マジすか学園2☆ #11ー10
五階から六階へと続く階段を、一段、また一段、必死の思いで上る前田。
苦痛に顔を歪めながら。
体力は、とうに限界を幾度も、越えていた。
下のほうから、駆け上がってくる足音。
パタパタとー。
メイド服を着た少女が、見えた。
「カナ…?」
「お姉さまー!」
二階を守護していた、親衛隊十人衆のひとり、平松カナだった。
お姉さまという呼び方に、違和感を覚えたがー
「チームホルモンの皆さんは、全員、無事ですよー。いま、わたしの部屋で、休んでもらってます。ゲキカラさんは…」
「どうしたの!?」
「シノブは倒したんですが、身体の損傷が激しく、出血も多かったので、救急病院に搬送しました。魔法の薬も塗っておきましたので、大丈夫だと思います。いえ、大丈夫です!」
カナは、きっぱりと断言した。
「そっか。ありがとう」
ほっとする前田。
「お姉さまも、つらそう…。これ、飲んでください。もきゅ」
怪しげなドリンク瓶を手渡すカナ。ラベルには、髑髏マーク。
とりあえず、口をつけてみる前田。苦っ!とつぶやく。
「やっぱり、お姉さまのお役に立ちたくて、来ちゃいました。六階は、親衛隊十人衆の小木曽汐莉のテリトリーです。汐莉は真面目だから、話せば、わかってくれるかもしれません。そうすれば、お姉様も闘わなくても…」
「心強いよ…カナ」
「もきゅ」
そうして
二人は、六階の扉の前まで来た。
前田は
精気が漲ってきたような気がしてきていた。
ガチャリ
「えっ?」
戸惑うカナ。
「お前は…」
「やっほー!」
部屋の中央で、ニコニコと満面の笑顔で、待っていたのは、
元特攻隊長の向田マナツも一目置いている、
親衛隊十人衆のひとり
須田アカリであった。
「どうして…アカリが、ここに?」
九階にいるはずなのにー
いかつい
黒の特攻服ー
親衛隊十人衆の証
ーを身につけ、実力は、親衛隊十人衆史上最強クラスとの呼び声も高いが、笑顔は、とても、愛くるしいアカリだった。
「お留守番でーっす!」
#11『急襲!アンダーガールズ!二人だけの誓い』 終
苦痛に顔を歪めながら。
体力は、とうに限界を幾度も、越えていた。
下のほうから、駆け上がってくる足音。
パタパタとー。
メイド服を着た少女が、見えた。
「カナ…?」
「お姉さまー!」
二階を守護していた、親衛隊十人衆のひとり、平松カナだった。
お姉さまという呼び方に、違和感を覚えたがー
「チームホルモンの皆さんは、全員、無事ですよー。いま、わたしの部屋で、休んでもらってます。ゲキカラさんは…」
「どうしたの!?」
「シノブは倒したんですが、身体の損傷が激しく、出血も多かったので、救急病院に搬送しました。魔法の薬も塗っておきましたので、大丈夫だと思います。いえ、大丈夫です!」
カナは、きっぱりと断言した。
「そっか。ありがとう」
ほっとする前田。
「お姉さまも、つらそう…。これ、飲んでください。もきゅ」
怪しげなドリンク瓶を手渡すカナ。ラベルには、髑髏マーク。
とりあえず、口をつけてみる前田。苦っ!とつぶやく。
「やっぱり、お姉さまのお役に立ちたくて、来ちゃいました。六階は、親衛隊十人衆の小木曽汐莉のテリトリーです。汐莉は真面目だから、話せば、わかってくれるかもしれません。そうすれば、お姉様も闘わなくても…」
「心強いよ…カナ」
「もきゅ」
そうして
二人は、六階の扉の前まで来た。
前田は
精気が漲ってきたような気がしてきていた。
ガチャリ
「えっ?」
戸惑うカナ。
「お前は…」
「やっほー!」
部屋の中央で、ニコニコと満面の笑顔で、待っていたのは、
元特攻隊長の向田マナツも一目置いている、
親衛隊十人衆のひとり
須田アカリであった。
「どうして…アカリが、ここに?」
九階にいるはずなのにー
いかつい
黒の特攻服ー
親衛隊十人衆の証
ーを身につけ、実力は、親衛隊十人衆史上最強クラスとの呼び声も高いが、笑顔は、とても、愛くるしいアカリだった。
「お留守番でーっす!」
#11『急襲!アンダーガールズ!二人だけの誓い』 終
マジすか学園2☆ #11ー9
