#12ー6☆
それはー
とても
傍若無人な攻撃だった。
すべて
滅びてしまえばいいー
生徒会長、峯岸みなみの攻撃は、恐ろしく迅く、重く、正確なものだった。
愕然としていたのは、ほんの束の間ー
どうしてよいかわからない前田は、終始、受けにまわらざるを得なかった。
これは、夢なのだろうか?
いま、自分は、何をしているのだろう?
どうして?
なぜ?
わからない…
ただ
ひとつ、確かなことは、目の前の人物が
紛れもなく、峯岸みなみ本人であるということだけだった。
それが、却って、前田を苦しめていた。
「フフフフフ…素晴らしい!素晴らしいですよ!峯岸みなみ!あの前田を圧倒しているではありませんか!」
「………」
マサナの嬉々とした様子とは、対照的に
無言のアカネ。
「どうしました?前田敦子vs峯岸みなみ。助けにきたはずの者と、闘うことになる悲劇…フフフフフ。まさに悪夢!苦しみなさい!前田!苦しめばいいのです!クハハハハハ…」
「つまんねーな」
ぽつりと、アカネがつぶやく。
「つまらない?こんな楽しいショーは、めったに見れるものではありませんよ!須田に、あっさり前田が敗れるのを見るより、何倍も、楽しいではありませんか!これで、多少は、溜飲が下がるというもの!ククク…」
「実験が、うまくいったことが、そんなに嬉しいのか?」
一瞬、真顔になるマサナ。見透かされるのは、好きではない。
「洗脳ー。臨床例が少なく、実用化はまだまだですが…。先程、ついに、人間の脳の未知の領域に踏み込むことができました。前田を憎み、自らの身体能力を極限まで高めるように、と。実験は成功と言えましょう。わたしは、神に一歩近づいたのです。フフフ…フハハハハハ…」
(狂ってやがる…)
アカネは、苦々しい表情で、唾を吐き捨てた。
#12ー5☆
「辻斬りかよ?」
大場ミナが、呆れる。
ミナの眼前には、黒い木刀を中段に構えた、黒い特攻服のー
親衛隊十人衆がひとり、石田アンナが、いた。
アンナの
まともに、くらえば、骨は折れ、砕けてしまうくらいのー
打ち込みは、無差別に、敵味方容赦なく、降り注いでいた。
ミナも、数回、その災難にみまわれた。
アンナが、木刀の先をゆらゆらさせながら、打ち込む機会を狙っている。
「剣道三倍段って、知ってマスカ?」
「おれは、三段腹じゃない!」
アンナとミナの噛み合わないやりとり。
「大丈夫?ミナ!会話が、上滑りしてるよ。頭、打たれすぎた?」
アンダーガールズ残党の攻撃を、すいすい、かわしながら、ミナと背中合わせのようになるスズラン。
ミナは、頭に、一度も、攻撃を受けてはいなかった。
「剣道三倍段ってのは、柔道や空手なんかと同じ段位を持ってたとしても、武器を持った剣道の有段者のほうが三倍すごいっていう話。信憑性はないけどね。ただ、そいつの“突き”にだけは、気をつけて」
「なるほど!さすがスズランだ!」
アンナは、ノーモーションで、突きを繰り出してきた。
速い。
目にも止まらぬ速さー
「ぐふっ!」
ミナのみぞおち近くに、アンナの木刀が突き刺さった。
崩れ落ちるミナ。
「ミナ!」
「大丈夫だ!そっちこそ、油断すんなよ!」
「わたしが油断するわけないでしょ!バカ!だから、言ったのに!バカ!」
「バカバカ言うなよ!」
「バカだから、バカって言ってんの!」
ラブコメの恋人同士のようなやりとりを交わすミナとスズラン。
戯れ言に業を煮やしたアンナは、木刀を振りかぶり、「死んでもらってもイイデスカ?」と、スズランの頭を狙う。
「くっ!」
スズランをかばい、背中で木刀を受けるミナ。
「バカ!」
「スズラン…。時間がもったいねー!頼むぜ…。いつものやつ…」
「了解!」
スズランのIQ180の頭脳が、フル回転する。過去のデータ、現在の状況、それらを瞬時に分析する。
「3、2、8だよ!ミナ!」
「サンキュー!スズラン」
ミナが、
木刀を再び振りかぶっている、アンナの懐に飛び込む。
迅いー
ミナの右の鉄拳が、アンナの左わき腹にクリーンヒットした。
「ぐほっ!」
悶え苦しむアンナ。
「さあ、鉄拳制裁の お時間だぜ!辻斬り野郎!」
ミナのさらさらの長い髪が、冷たい夜風になびいていた。
一方
「ぐはっ!つ、強い…」
親衛隊十人衆の汐莉が、裏切り者の元特攻隊長マナツの前に、ひれ伏していた。
手も足も、出せずに。
「その程度では、前田の足元にも及びませんね。わたしとあなたとの、格の違いが、見えましたか?
