マジすか学園GX☆#3ー7☆
長い一日が、終わろうとしていた。
中空に浮いたまま
動かなくなった
エレベーターのなか──
大島優子が
木崎ユリアにみせた
致命的ともいえる
一瞬の隙。
その隙を見逃すことなく、
ユリアの蹴りが、優子の首を、刈り取るように走った。得意のハイキック。
ガン!と
エレベーターの壁に、優子の身体が、貼り付けられる格好で、叩きつけられた。追い討ちをかけるように、意識朦朧とした優子に、連続で、蹴りが浴びせられる。
優子の頭が、左右に揺れ続ける。倒れることも許さずに。もはや、意識も切れかけたそのとき──。
トドメの蹴りが、優子の顔面に直撃した。
瞬間、優子は、
はっきりと意識を取り戻す。
額を使い、ユリアの黒いエナメル質のブーツを押し返しながら、
「.........熱く、なってきたじゃねーか...、木崎ぃ!」
「ちっ!石頭か!」
「やっぱり、喧嘩は、お互い、熱くねぇと、しっくり来ねぇからな」
「Shut Up!(黙れ!)」
蹴りが飛ぶ。一言、一言、連続で。
「黙れ!黙れ!黙れ!」
両腕で、それらの鋭い蹴りを受け流す優子。
「もっと、もっとだ!熱くなれ!“マジ”になれよ!木崎ッ!」
ユリアの蹴りを、受け止めながら、
優子は、どこか、嬉しそうだった。
「You’re gonna rue the day ! (後悔させてやる!)」
お互いの
拳が、蹴りが、
身体全体──、
ぶつかり合う二つの魂。
激突する二人の衝撃に、
エレベーターを支えるワイヤーが軋み、悲鳴を上げ続ける。
本来の役目を失った匣が、何度も、何度も、激しく揺れ動いた。
「ふ」
笑えてくる。なんだか。
ユリアが、
いままで、思い悩んでいたことが、馬鹿らしく思えてくるくらいに。
親に見捨てられ、New Yorkのダウンタウンの片隅にうち捨てられた、悲惨な生い立ちや境遇。過去──。
そんなものに拘泥していた自分に。
頭の中が真っ白になる感覚。
「いつの頃からか、冷めきってしまっていたんだ。ほんとは...、
お前みたいに、熱いヤツと...ずっと、タイマンはりたかった...」
一度は、諦めた夢。病に冒され、記憶を失ってしまった少女とのタイマン。しかし、その少女は、どのような逆境にも、決して挫けることはなかった。荒れ狂う炎の中からも、生還を果たした。そして、いま──
「おめぇは、考えすぎなんだよ!やる前から、諦めてどうすんだよ!もっと、バカになれ!何も考えられねぇくらい、思いっきり、殴りあえばそれでいいんだ!」
優子の拳が、
ユリアの拳が、
何度も、お互いをふらつかせた。
何十発目だろうか。
大きく
振りかぶった
優子の拳が、ついに、ユリアの顎を正確に捉えたとき。
ユリアは、エレベーターの壁に、激しくぶつかり、背中で滑るように、崩れ落ちた。
「──そしたら、何かが、変わることだって、きっと、あるんだ」
先日のアメリカでの出来事など忘れてしまったかのように、優子は、優しく声をかける。もう、動けなくなってしまったユリアに。
「久しぶりに、熱くなれた気がするぜ。楽しかったよ。木崎」
その笑顔を
眩しそうに
見上げるユリア。
「すごいな...、やっぱり、お前は、『大島優子』だったよ...」
闇の底から、無理やり引っ張りあげてくれるような
まるで、
太陽のような存在。
「当たり前(あったりめぇ)だろ」
「ふっ...、負けたよ...、大島優子...」
目を閉じ、
ありがとう。──そう呟いた
直後。
ユリアは、不意に、
ドサッ...という音を聞いた。
中空に浮いたまま
動かなくなった
エレベーターのなか──
大島優子が
木崎ユリアにみせた
致命的ともいえる
一瞬の隙。
その隙を見逃すことなく、
