AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -231ページ目

#4

「なんや、楽しそうやなー」

数刻前から、少しはなれた場所で、前田軍団とアンダーガールズの抗争を興味深そうに眺めている姿があった。先ほど、アンダーガールズの検問のところにいた関西弁の少女だ。

「あいつ、前田って言うんかー」
少し考えた後、決意の表情で言った。

「よっしゃ、決めたで!」


そのとき、木陰でスーパーモデルのようにスタイルの良い女性がケータイ片手に話してるのが見えた。


「東京は、夜でもグラサンかけるんやなー。芸能人かいな?まあ、スタイルはウチとかわらんなー」

誰も聞いてないと思い、テキトーな発言をする関西弁の少女。


謎の女性は、先ほどの抗争のなか、前田たちにアドバイスをした謎の声、そのひとであった。

「…It was over.Maeda won.Your advice contributes to the fact.」

報告の電話のようである。

「……In addition,later.」

通話が終わり、その場をはなれた。

その後ろを、尾行するかのように、フードつきのスウェットを着た少女ーネズミがついて行った。
しかし、
ビルの角を一つ曲がったところで、その女性の姿は、忽然と消え失せてしまっていた。

#4

「うおおおお!」

反撃にうつる前田。

完全に攻守は逆転した。
呼吸を整え、気合いを入れ直した前田のパンチは格段にキレがよくなっていた。マナツは防戦一方にならざるをえない。しかし、その防御にも徐々に陰りが見えてきた。マナツの体に強烈なパンチが何発も当たりだしていた。そして、ついに…

マナツが、過去に、誰にも触れられたことのない顔面に、前田の拳がまともに炸裂した。

「ま…前田ぁ…」

初めての衝撃。
前田の超ヘビー級のパンチをモロに顔面に受けたにもかかわらず、倒れることなく、膝をつくこともなく、立ち続けるマナツ。さすがは隊を任されているだけはある。

さらに、前田はパンチを打とうとして、そして、やめた。

「あつ姐!どうしたんでっか?とどめ刺したってくださいよー」

だるまが促す。

「もう、いいよ」

前田は、マナツに背を向けて言った。
マナツは、立ったまま意識を失っていた。

それを見て、前田の勝利を確信した
だるまと歌舞伎シスターズは、傷だらけの顔で微笑んだ。
サドもそばまで来ていた。
「よくやったな、前田。さすがは、マジ女のてっぺんだ」

「サドさん…すいません」

またしても、サドを巻き込んでしまった自責の念が浮かんだ。生傷が痛々しい。

「気にするな。ケンカは私のストレス解消法だ」

「……ありがとうございます」

「お前らも、よく頑張ったな」

だるまと歌舞伎シスターズにもねぎらいの言葉をかける。

3人は照れくさそうだ。

ピーポーピーポー

数台のパトカーと救急車のサイレンの音が近づいてきた。

「おい、お前たち、早く逃げろ!」

この状況で、正当防衛は通用しないだろう。

「わかりました。サドさんは?」

サドは、ファミレスを眺めて苦々しく言った。

「バイト」

夜の駐車場に、みんなの笑い声が木霊した。

#4

サドとジュリナの二人は、最後の敵をそれぞれ、パンチとキックで同時に倒した。

「ふー、なかなか手強かったな。頭数多すぎだぜ。ま、あとは、前田がやってくれるだろ」

遠くで、前田とマナツが闘っているのが見える。優勢なのがこちらからも見てとれた。

「ふん!あんなやつに負けるようじゃ、マジ女のてっぺんとは言わせねえ」

そんな素直じゃないジュリナを見て、サドは笑った。

「な、何笑ってんだよ!」

ジュリナがふくれっ面になる。

「鼻血…出てるぜ」

「えっ!」

恥ずかしそうに、
ごしごしと鼻の頭を、袖口で拭うジュリナ。

「ははは、ウソだよ」

「ちっ!」

なあ、ジュリナ。と、優しく語りかけるように、サドは話し始めた。

「お前は今まで、ずっと、ひとりで闘ってきたんじゃないか?たしかに、ひとりなら、気楽だろうな。失うものがないんだから。だけど、守るべきものがあるほうが、どこまでも強くなれるんだ。それが…仲間の絆ってやつだ」

「…よくわかんねえ」

「そうか。まあ、いまはわからなくてもいいさ。だけどな、少なくとも私は、お前のこと、仲間だと思ってる。マジ女の後輩だしな。それと、さっきは助かったぜ。ありがとな」

ジュリナが、ひとに感謝されたのは生涯で初めてのことだった。今までにない感情が胸に湧き上がってくるのを感じた。そして、思わず知らず、その場から逃げ出していた。