AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -232ページ目

#4

(ビビってんじゃねーよ!)

前田の脳裏に、親友である高橋みなみの姿が浮かぶ。

(あたし、弱気な敦子はキライだよ!)


「みなみ…」

マナツの見えない拳に、どう立ち向かえばいいのか、その答えが出ないまま、前田はすでに虫の息だった。


「あつ姐えええー」

「前田!」

「前田の姉貴!」

あらかた、アンダーガールズを片付けた
だるまと歌舞伎シスターズは、ボロボロになりながらも、前田にエールを送る。

(ありがとう…みんな…)

そのエールを受けとめ、
前田は、そっと目を閉じ、深く息を吸い込んだ。そして、それをゆっくり吐き出す。


そのとき、パトカーのサイレンが徐々に近づいてくるのがわかった。

「あれ、検問突破されたのかな」

じゃ、そろそろ終わらせますかね、と言って、マナツはパンチを放った。
そのパンチを、前田は、初めて紙一重でかわす。目は閉じられたままだった。

「あれ?」

不思議がるマナツは、立て続けにパンチを繰り出した。それらも、すべて、紙一重でかわしていく前田。

「もう、お前の拳は…見切った!」






「あつ姐が、目をつぶって闘っとる」

だるまが不思議そうにつぶやいた。小歌舞伎がそれを受けて、語り始めた。

「心眼ー心の目をもって、相手の挙動を予測して行動することで、相手を制することができると言われている。具体的には、目や耳などの感覚器で知覚することができない情報を、経験と想像力で推測することによって、見えないものを把握することが出来るという」

「相変わらず、解説者じゃのう」

だるまは感心した。


「向こうは、けりがついたようだよ」

大歌舞伎が、サドとジュリナのほうをあごで指し示した。

#4

「なんやなんやー、検問か?」

関西弁の少女。

たしかに、傍から見ると、警察車両が暴走族を抑えているように見える。しかし、実際はその逆で、暴走族のほうが、警察車両の侵入を阻止している構図であった。
暴走族は、言わずとしれたアンダーガールズである。


「こっちに来たばっかりやから、ようわからんけど、東京では、暴走族のほうが検問するんやなー」

ひとりで、ボケたところ、だれもツッコミを入れてくれないので、自ら、なんでやねん、とひとりボケひとりツッコミをする少女であった。見たところ、高校生のようである。ブルーのジーンズに白のTシャツ、こげ茶の革ジャンという、ラフなスタイル。クールな顔に、よく似合っていた。

「おウチ帰りたいんやけどなー」

警察と暴走族の間で、小競り合いの格闘が行われていることは、全く意に介さずであった。

「なんだ?お前」

アンダーガールズのひとりに因縁をつけられる少女。

「ここは、通行止めだ。ほかを回れ」

少女は、アンダーガールズの検問に近づきすぎてしまったようだ。
しかし、木刀を持っているアンダーガールズにたじろぐ様子もなく、こう言った。

「しゃあないなー。ほな、道あけてもらおか」

#4

時はきたー

とうとう、マジすか学園の現トップvsアンダーガールズ特攻隊長のタイマン勝負が始まったのであった。

「うああああ」

前田の拳がうなりをあげて、マナツめがけて、くりだされる。しかし、拳は虚しく空を切るばかりだ。右、左、右、ことごとくかわされている。

「お疲れのようですね。大振りになってますよ」

冷静に、微笑みすら浮かべながら、体をかわすマナツ。

「ちくしょう!」


「そろそろ、反撃してもいいですか」

シュッ

瞬間、闇を切り裂く空気音だけが聞こえた。

前田の右頬から、血がしたたる。

攻撃は、なおも続けられた。

シュッ!シュッ!シュッ!

一瞬で、前田の顔は、吹き出す鮮血で赤く染まる。

(は…迅い)

目にもとまらぬスピードで
パンチを繰り出すマナツ。

たまらず、前田は、両腕をあげ、しっかり顔面をガードする。ガードの奥の瞳は、戦意を失ってはいない。

「そんなものですか?がっかりしました」

防御にまわった前田に不服そうに、
肩をすくめるマナツ。

「あああああ」

前田が、再度仕掛けようとした刹那、腹部に衝撃が走った。

「ぐふっ」

がっくりと両膝を地につけて、うめく前田。

「はぁ…はぁ…、拳が…見えない…」

依然として前田は、
突破口を見いだせずにいた。



同じ頃ー

サドとジュリナの即席コンビは、面白いように、アンダーガールズの猛者たちを倒していく。お互いの弱点を補い、長所を引き出し合い、爆発的な破壊力を生んでいた。

「はぁ…はぁ…、やるなージュリナ」

サドが、右ストレートを叩き込みながら言った。
「う、うるせーよ!おらー!」

サドの死角から襲ってくる敵に、回し蹴りをきめる!

あっという間に、ほとんどのアンダーガールズのメンバーが戦闘不能に陥っていった。




「そろそろ、エンディングっすかねー」

おかわり、おかわり、と言いながらドリンクバーに向かうネズミだった。