「六本木と言えば、キャバクラだよねー」
「どんな認識なんだよ!まあ、わからなくもないけど」
「あ!でも、一回キャバ嬢やってみたいかも」
「お前ら、勝手に、体験入店でも、行ってこい!」
昭和、ライス、ジャンボの浮ついた態度にキレるアニメ。
六本木にあらわれた、ラッパッパの四人組。
時刻は、そろそろ、零時を過ぎようとしていた。
「冗談だって」
と、アニメのご機嫌を伺うジャンボ。
「おれは、別に、未来予知を信じたわけじゃねえ。ただ、おれたちの渾名とラッパッパの名前を出されて、引き下がることができねーってだけだ!」
六本木の魔女の占いの件である。
「そうだよな。占いが嘘だとしたら、おれたちのことを知ってる誰かってことになるもんな。占いが本当の場合もあるけど」
「その両方というケースもある。とにかく、慎重にいくぞ」
「もし、そうだったら、手が込んでるな」
アニメと昭和が、そのようなやりとりをしているうちに、一行は、ケータイに記された住所にたどり着いた。
六本木の魔女の館は、裏通りのさびれた場所にあった。
店内の明かりは消えていた。
「閉まってんじゃん!」
と、ライスが言うと、店内の照明と、店外の看板が、同時に点灯した。四人を待っていたかのように。
「歓迎されてるみたいだな」
アニメが
先頭をきって
ずかずかと店内に踏み込む。
三人が、それに続く。
「ようこそ…魔女の館へ…」
漆黒の衣に、身を包んだ女性が、テーブルの向こうに座っていた。顔が半分フードで隠れているが、雰囲気は、美人だった。
「ラッパッパの皆さんですね」
「おれたちのこと、知ってるのか?」
アニメが、鋭く、訊いた。
「よく、存じ上げております。とりあえず、あなた方には
死んでいただきましょう」
そう言って
魔女は、歌うように笑った。
と、同時に
奥の扉が、開いた。
「どんな認識なんだよ!まあ、わからなくもないけど」
「あ!でも、一回キャバ嬢やってみたいかも」
「お前ら、勝手に、体験入店でも、行ってこい!」
昭和、ライス、ジャンボの浮ついた態度にキレるアニメ。
六本木にあらわれた、ラッパッパの四人組。
時刻は、そろそろ、零時を過ぎようとしていた。
「冗談だって」
と、アニメのご機嫌を伺うジャンボ。
「おれは、別に、未来予知を信じたわけじゃねえ。ただ、おれたちの渾名とラッパッパの名前を出されて、引き下がることができねーってだけだ!」
六本木の魔女の占いの件である。
「そうだよな。占いが嘘だとしたら、おれたちのことを知ってる誰かってことになるもんな。占いが本当の場合もあるけど」
「その両方というケースもある。とにかく、慎重にいくぞ」
「もし、そうだったら、手が込んでるな」
アニメと昭和が、そのようなやりとりをしているうちに、一行は、ケータイに記された住所にたどり着いた。
六本木の魔女の館は、裏通りのさびれた場所にあった。
店内の明かりは消えていた。
「閉まってんじゃん!」
と、ライスが言うと、店内の照明と、店外の看板が、同時に点灯した。四人を待っていたかのように。
「歓迎されてるみたいだな」
アニメが
先頭をきって
ずかずかと店内に踏み込む。
三人が、それに続く。
「ようこそ…魔女の館へ…」
漆黒の衣に、身を包んだ女性が、テーブルの向こうに座っていた。顔が半分フードで隠れているが、雰囲気は、美人だった。
「ラッパッパの皆さんですね」
「おれたちのこと、知ってるのか?」
アニメが、鋭く、訊いた。
「よく、存じ上げております。とりあえず、あなた方には
死んでいただきましょう」
そう言って
魔女は、歌うように笑った。
と、同時に
奥の扉が、開いた。
マジすか学園2☆ #11ー8
運命のような偶然だった。
救急車のサイレンに集まる野次馬のひとりのはずだったのに。
「誰が…やりやがった…」
ジュリナの目の前には、担架に載せられ、救急隊に運ばれる、凄惨としか言いようのないサドの姿があった。
手中にある、たまたま、拾った黄色いレモンを、自然と、握りつぶしていた。
「うああああああ!」
絶叫ー
「ああああああ!