ユリアの蹴りが、優子の首を、刈り取るように走った。得意のハイキック。
ガン!と
エレベーターの壁に、優子の身体が、貼り付けられる格好で、叩きつけられた。追い討ちをかけるように、意識朦朧とした優子に、連続で、蹴りが浴びせられる。
優子の頭が、左右に揺れ続ける。倒れることも許さずに。もはや、意識も切れかけたそのとき──。
トドメの蹴りが、優子の顔面に直撃した。
瞬間、優子は、
はっきりと意識を取り戻す。
額を使い、ユリアの黒いエナメル質のブーツを押し返しながら、
「.........熱く、なってきたじゃねーか...、木崎ぃ!」
「ちっ!石頭か!」
「やっぱり、喧嘩は、お互い、熱くねぇと、しっくり来ねぇからな」
「Shut Up!(黙れ!)」
蹴りが飛ぶ。一言、一言、連続で。
「黙れ!黙れ!黙れ!」
両腕で、それらの鋭い蹴りを受け流す優子。
「もっと、もっとだ!熱くなれ!“マジ”になれよ!木崎ッ!」
ユリアの蹴りを、受け止めながら、
優子は、どこか、嬉しそうだった。
「You’re gonna rue the day ! (後悔させてやる!)」
お互いの
拳が、蹴りが、
身体全体──、
ぶつかり合う二つの魂。
激突する二人の衝撃に、
エレベーターを支えるワイヤーが軋み、悲鳴を上げ続ける。
本来の役目を失った匣が、何度も、何度も、激しく揺れ動いた。
「ふ」
笑えてくる。なんだか。
ユリアが、
いままで、思い悩んでいたことが、馬鹿らしく思えてくるくらいに。
親に見捨てられ、New Yorkのダウンタウンの片隅にうち捨てられた、悲惨な生い立ちや境遇。過去──。
そんなものに拘泥していた自分に。
頭の中が真っ白になる感覚。
「いつの頃からか、冷めきってしまっていたんだ。ほんとは...、
お前みたいに、熱いヤツと...ずっと、タイマンはりたかった...」
一度は、諦めた夢。病に冒され、記憶を失ってしまった少女とのタイマン。しかし、その少女は、どのような逆境にも、決して挫けることはなかった。荒れ狂う炎の中からも、生還を果たした。そして、いま──
「おめぇは、考えすぎなんだよ!やる前から、諦めてどうすんだよ!もっと、バカになれ!何も考えられねぇくらい、思いっきり、殴りあえばそれでいいんだ!」
優子の拳が、
ユリアの拳が、
何度も、お互いをふらつかせた。
何十発目だろうか。
大きく
振りかぶった
優子の拳が、ついに、ユリアの顎を正確に捉えたとき。
ユリアは、エレベーターの壁に、激しくぶつかり、背中で滑るように、崩れ落ちた。
「──そしたら、何かが、変わることだって、きっと、あるんだ」
先日のアメリカでの出来事など忘れてしまったかのように、優子は、優しく声をかける。もう、動けなくなってしまったユリアに。
「久しぶりに、熱くなれた気がするぜ。楽しかったよ。木崎」
その笑顔を
眩しそうに
見上げるユリア。
「すごいな...、やっぱり、お前は、『大島優子』だったよ...」
闇の底から、無理やり引っ張りあげてくれるような
まるで、
太陽のような存在。
「当たり前(あったりめぇ)だろ」
「ふっ...、負けたよ...、大島優子...」
目を閉じ、
ありがとう。──そう呟いた
直後。
ユリアは、不意に、
ドサッ...という音を聞いた。
ジャンル人気記事ランキング(〃ω〃)(閲覧注意)

ねるちゃん( ̄▽ ̄;)
というわけで(;^_^)ヾ
ジャンル人気記事ランキングというものが
新しく出来たみたいで
いままでは
ジャンルのランキングだけだったのに
記事のランキングも
発表するように
なったみたいですね(〃ω〃)
そして
なんと
昨日の
ジャンル人気記事ランキング
第12位ぃいいいいいいい*゚Д゚)*゚д゚)(*゚Д゚)オォォ...

