AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -200ページ目

#12ー9☆

(ぶええええええん!)

この泣き声は、生徒会長だー

また、泣いてるのかー

泣き虫だなー


あれ?わたし、どうなったんだっけ?

……


前田が、ふと、目を開ける。

頭が痛い。

体を起こす。

目の前にはー

「生徒会長…」

いかつい黒の特攻服を身につけ
立ちつくす峯岸の瞳からは、涙が、とめどなく、こぼれ落ちていた。

様子が変だ。


聞こえる。泣いている声が。ぶええええええん、と。
口には出さないが。心が、全身が、泣いていた。


「前田…倒す…前田…倒す…」

熱にうかされたように、繰り返す言葉。
呪文のようにー

脳内で、“前田を憎め”という命令と、それを拒む気持ちが、せめぎ合っていた。

「倒す…前田…前田…前田…あああああ!」

半狂乱で
殴りかかってくる峯岸。その右腕を、前田は、両手で、しっかり受け止めた。

「生徒会長!負けるな!頑張れ!マジ女の生徒だろ!」

「うわあああああ!」

手を振りほどこうとする峯岸。

「生徒会長ー!」


助けてー

助けて、前田ー

瞳の奥が、叫んでいた。

「生徒会長!勝て!マジになれ!」


震える峯岸の身体を、強く抱き寄せる前田。震えを止めるように。

「わあああああ!」

絶叫する峯岸。
後悔の念が爆発する。

許してー

前田、ごめん…


「大丈夫!大丈夫だから!」

暴れる峯岸を、強く、全身で抑える前田。


「うぅ…ん」

突然、
峯岸は、がっくりと、うなだれて、意識を失ってしまった。

「生徒会長!生徒会長ー!」

前田が、必死で呼びかける。いまを逃すと
もう戻ってこないような気がした。永久にー。

「生徒会長!生徒会でもなんでも入ってやる!副会長だってなんだってやる!だから…

だから…戻ってきて…」
さらに強く、抱きしめる。

祈る前田ー。






数瞬後


うっすらとー


峯岸の目が、開かれた。
「ん…?前田?」

目をこすりながら、峯岸は意識を取り戻した。

「生徒会長!大丈夫!?」

「前田…助けに来て…くれたんだ…?」

前田の顔を見て、安心したのか、
いきなり
ぶえええええええん、と声に出して、泣き始める峯岸。憑き物が落ちたかのように。屈託のない泣き声。

「なん、か、すごい、怖い、夢、見て…」

泣きじゃくりながら、話す。夢だったと思ってるらしい。

「な、なんか、前田、と、た、闘って、て…ぶえええん」

「わかった。わかったから…」

よかったー
いつもの峯岸に戻っていた。

前田は、今度は、やさしく、峯岸を抱きしめた。

「よかった…」

前田の目からも、涙がこぼれた。


ひとしきり、峯岸が泣き続けたあとー

「そういえば、さっき、前田が、生徒会に入ってくれるって、言ってたような…あれも、夢だったのかな?」





「ゆ、夢だと思う」


視線を泳がせる前田だった。






【#8】

#12ー8☆


六本木

魔女の館ー


「死んでいただきましょう、だと!?」

テーブルの向こうの魔女の言葉に
アニメが、ふざけるな!と詰め寄る。

「逆に…死んでいただきましょう」
魔女は、態度を変えずに言う。

「逆に?」
ジャンボが、聞き返す。


「逆の意味で…死んでいただきましょう」


「逆の意味で?」
昭和が、また、聞き返す。


「いい意味で…死んでいただきましょう」

「いい意味で?」
ライスが、もう、わけもわからず、聞き返す。


「お、思い出した…。ずっと、魔女って言葉が気にかかってたが…」

アニメは、魔女の言動を目の当たりにし、疑惑が確信に変わったらしい。

「昔…ラッパッパに、いたずら好きな先輩がいたことを…。当時、副部長だった、そのひとは、得意の占いで、未来を予知することが出来、ラッパッパ隆盛の一時代を築いたという。そのひとの渾名が……魔女」