またか!また、いなくなるのかよ!」
遠い過去の記憶が、フラッシュバックする。
心臓が早鐘のように、鳴り響く。
喪失感ー
ジュリナは、その場から、走り去った。
「ああああああ!」
半狂乱の叫び。
トラウマの再来ー。
「シノブに続き、ユイまでも…。どうして、最後、前田の攻撃が、かわせなくなったんだ?」
新宿本部ビル司令室では、怒りで、爆発寸前のアカネがいた。
「人間は、考えてもいないことをするから、恐ろしい…と民話の中の妖怪サトリは、言ったそうですが…。彼女も同じような思いだったことでしょう…」
マサナの返しの冷淡さに、苛立ちを募らせる。
「わかったようなことを、言うじゃねーか」
「わたしは、心は読めませんが、唇の動きを読むことができます。いわゆる、読唇術というものです」
モニターは、映像のみで、音声までは届かない。
「マッドサイエンティスト様は、そんな芸当も、お持ちでしたか」
アカネが、茶化すように、言った。
「フフフ…最後は、前田の心が読めなくなったようです。そして、幻の左の名は、“龍神”と言うそうですよ」
「“龍神”か…。今回もはっきりとは見えなかった…。一度、見てみてーな。目の前で…。そういえば、小木曽と石田の姿が見えねーんだけど。それと、十階の奴は、いつ日本に帰ってくるんだ?」
「フフフフ…」
「笑って、誤魔化すんじゃねーよ!」
いきりたつアカネ。
「お仕事ですよ。
あ、ちょっと失礼…。研究室(ラボ)から呼び出しが…」
内線の呼び出し音を聞き、
マサナは、そそくさと司令室を出て行った。
「ったく、読めねー奴だ…」
サトリの能力を羨むアカネだった。
救急車のサイレンに集まる野次馬のひとりのはずだったのに。
「誰が…やりやがった…」
ジュリナの目の前には、担架に載せられ、救急隊に運ばれる、凄惨としか言いようのないサドの姿があった。
手中にある、たまたま、拾った黄色いレモンを、自然と、握りつぶしていた。
「うああああああ!」
絶叫ー
「ああああああ!
またか!また、いなくなるのかよ!」
遠い過去の記憶が、フラッシュバックする。
心臓が早鐘のように、鳴り響く。
喪失感ー
ジュリナは、その場から、走り去った。
「ああああああ!」
半狂乱の叫び。
トラウマの再来ー。
「シノブに続き、ユイまでも…。どうして、最後、前田の攻撃が、かわせなくなったんだ?」
新宿本部ビル司令室では、怒りで、爆発寸前のアカネがいた。
「人間は、考えてもいないことをするから、恐ろしい…と民話の中の妖怪サトリは、言ったそうですが…。彼女も同じような思いだったことでしょう…」
マサナの返しの冷淡さに、苛立ちを募らせる。
「わかったようなことを、言うじゃねーか」
「わたしは、心は読めませんが、唇の動きを読むことができます。いわゆる、読唇術というものです」
モニターは、映像のみで、音声までは届かない。
「マッドサイエンティスト様は、そんな芸当も、お持ちでしたか」
アカネが、茶化すように、言った。
「フフフ…最後は、前田の心が読めなくなったようです。そして、幻の左の名は、“龍神”と言うそうですよ」
「“龍神”か…。今回もはっきりとは見えなかった…。一度、見てみてーな。目の前で…。そういえば、小木曽と石田の姿が見えねーんだけど。それと、十階の奴は、いつ日本に帰ってくるんだ?」
「フフフフ…」
「笑って、誤魔化すんじゃねーよ!」
いきりたつアカネ。
「お仕事ですよ。
あ、ちょっと失礼…。研究室(ラボ)から呼び出しが…」
内線の呼び出し音を聞き、
マサナは、そそくさと司令室を出て行った。
「ったく、読めねー奴だ…」
サトリの能力を羨むアカネだった。