

例えばレストランの店員は給料が1000元とか1500元。感覚的には10~15万円の給料となり、安いですが、住居・食事つきなので、実は妥当な金額かもしれません。

また携帯の通信料金は月に50~100元くらいですが、これも5千円~1万円と考えれば妥当な金額。
庶民の大好物、米線は、日本で言うとラーメンのようなもので、これを米線屋で食べると5~8元くらいです。500~800円と考えると、これも妥当。


とはいえ「安いものは安いが、高いものは高い」わけで、私などはついつい贅沢をしてしまいます。
贅沢といっても、日本人的に普通の生活レベルで過ごすことです。つまり清潔な場所で食事をし、たまにはコーヒーを喫茶店で飲む、といったことです。さらには劣悪なバスを避け、タクシーに乗るということです。


ただし、昆明に住む中間層&富裕層から見れば、私など貧乏なライフスタイルに属しています。
自動車やスマートフォン、パソコン、家電製品など高付加価値製品は日本と同様の価格ですが(つまり日本の感覚の8倍)、みんな普通に買っているわけです。

彼らに食事によく招待されてレストランに行きますが、一人当たり100元、200元は当たり前といったところです。女の子がいるKTVにも誘われますが、そこでは一人当たりチップ込みで1000元といったところです。


卵(10個):8.9元~9.8元
カップラーメン(康師傳):3.8元
ペットボトルコーラ:3元
缶コーラ:2元
ペットボトルミネラルウォーター:1.5元
マルボロ:15元
ライター:1元
M&Mチョコレート:4.5元
コアラのマーチ(セール商品):3.5元


さて、本日の商品価格を列挙してみました。
もし1元=100円と考えると、妥当と思われるのはミネラルとライターぐらいで、それ以外は全部高いと感じられます。

日本では、卵は物価の優等生と言われますが、昆明では高いんですね。

マルボロも日本円にして200円以下の15元ではあるものの、こちらではかなりのぜいたく品というのが分かります。
まあ、5元ぐらいの安いタバコもありますから、庶民はこっちの吸うのでしょう。
雲南大学の正門前の道、文林街には多くのバーとカフェがあります
この道は外国人率が高く、別名「洋人街」と言われています。

雲南に定住する外国人経営のカフェが多いのですが、最近では中国人経営の店もあります。

外国人経営なのか中国人経営なのかを見極めるのは簡単。

店内音楽のセンスです。

外国人経営の店は、昔の音楽ファンにとってグッとくる洋楽が流れてきます。

今いるプラグ・カフェでも、The ClashもカバーしたJunior MurvinのPolice & Thievesが流れていて、懐かしく感じました。

$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-プラグカフェ1

でもこのエリアのカフェは、ほとんどwifiが使えて便利な一方、トイレは大便禁止です。
下水道管が細いのが理由みたいですが、これはちょっと不便。

$雲南・昆明に住む日本人の「2級都市」記録-プラグカフェ2

またこのエリアのカフェは、ほとんど2階があって、しかし天井が低く、しゃがんだ格好で移動しなくてはならないという特徴があります。

Police & Thievesが聞けるのはコレ
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