#5
「前田ー!」
マナツの叫び声は、白い天井にかき消えた。
「よかった。目が覚めたようだね。気分はどうかな?軽い脳震とうのようだけど」
保険医のキケンが、気持ち悪い顔を気持ち悪く寄せる。ここは、マジすか女学園の保健室であった。
「キモ!」
ベッドの上から、暴言を吐くマナツ。
「大丈夫そうだねー。キミが暴れて、倒したウチの生徒のほうが重傷かもしれないねー」
実際、前田軍団以外の生徒は病院送りだった。
「前田に会いに来ただけなのに、あいつらが邪魔するからです。それにしても、あの関西弁の女は何者ですか?」
「あー、転校生の山本サヤカくんだねー。大阪から来たようだけど」
「あいつ…強いですね」
「そういえば、山本くんから伝言があったんだ」
「なんですか?」
マナツがいぶかしそうに、訊いた。
「また、ケンカしよう、だって」
「え?」
「キミをここまで運んできたのは、前田くんたちなんだよねー。ケンカしてわかりあうことってあるからねー。なにか、シンパシーみたいなもの感じるのかなー。まあ、ケガしたときは、また、おいで。消毒してあげるから」
それを聞いて、
マナツは、表情を隠すように寝返りをうち、そして、ぼそっとつぶやいた。
「キモ!」
マナツの叫び声は、白い天井にかき消えた。
「よかった。目が覚めたようだね。気分はどうかな?軽い脳震とうのようだけど」
保険医のキケンが、気持ち悪い顔を気持ち悪く寄せる。ここは、マジすか女学園の保健室であった。
「キモ!」
ベッドの上から、暴言を吐くマナツ。
「大丈夫そうだねー。キミが暴れて、倒したウチの生徒のほうが重傷かもしれないねー」
実際、前田軍団以外の生徒は病院送りだった。
「前田に会いに来ただけなのに、あいつらが邪魔するからです。それにしても、あの関西弁の女は何者ですか?」
「あー、転校生の山本サヤカくんだねー。大阪から来たようだけど」
「あいつ…強いですね」
「そういえば、山本くんから伝言があったんだ」
「なんですか?」
マナツがいぶかしそうに、訊いた。
「また、ケンカしよう、だって」
「え?」
「キミをここまで運んできたのは、前田くんたちなんだよねー。ケンカしてわかりあうことってあるからねー。なにか、シンパシーみたいなもの感じるのかなー。まあ、ケガしたときは、また、おいで。消毒してあげるから」
それを聞いて、
マナツは、表情を隠すように寝返りをうち、そして、ぼそっとつぶやいた。
「キモ!」
#5
教会の礼拝堂。
聖母マリアに向かい、祈りを捧げる黒装束の少女。
マジ女史上最強と謳われたラッパッパ四天王のひとり、ブラックこと、柏木ユキ、そのひとだった。
ある事件があって以来、ブラックは毎日、この教会での祈りを欠かさなかった。
そこへ来訪者がひとり。
「お久しぶりです。柏木先輩」
「なぜ…お前がこの場所に…」
「あの日から、先輩の時間は、とまったままのようですね」
ブラック同様、黒系の服に身をつつんだ少女。
「この街も変わりましたね。あの頃とは…。でも、この教会は変わりませんね、あの頃のまま…」
「あれから4年…か」
中学の頃、ひとつ年上のブラックと二人で、地域の中学をことごとくつぶしまわった最強コンビであった。
「実は、最近、この街に戻ってきまして
いまは、矢場久根死天王と言われています」
聖母マリアに向かい、祈りを捧げる黒装束の少女。
マジ女史上最強と謳われたラッパッパ四天王のひとり、ブラックこと、柏木ユキ、そのひとだった。
ある事件があって以来、ブラックは毎日、この教会での祈りを欠かさなかった。
そこへ来訪者がひとり。
「お久しぶりです。柏木先輩」
「なぜ…お前がこの場所に…」
「あの日から、先輩の時間は、とまったままのようですね」
ブラック同様、黒系の服に身をつつんだ少女。
「この街も変わりましたね。あの頃とは…。でも、この教会は変わりませんね、あの頃のまま…」
「あれから4年…か」
中学の頃、ひとつ年上のブラックと二人で、地域の中学をことごとくつぶしまわった最強コンビであった。
「実は、最近、この街に戻ってきまして
いまは、矢場久根死天王と言われています」
#5
「あ、あいつ…何者だ?」
突然の来訪者に
ヲタが驚きのつぶやきをもらす。
「あれあれー?誰かと思ったら、アンダーガールズ特攻隊長の向田マナツさんじゃないですかー」
騒ぎを聞きつけ、隣のクラスから顔を出す歌舞伎シスターズ。
「げっ!アンダーガールズかよ」
「しかも、特攻隊長だと…」
チームホルモンは、驚きを隠せない。
「前田ぁ、会いたかったよ」
前田との間に、立ちふさがるだるまを、見えない拳一発で、吹き飛ばす。
「待てよ!」と言いかけた大歌舞伎も、一発で飛ばされた。
小歌舞伎も、チームホルモンも、次々と、見えない拳の餌食となっていった。
「みんな!」
前田は立ち上がり、臨戦態勢をとる。
「あっちゃん、ちょっと下がっとってやあ」
緊迫感のない調子で、サヤが、一歩前に出る。
マナツは、気にもとめず、見えない拳を繰り出す。
パシ!
サヤが、それを軽く右手で受け止める。前田でさえ、苦戦を強いられた、マナツの拳をいとも簡単に。
そしてー
サヤの左ストレートが、マナツの顎にピンポイントで決まった。
スローモーションでくずれおちるマナツ。
前田も、倒れてる一同も、唖然とする。
マナツは、そのまま起き上がってこなかった。
突然の来訪者に
ヲタが驚きのつぶやきをもらす。
「あれあれー?誰かと思ったら、アンダーガールズ特攻隊長の向田マナツさんじゃないですかー」
騒ぎを聞きつけ、隣のクラスから顔を出す歌舞伎シスターズ。
「げっ!アンダーガールズかよ」
「しかも、特攻隊長だと…」
チームホルモンは、驚きを隠せない。
「前田ぁ、会いたかったよ」
前田との間に、立ちふさがるだるまを、見えない拳一発で、吹き飛ばす。
「待てよ!」と言いかけた大歌舞伎も、一発で飛ばされた。
小歌舞伎も、チームホルモンも、次々と、見えない拳の餌食となっていった。
「みんな!」
前田は立ち上がり、臨戦態勢をとる。
「あっちゃん、ちょっと下がっとってやあ」
緊迫感のない調子で、サヤが、一歩前に出る。
マナツは、気にもとめず、見えない拳を繰り出す。
パシ!
サヤが、それを軽く右手で受け止める。前田でさえ、苦戦を強いられた、マナツの拳をいとも簡単に。
そしてー
サヤの左ストレートが、マナツの顎にピンポイントで決まった。
スローモーションでくずれおちるマナツ。
前田も、倒れてる一同も、唖然とする。
マナツは、そのまま起き上がってこなかった。