AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -234ページ目

#3

「さすが、宮澤さんですねー」
ありがとうございます、と助けられた3人が感謝の意をあらわす。

「フン、チョロいもんさ。次は、ラッパッパだな」

すでに意識のない山椒姉妹にツバをはきつける。
「おい、ちょっと待てよ」

口に含んだガムを噛む音が、夜の闇に響く。

「ウチの後輩に何してくれてんだよ!あ?」

「シブヤか…」

マジ女吹奏楽部ラッパッパ元四天王の一角、シブヤこと板野トモミだった。
お互いの視線が交錯する。

「問答無用って感じだな」

シブヤは、右手を前に差し出し、手招きした。得意のポーズだ。

「来いよ…宮澤ぁ…」

#3

「会いたかったよ。前田」
対峙する前田たちに対し、
100名余のアンダーガールズのメンバーを従え、マナツは、微笑んだ。その顔は、これまで、幾度となく修羅場をくぐってきたとは思えない綺麗さで、逆にそれが恐ろしくも感じられた。いまだかつて、ケンカで顔面をだれにも触れられたことがないという。

「きのうは、うちの兵隊をよくもやってくれましたね。もう、話し合いのテーブルにつくことはなくなりました。交渉決裂です」


「そっちが勝手に仕掛けてきたんやろがー」

だるまが叫ぶ。

「挨拶のつもりだったのですが、あなたたちはやりすぎました」

というわけで、と言ってマナツは、右手を挙げ、それを振り下ろした。

「やれ!」


手に手に凶器をもった、アンダーガールズ特攻隊メンバーが、前田、だるま、歌舞伎シスターズに迫る。

「ちっ!始まったか」

遅れてきたサドも参戦する。
両者、入り乱れての大乱闘の幕開けだった。

#3

ピーポーピーポー

遠くで、救急車のサイレンが鳴ってる。夜、緊急車両が出動することは、都会では珍しいことではない。

ここは、郊外にあるファミリーレストラン。何の変哲もない全国チェーンの店舗である。ただひとつ違うところといえば、マジ女吹奏楽部ラッパッパ元副部長のサドがホール係として、働いていることであった。

サドは、サイレンを耳にし、何か胸騒ぎを覚えた。

ピンポーン

呼び出しのベルが鳴る。テーブル番号を表示版で確認し、サドはテーブルに急いだ。

「お待たせしました」

しおらしい接客態度が、テーブルに座る客を見て、一変する。

「なんだー。お前らかよ。珍しいな」

「家から近いんだよっ!」

ジュリナは何故か、過剰に反応して言った。

「あれー。ジュリナさんの家って、たしか…」

ガツっ

テーブルの下で、ジュリナが、ネズミの足を蹴りつける。

「まあ、いいっす。それにしても、サドさん、そのユニフォーム似合ってるっすねー。かっこいいっす」

「うまいなー。お前は。そうやって、要領よく立ち回ってるのか?」

と、言いつつ悪い気はしないサドであった。

「よし、せっかく来てくれたんだ。ドリンクバー、サービスしてやるよ」
「ありがたいっす」

元気よく、返事するネズミに対し、ジュリナは何も反応しなかった。

「ま、ゆっくりしていきな」

サドは、テーブルを離れ、オーダーを通した。
視線は、ジュリナたちと遠くはなれた窓側のボックス席に向けられた。

「あっちは、お通夜みてーだな」

その視線の先には、前田、だるま、そして、歌舞伎シスターズの4人の姿があった。

ガシャーン!

突如、駐車場に面したガラス窓が粉々に砕け散った。そして、店内には、鉄パイプが転がっていた。何者かが、店内めがけ、鉄パイプを投げ込んだのだ。

割れた窓ガラスから、外を窺う4人。

その視線の先には、アンダーガールズのメンバーの姿があった。100人はくだらない。先頭にいるのは、きのう、挨拶に来た特攻隊長、向田マナツ。

前田は、無言で、店内を飛び出す。3人もあとにつづいた。

「店長、すいません!ちょっと休憩もらいます!」

サドも、すぐに、そのあとを追った。