AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -226ページ目

#5

矢場久根死天王の宮澤は、最後のあがきとばかりに、前田に殴りかかった。いともたやすくかわす前田。

「前田!そいつの右手に気をつけろ!」

サドが鋭く叫ぶ。

「右手?」

「うるせー!おらー!」

宮澤は、執拗に右手で攻撃してきた。

学ランは、矢場久根の生徒たちに行く手を塞がれ、立ち回っていた。

「邪魔なんだよ!」

サドも参戦する。


前田は、宮澤の右手の攻撃をかわし、手刀で、その手首を狙い撃った。右手から何かが落ちる。小型のスタンガンのようなものだ。強力な改造が施されていた。

「くっ」

苦痛に顔を歪める宮澤。
続けざまに前田のパンチが、二発、三発、と容赦なく降り注ぐ。宮澤は、抵抗できずにいた。
そのとき

「前田!あとは、俺にやらせてくれ」

矢場久根の生徒を全員退けた学ランが、進み出た。

「学ラン…」

傷だらけの姉の顔をまともに見れない学ラン。

「なんて顔してんだよ…ったく…いままで、何やってたんだよ…ばかやろう」

学ランは、悲しさがこみ上げてきた。

「もう遅いんだよ!時間は戻らねー!」

そう言って、宮澤は、懐から、ジャックナイフを取り出した。

#5

生徒会室では、生徒会長の峯岸みなみが、書類の整理に追われていた。生徒会とはいっても、そのような校内活動をする生徒が、マジ女にいるはずもなく、実質、ひとりでの活動ばかりであった。
「だれか、生徒会に入れないと厳しいなー。前田あたりが、やってくれそうだけど…」

と、独り言をつぶやいたところに、

「やっほー!」

突然の来訪者。

「なんだ、この前、校門のところにいたやつじゃないか。あいさつに来たとか言ってた」

「そうでーっす!」

先日、チームホルモンを瞬殺した少女であった。

「部外者が校内に勝手に立ち入るな。たしか、転校生とか言ってたな。ウチにではない」


「それは、ウソでーす」

「ウソは、いくない!で、いったい何者だ?」

少し、苛立ちながら、みなみが尋ねた。

「わたしの名前は、須田アカリ!アカリンリンって呼んでね」

「で、そのアカリンリンが、何の用だ?」


「今夜、ちょっとしたゲームをしようと思ってね。プレイヤーは前田。あなたは、囚われのお姫様って感じかな」

アカリは、愛くるしく笑った。
須田アカリ。アンダーガールズ親衛隊十人衆のひとりであった。

#5

「学ランが…二人?」

だるまが、視線を交互にうつしながら、驚きの声をもらした。

「学ラン!」

喜びの声をあげる前田。

「敦子!」

学ランは、右の拳を、前田のほうに向け、言った。

「俺のマジは、お前のためにある!」

こくりとうなずく前田。その表情には、安堵の色があふれていた。

「おいおい。みんなにわかるように説明してやったらどうだ?」

サドが、見かねて、促す。

「あ、ああ。すまねえ。実は、そこにいるやつは、俺の双子の姉だ」

「えええ!」

驚きっぱなしのだるま。前田は、うすうす気づいていたようだ。

「三年前ー、うちの教育方針が気に入らなかったらしく、親父と言い争う日々が続いていた。そして、ついに、そいつは、タエは、家を飛び出したんだ。捜索願をだしたが、行方はわからなかった。そのあと、中坊がひとりで生きていくには、想像を絶する苦労があっただろう」

「どうだっていいんだよ!」

宮澤タエは、学ランにくってかかった。

「俺たちは、物心ついたときから、いつも一緒だった。とても、仲がよかった。だから、いなくなったとき、からだが半分なくなっちまったような感じだった。その悲しさを埋めるために、俺はヤンキーに走った」

「もういいだろ!だまれ!」

「だまらねえよ!お前との空白の時間を埋めるために、俺は矢場久根に転校したのに。お前は、変わっちまったらしい。全部、サドから聞いた」

「トリゴヤが教えてくれたんでな。いろいろと。お前たちの関係もな」

サドが微笑む。

「ありがとう。サド。お前がうちのマンションに来たときは、びっくりしたぜ」

学ランも笑った。

「矢場久根、それから、タエ!もう、誰も傷つけさせねー。俺のマジは仲間のためにある」