びっくりΣ(゚∀゚ノ)ノキャー

てちこ(*´Δ`*)
ドラマ
『残酷な観客達』
見ましたか?(*´Δ`*)
みんな
変顔やらモノマネやら
頑張ってますね(〃ω〃)
ただただ
かわいい欅ちゃんたちが見れる(笑)

みんな
百合展開好きなのかなー(;^_^)ヾ

ねるが、てちと一緒にいたいがために
このシステムをつくったみたいな雰囲気を醸し出してるけど(〃ω〃)
あ
今日23時から
メンバーといっしょに
showroomで
第2話見れるねー(*´Δ`*)

楽しみ(*´Δ`*)
ダンス
キレッキレだったな(笑)

ぺーちゃん
ブログ更新の奇跡(〃ω〃)
マジすか学園GX☆#3ー6☆
爆発炎上し、
半ば廃墟と化した
いまにも崩れ落ちそうなビルの中に足を踏み入れた長濱ねる。そして、その後に、秦サワコが続く。見渡す限り、黒々と焼け焦げた瓦礫が散乱する、そこには、かつての1階ロビーとは名ばかりの荒涼とした空間が広がっていた。
「ここが、アンダーガールズの本部だったとはとても思えないね。いい感じに、燃えちゃって。まるで、これからのアンダーガールズを象徴してるって感じ?」
「いまだかつて、アンダーガールズ(我々)に挑んで、無事で済んだ者は、誰一人としていない。“薔薇十字軍(ローゼンクロイツ)”然り、“マジ女”然り、必ず、すべてに落とし前はつける」
アンダーガールズ『緋の掟』。
「出来るといいけど」
冷笑する
ねるの挑発にも、
平静さを保ったまま、
秦サワコが、無言で、ねるとの数メートルの距離をつめる。
拳を強く握りしめ。
どんな強敵でさえも、どんな組織であっても、この二つの拳で打倒してきた。関東最強の組織アンダーガールズの一番隊隊長にまで登りつめた、その拳だった。
しかし、その拳を振るうものの──。
「............」
(当たらない...、避けられているわけではないのに...)
「だから、言ったでしょ。当たらないって」
ねるの余裕の表情は変わらない。ほとんど、動く必要もないくらい、サワコの拳は、空を切るばかりだった。
「そろそろ、反撃してもいいかな」
そう言うと、ねるの拳が、サワコの側頭部を襲った。予測も出来ない方向から、飛んできた拳に、こめかみを打ち抜かれ、視界が揺れる。防御する間もなく、顔面と腹部を数発殴られ、
地面を転がっていくサワコ。
辺りに、土煙が舞った。
ねるは、煙たそうに、顔の前で手を振る。
どういうわけか、サワコからの攻撃は、ねるの異能(チカラ)の前では、『勝手に』不規則なものに変化してしまうようであった。また、ねるからの攻撃も、サワコにとっては、不規則すぎて、読めないものとなっていた。
サワコは、腹部に手をやり、立ち上がりながら、訊く。
「これが...、キミの...異能(チカラ)なのか...?」
「能力名『不協和音』...
“プリズン”では、まず最初に、人にはそれぞれ固有の、内に秘めた異能(チカラ)があるって言われるんだよ。それを人体実験によって引き出し、特別なカリキュラムにより、その異能(チカラ)を戦闘向きに、伸ばしていくんだ」
「そんな施設が...」
「どこにあるかすら、わからない。地図にも載ってない施設。そして、その異能(チカラ)を極めた者は、出所することが出来ると言われてるんだ。落ちこぼれは、そこでは生きていけないんだよ。厳しい懲罰が待ってる。それに...
