AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -228ページ目

#5

「前田ー!」

マナツの叫び声は、白い天井にかき消えた。

「よかった。目が覚めたようだね。気分はどうかな?軽い脳震とうのようだけど」

保険医のキケンが、気持ち悪い顔を気持ち悪く寄せる。ここは、マジすか女学園の保健室であった。

「キモ!」

ベッドの上から、暴言を吐くマナツ。

「大丈夫そうだねー。キミが暴れて、倒したウチの生徒のほうが重傷かもしれないねー」

実際、前田軍団以外の生徒は病院送りだった。

「前田に会いに来ただけなのに、あいつらが邪魔するからです。それにしても、あの関西弁の女は何者ですか?」

「あー、転校生の山本サヤカくんだねー。大阪から来たようだけど」

「あいつ…強いですね」
「そういえば、山本くんから伝言があったんだ」
「なんですか?」

マナツがいぶかしそうに、訊いた。

「また、ケンカしよう、だって」

「え?」

「キミをここまで運んできたのは、前田くんたちなんだよねー。ケンカしてわかりあうことってあるからねー。なにか、シンパシーみたいなもの感じるのかなー。まあ、ケガしたときは、また、おいで。消毒してあげるから」

それを聞いて、
マナツは、表情を隠すように寝返りをうち、そして、ぼそっとつぶやいた。


「キモ!」

#5

教会の礼拝堂。

聖母マリアに向かい、祈りを捧げる黒装束の少女。

マジ女史上最強と謳われたラッパッパ四天王のひとり、ブラックこと、柏木ユキ、そのひとだった。

ある事件があって以来、ブラックは毎日、この教会での祈りを欠かさなかった。

そこへ来訪者がひとり。
「お久しぶりです。柏木先輩」

「なぜ…お前がこの場所に…」

「あの日から、先輩の時間は、とまったままのようですね」

ブラック同様、黒系の服に身をつつんだ少女。

「この街も変わりましたね。あの頃とは…。でも、この教会は変わりませんね、あの頃のまま…」

「あれから4年…か」

中学の頃、ひとつ年上のブラックと二人で、地域の中学をことごとくつぶしまわった最強コンビであった。

「実は、最近、この街に戻ってきまして

いまは、矢場久根死天王と言われています」

#5

「あ、あいつ…何者だ?」
突然の来訪者に
ヲタが驚きのつぶやきをもらす。

「あれあれー?誰かと思ったら、アンダーガールズ特攻隊長の向田マナツさんじゃないですかー」
騒ぎを聞きつけ、隣のクラスから顔を出す歌舞伎シスターズ。


「げっ!アンダーガールズかよ」
「しかも、特攻隊長だと…」

チームホルモンは、驚きを隠せない。

「前田ぁ、会いたかったよ」

前田との間に、立ちふさがるだるまを、見えない拳一発で、吹き飛ばす。
「待てよ!」と言いかけた大歌舞伎も、一発で飛ばされた。
小歌舞伎も、チームホルモンも、次々と、見えない拳の餌食となっていった。

「みんな!」


前田は立ち上がり、臨戦態勢をとる。

「あっちゃん、ちょっと下がっとってやあ」

緊迫感のない調子で、サヤが、一歩前に出る。

マナツは、気にもとめず、見えない拳を繰り出す。

パシ!

サヤが、それを軽く右手で受け止める。前田でさえ、苦戦を強いられた、マナツの拳をいとも簡単に。
そしてー

サヤの左ストレートが、マナツの顎にピンポイントで決まった。
スローモーションでくずれおちるマナツ。

前田も、倒れてる一同も、唖然とする。

マナツは、そのまま起き上がってこなかった。