ああ…見えませんでしたか…
速すぎて…」
マナツの
やわらかな微笑が、行き交う車のヘッドライトに照らしだされた。
大場ミナが、呆れる。
ミナの眼前には、黒い木刀を中段に構えた、黒い特攻服のー
親衛隊十人衆がひとり、石田アンナが、いた。
アンナの
まともに、くらえば、骨は折れ、砕けてしまうくらいのー
打ち込みは、無差別に、敵味方容赦なく、降り注いでいた。
ミナも、数回、その災難にみまわれた。
アンナが、木刀の先をゆらゆらさせながら、打ち込む機会を狙っている。
「剣道三倍段って、知ってマスカ?」
「おれは、三段腹じゃない!」
アンナとミナの噛み合わないやりとり。
「大丈夫?ミナ!会話が、上滑りしてるよ。頭、打たれすぎた?」
アンダーガールズ残党の攻撃を、すいすい、かわしながら、ミナと背中合わせのようになるスズラン。
ミナは、頭に、一度も、攻撃を受けてはいなかった。
「剣道三倍段ってのは、柔道や空手なんかと同じ段位を持ってたとしても、武器を持った剣道の有段者のほうが三倍すごいっていう話。信憑性はないけどね。ただ、そいつの“突き”にだけは、気をつけて」
「なるほど!さすがスズランだ!」
アンナは、ノーモーションで、突きを繰り出してきた。
速い。
目にも止まらぬ速さー
「ぐふっ!」
ミナのみぞおち近くに、アンナの木刀が突き刺さった。
崩れ落ちるミナ。
「ミナ!」
「大丈夫だ!そっちこそ、油断すんなよ!」
「わたしが油断するわけないでしょ!バカ!だから、言ったのに!バカ!」
「バカバカ言うなよ!」
「バカだから、バカって言ってんの!」
ラブコメの恋人同士のようなやりとりを交わすミナとスズラン。
戯れ言に業を煮やしたアンナは、木刀を振りかぶり、「死んでもらってもイイデスカ?」と、スズランの頭を狙う。
「くっ!」
スズランをかばい、背中で木刀を受けるミナ。
「バカ!」
「スズラン…。時間がもったいねー!頼むぜ…。いつものやつ…」
「了解!」
スズランのIQ180の頭脳が、フル回転する。過去のデータ、現在の状況、それらを瞬時に分析する。
「3、2、8だよ!ミナ!」
「サンキュー!スズラン」
ミナが、
木刀を再び振りかぶっている、アンナの懐に飛び込む。
迅いー
ミナの右の鉄拳が、アンナの左わき腹にクリーンヒットした。
「ぐほっ!」
悶え苦しむアンナ。
「さあ、鉄拳制裁の お時間だぜ!辻斬り野郎!」
ミナのさらさらの長い髪が、冷たい夜風になびいていた。
一方
「ぐはっ!つ、強い…」
親衛隊十人衆の汐莉が、裏切り者の元特攻隊長マナツの前に、ひれ伏していた。
手も足も、出せずに。
「その程度では、前田の足元にも及びませんね。わたしとあなたとの、格の違いが、見えましたか?
ああ…見えませんでしたか…
速すぎて…」
マナツの
やわらかな微笑が、行き交う車のヘッドライトに照らしだされた。
#12ー4☆
前田は、七階に続く階段を進みながら、考えていた。
あまりにも、多くの仲間が、傷つき、倒れてきたことを。
尊い犠牲ー
皆、毅く、そして、勇敢だった。
仲間の気持ちに応えるためにも、絶対に、途中で倒れるわけにはいかない。
必ずや、傷つき、捕らわれている仲間たちを助けだす、と。
あらためて、前田は、心に誓うのだった。
七階ー
重々しい扉を、開ける。
ガチャリ
室内にはー
黒の特攻服の少女がひとり。
なぜか
見覚えのある顔。
「遅かったな。前田」
聞き覚えのある声。
前田は、頭の整理がつかないー
混沌ー
足元が、ぐらつく
口をついて出た言葉は
ただ、ひとこと
「生徒会長…」
黒の特攻服を着た峯岸みなみは、戦闘態勢に入って、こう言った。
「前田!いざ勝負!」
あまりにも、多くの仲間が、傷つき、倒れてきたことを。
尊い犠牲ー
皆、毅く、そして、勇敢だった。
仲間の気持ちに応えるためにも、絶対に、途中で倒れるわけにはいかない。
必ずや、傷つき、捕らわれている仲間たちを助けだす、と。
あらためて、前田は、心に誓うのだった。
七階ー
重々しい扉を、開ける。
ガチャリ
室内にはー
黒の特攻服の少女がひとり。
なぜか
見覚えのある顔。
「遅かったな。前田」
聞き覚えのある声。
前田は、頭の整理がつかないー
混沌ー
足元が、ぐらつく
口をついて出た言葉は
ただ、ひとこと
「生徒会長…」
黒の特攻服を着た峯岸みなみは、戦闘態勢に入って、こう言った。
「前田!いざ勝負!」