小型カメラとマイク内蔵のこの腕輪...。いつでも、遠隔操作で毒物を射出することのできる...この腕輪がある限り、脱走する(逃げ出す)ことなんて許されない」
ねるの左手首には、オレンジ色の腕輪が、鈍く光っていた。
「では、何故、キミは、いま、ここにいる?」
「これも、実験のひとつ...だから」
「実験......?」
「ちょっと、しゃべりすぎたかな。だけど、『僕たち』は、絶対に、真実(ほんと)の自由を手に入れるんだ。標的(ターゲット)となる『君たち』をひとりひとり、潰していくんだ。どんな手段を使ってもね」
「そんな奴らの言いなりになって、本当に、それでいいのか?」
「やらなきゃいけない...、やらなきゃ...やられる...、自分も...、大切な...仲間も...」
「そうか...、やるしかないようだな。不本意ではあるが、仕方がない。降りかかる火の粉を、甘んじて、受けるわけにもいかないのでね」
サワコは、手近にある、小さな瓦礫を、投げつける。しかし、
「もう、チェスの駒は、なくなっちゃったのかな?」
サワコの投げた瓦礫は、やはり、これまでと同様、まったく、見当違いの方向へ、飛び散っていった。
さらに、サワコは、地面に散らばる小石を含んだ砂利を掴むと、同じように、投げつけ続けた。小石は、四方八方へ飛んでいく。
「自棄(ヤケ)になったの?」
ときどき、跳ねかえった小石が、ねるに当たるも、
そのくらいでは、ダメージは、ほとんどない。
「まあ、何を考えてるか知らないけど...、僕は勝つんだ!すべては、僕たちの未来のために!」
言うや、
ねるの不規則な攻撃が、かさにかかって、襲いかかる。
両腕を掲げ、防御に徹するサワコ。ガードをすり抜けた攻撃にも、耐える。耐え続ける。
(クッ...、どうやら、彼女の異能は、彼女自身に働きかけるものではないらしい。自然に舞った砂埃や、跳ね返った小石が、彼女を避けることはなかった。つまり、わたし自身のほうが、彼女の異能によって、『不協和音』が響くように、不規則な攻撃にさせられてしまったり、不規則な攻撃を受けたと錯覚してしまったりしているというわけか...)
簡単に言うと、サワコの平衡感覚が、不調だということになる。本人の自覚無しに。
「どうしたの?もう、終わりってわけじゃないよね?」
嘲(あざけ)るねるに、
防戦一方のサワコの目は死んでいなかった。むしろ、さらに、集中力が増しているようにも思えた。額には、油汗が滲む。
(.........∑k=1nmkVk−∑k=1nmkvk=∑k=1nIk......)
サワコの脳内では、何かの計算式が、流れ始めていた。
(.........2e2=e1p1−e0p2
2(x1x2+x2x3+x3x1)=(x1+x2+x3)2−(x21+x22+x23)
3e3=e2p1−e1p2+e0p3
3x1x2x3=(x1x2+x2x3+x3x1)(x1+x2+x3)−(x1+x2+x3)(x21+x22+x23)+(x31+x32+x33).........)
新しく
計算式が、流れては、消え、
また、消えては、流れ、
(...0.5 * 0.2 = T - 0.5 *9.8......
∴ T = 0.5 * ( 0.2 + 9.8 ) = 0.5 * 10 = 5....)
また、流れる、という繰り返しが、スーパーコンピュータ並のスピードで、
(..2A:x¨=r¨cosθ−2r˙θ˙sinθ−rθ¨sinθ−rθ˙2cosθx¨=r¨cosθ−2r˙θ˙sinθ−rθ¨sinθ−rθ˙2cosθ......
2B:y¨=r¨sinθ+2r˙θ˙cosθ+rθ¨cosθ−rθ˙2sinθ......)