「ほほほ…。昔と言っても、卒業して、まだ、十年も経っては、いませんけどね…」

魔女の言葉は、アニメの推理を肯定していた。

顔にかかるフードを、しなやかな仕草で、取り払う魔女。
漆黒の長く真っ直ぐな髪。艶やかな切れ長の瞳。美形。


「し、失礼しました!梅田先輩!」

アニメが、土下座し、頭を床にこすりつけた。

ジャンボ、昭和、ライスも、それに倣った。


「頭を上げなさい。さて、何から話せばよいでしょう…。マジ女のOG会の意向は、『子供の喧嘩に大人が出るのはいかがなものか』ということなので、表立って協力することはできません。また、するつもりも、ありません。故に、回りくどい招待になってしまいましたが…」

魔女ことー梅田ハルカは、どこからか、タロットカードを取り出し、テーブルに広げ、シャッフルを始めた。

「マジ女の未来を、このタロットで占っていると、気になることがありまして…」

白く美しい指先で、順序よく、タロットカードを並べていく。裏向きでー。その中から、未来を示す位置に置かれた一枚を、表にする。

「やはり…」


〈悪魔〉のカード。


そのカードには、
悪魔をあらわす、図柄と、DEVILという文字が、描かれてあった。


「悪魔…?」

ラッパッパの四人が、息をのんだ。


魔女は、軽くうなずくと、最近起きた出来事から、現在起こっていること、また、近い未来に起こりうるであろうことを淡々と語り始めた。

そして
四人の役割をもー。


霊気溢れる奥の扉の、深遠な闇は、ぽっかりと口を開けたまま、来るべき者たちを、待ち構えていた。


未来は、変えることが出来るー

#12ー7☆

生徒会長、峯岸みなみ の猛攻は続く。

峯岸の顔には、殴られた傷が、残っている。それは、前田のケータイに送られてきた画像と一致する。

峯岸は、おそらく、操られているのではないかー決して正気で、こんなことをするはずがない。

できるとは思えない。

ましてや、アンダーガールズ親衛隊などであるはずがー

しかし、それでも
前田の苦しい状況に、変わりはなかった。


『クハハハハハ!どうですか、前田?助けに来た者に襲われる気分は…』
室内の右奥隅のスピーカーから、声が響いた。
六階のあの声ー

『わたしは、アンダーガールズ総参謀の大矢マサナです。いま、あなたと対峙している峯岸みなみは、偽物ではありませんよ。紛れもなく本物です』

駄目押し。

『洗脳を施されていますけどね。あなたを憎むように…。そして、人間の脳の未知の領域を使い、身体能力を極限にまで高めました。親衛隊の特攻服は演出でしたが…クハハハ!尻尾を巻いて逃げ出しますか?それとも仲間同士闘いますか?前田!地獄を味わいなさい!』


「洗脳…!?」

「死ね!前田!」

峯岸の右フックが、前田のこめかみを捉えた。

「うっ!」

倒れ込む。視界が揺れる。

畳みかけるように、峯岸の蹴りが、前田の顔面を襲う。
両腕のブロックの上からでも、衝撃が伝わる。


「生徒会長…」

前田の額から、血が流れる。

覚悟を決めるしかないのかー

苦悩する前田。


峯岸は、前田の胸ぐらをつかみ、顔面を殴って、殴って、殴った。

そして、壁に向け、投げとばす。
全身を強打し、壁に寄りかかる前田。

天井を見つめる。

「とどめだ!」

峯岸が、右の拳を振りかぶった。とどめの一撃。

「あああああ!」

雄叫びをあげ、前田は、それに合わせるように、右の拳を繰り出す。
(ごめん!生徒会長!)

クロスカウンター。

ぐしゃ

という音と共に、崩れて落ちたのは…


前田のほうだった。


打ちきれなかった…。

寸前で…。

止めた拳…。


「生徒…会長…」

薄れゆく意識のなか、最後まで、峯岸の身を気遣う前田だった。