繰り返されていた──。投げつけた小石の軌道や先程まで受けた攻撃をすべて情報(データ)とし。
運動方程式。
重力加速度。他にもありとあらゆる『計算』を用いて──。
それは、
不規則な中にも、微かな規則性を見出すための終わりの見えない『計算』であった。
不規則になるのなら、最初から、不規則な攻撃をした場合どうなるのか。そこに、規則性を見出すことが出来れば。当てずっぽうではなく、確実に、捉えることが出来るはず。
ねるの攻撃は、続いていた。サワコにとって、これほど一方的に殴られたことは、いままでにない経験であった。
膝がガクガク揺れ、倒れそうになったそのとき。
ついに、サワコの脳内では、ある答えが、導き出された。
防御から、一転。
サワコが、拳を突き出す。
サワコにとって、ねるのいる場所とは全く違う方向に。すると、ほぼ、サワコの狙い通りに、ねるの顔面を捉えることに見事成功した。
「えっ?」
驚く
ねるの顔に
続け様に、サワコの拳が、連打で、打ちこまれた。まぐれではない。
「どうして...?」
「この世に、『計算』であらわせないものは、ない」
「ま、まさか、この不規則な現象を、異能(チカラ)を...、計算で...解くなんて...?そんなこと...、出来るはずが...」
「計算は、得意なほうなのでね」
都内随一の進学校のなかでも、トップクラスの学力を誇り、
不可能と思われることを可能にしてしまう、それが、
秦サワコであった。
「我々は、関東最強の武闘派組織アンダーガールズだ。喧嘩を売る相手を、間違えたようだな!」
サワコの拳が、的確に、正確に、ねるを捉え始めるようになった。形勢は逆転した。
計算で導き出した解により、
その方向を“狙え”ば、それが、確実に、ねるの急所に当たるようになっていた。
「ぐホッ!がハッ!......」
(ウソだ!こんなはずじゃ...)
口許から、血を流す長濱ねるの脳裏には、
プリズンでの
トラウマともいえる地獄の日々がよみがえっていた。
「王手(チェック)だ!これで、楽にしてやろう。鎖を解き放ち、もう、思い悩むこともないようにな!」
振りかぶる。
サワコの緋の拳が、ねるに、炸裂する直前だった。
「そんな...、はぁ...、はぁ...、ここで、こんなところで......、負ける...なんて...、僕は...」
(僕は...、嫌だぁああああああああああああああぁッ!!!!!)
辺り一面に、響き渡る反響音。『不協和音』MAX。
空間一帯が、ビリビリと震えた。
直後。
建物が、激しく揺れ、
ガラガラと大きな音を立て
崩落し始める天井。
秦サワコと長濱ねる、二人の頭上に、巨大な瓦礫が、無数に、降り注いできた。
ガラガラガラ.........
ドシャ...
ズ...ズン...
地響きと共に
瓦礫の落下と共に、
地面は、大きく揺れ続けた。
........................。
数分後──。
もうもうとした
土煙が、まわりを視認できるくらい晴れてきた時──。
仰向けに倒れた
ねるの目の前に、秦サワコの顔があった。両腕を伸ばし、長濱ねるを守るかのように。サワコの背中には、重々しい瓦礫が、のしかかっていた。
そのおかげで、ねるは、ほとんど、無傷だった。
「なんで...、助け......?」
サワコの頭から、つぅっと、赤いものが、流れる。
「ちょっとだけ...、計算を...間違えた...だけ、だ...」
そう言うと、
サワコは、そのまま、がっくりと意識を失った。
「...............」
ねるは、複雑な表情で、崩れた天井を、仰ぎみる。空は、仄暗い。夕立の空。
ぽっかり空いた天井から、
冷たい雨が、落ちてきた。
ねるの頬を伝う雨粒。
ぽつりと。
ひとこと。
「甘いね...」
“プリズン”内────
所長室。
豪奢な室内に、壁面には、無数の監視モニターが、並ぶ。
一部始終を映像で見ていた妖艶な美女──所長は、つとめて冷静に、強面の看守長に命じる。
「回収を急がせなさい。救護班も、ね」
「はっ!」
「アンダーガールズ、秦サワコ...、さすがは、ランキング『第9位』...」
ランキングとは。
プリズンが独自に、全国レベルで、入念な調査を行い、格闘技(ケンカ)における、身体能力や、過去の勝敗等、あらゆる要素を数値化し、格付け、設定したものである。対象は、主に、現役の女子中高生。
「パフォーマンスとしては、なかなか、興味深い結果が得られたわ。ただ、はっきりとした結果を示してもらわないと...、出所(そつぎょう)は、まだ、先の話になりそうね」
所長の、
愉悦を含んだ言葉には、哀れみさえも、感じられた。