AKB48G☆マジすか学園☆乃木坂46☆欅坂46☆櫻坂46☆日向坂46☆好きな 「かつブログ☆」 -168ページ目

マジすか学園3☆#4ー8☆

芝浦埠頭ー


「気合いの入ったええパンチや…、でも、その程度で関西人黙らすのは、無理やで」

ディーヴァ十二将の近藤リナが反撃に転じる。連続で拳を繰り出す高速ラッシュ。両手の拳がいくつにも見えるほどに。止まらない。
前田は、徐々に捌ききれなくなってくる。何発もの拳を、顔に受ける。

「くっ!」


「もっと、スピード上げるで」

リナの言う通り、更に、またラッシュスピードが上がる。どこまで上がるのか。


「ぐほっ!ぐは!」

全身に連続打撃を受け
前田が、ついにひざまずく。何本もの腕を相手にしている感覚。

しかし
それでも、前田の気力はおとろえない。眼光は鋭く、リナを睨みつけている。


前田とリナの闘いを、冷たく静かな眼差しと熱く激しい眼差しが見つめる。岸野リカとキノハルこと木下ハルナ。

「近藤の高速ラッシュは三段階あるんやったな…」


「そうやな…。前田…、受けきれるか?もっと燃えんと…、勝てんで」


「キノハル…お前は一体、どっちに勝ってほしいんや?」

岸野の皮肉めいた言葉に、キノハルは、揺るぎない瞳で断言した。


「もちろん…、強いほうや」




跪く前田を見て、

「ウチの高速ラッシュは、まだ、MAXスピードやないで…、マジ女の“てっぺん”の本気も、大したことないなぁ」

と、余裕を含んだ笑みのリナ。


鋭く烈しい視線をリナに突き刺し
立ち上がる前田。


(わたしは、逃げていた…、闘うことから…

でも、あいつは信じてくれていた…、いつも…

教えてくれた…
大切な何かを守る闘いがあるということを…

だから…

わたしは闘う…


だるま…、いくぜ…)


前田は、前髪を指で軽く払い、
両腕を交差し、上に掲げ、息をゆっくり吐き、腕を開きながら下ろしていき、腰の上のあたりで構えた。そしてー

そっと、瞳を閉じる。


「なんのおまじないや?」

「関西人は、口先ばかりなのか…?」

瞳を閉じたまま、挑発する前田。

「ふっ…、アイドリングは、終わった…MAXや!」

リナは、言い終わる前に、これまでで最高に早いラッシュを繰り出してきた。
拳の嵐に巻き込まれる前田。

しかし、リナに手応えはなかった。一発も。
さらに、リナの視界から前田は消えた。
リナのMAXスピードを見切る心眼と、それを超える前田の動き。


「前田!どこだ!?」


「ここだよ」

リナの背後に佇む前田が、そっと目を開く。


「なっ!?」

振り向くリナ。

「これが、マジ女の…」
前田の頭突きが、勢いよく、リナの顔面に打ち下ろされた。


「“マジ”だ!」

マジすか学園3☆#4ー7☆

「えっ!?何それ?超キモいんですけどー」


サドが危惧していた覚醒を果たした
トリゴヤの姿を見て
小馬鹿にする阿比留。その顔をおもむろに、右手で鷲掴みするトリゴヤ。

瞼を閉じる。


ほどなくして、目を開く。

「見えた…、アハ…」

相手や相手の持ち物に触れると、その相手の過去が見える。一種の超能力。

阿比留の両肩を引き寄せ耳元で何かを囁くトリゴヤ。
阿比留に異変が起こる。
触れられたくない過去が、阿比留の脳裏に渦巻く。思い出したくもない過去がー。


「うぅ…、わぁあああ!」

「オマエだ!オマエがやったんだ!オマエが!」


「いやああああ!仕方なかったのよ!わたしはわるくない!」

頭を抱え、わめき散らす阿比留。
過去のあやまちに、苛まれる精神。

後ずさる。

「はぁ…、はぁ…、何これ!?何をしたの?」


「何かしたのは、オマエだろ!非道いことを!」

完全な上から目線で、言い放つトリゴヤ。普段の口調とは真逆。

「それで隊長!?ウソだろ?笑える」

先ほどの意趣返し。



「なめないでよね!わたしは…その隊長になるために、何でもやってきた!汚いことはやりつくしてきた!地獄を見てきた!その気持ち、お前になんかわかるもんか!」


悪夢をふりほどく。
かなりの精神力の持ち主。
あくまで、邪魔をしようと
殴りかかってくる阿比留。
トリゴヤは、それをかわし、また、右手で阿比留の額を掴む。さらに深く、読む。

阿比留は、トリゴヤの腕を払った。

トリゴヤが笑い、消える。
倉庫内に響くトリゴヤの声。

「じゃあ、そろそろ、本当の地獄へ…、オ・カ・エ・リ」


阿比留の背中から、耳元に唇を近づけ、トリゴヤは、もう一度、何かを囁いた。「……」

阿比留の最も恐れるものをー。

一瞬の沈黙。

「きゃあああああ!あああああ!」

阿比留は、半狂乱となり暴れ始めた。

「来る!来る!きゃー!来ないでー!ぎゃああああ!」

何かが迫ってくる。恐ろしい何かがー。

阿比留には、耐え難いものがー。

頭をかきむしる。叫び続ける。

「いやあああああああ…」


バシッ!


トリゴヤが、阿比留の首筋を手刀で打つ。

阿比留は、がっくりと意識を失い倒れた。これ以上、放っておけば、間違いなく廃人になっていたであろうー。逃れることのできない恐怖の精神攻撃。

でも
トリゴヤは放ってはおけなかった。見えてしまったのだ。記憶の奥深く。阿比留が悪の道へ進む始まり。原動力がー。


「アンタも…、つらかったんだね…」

自分と重ね合わせる。


だからといって、何をしてもいいわけではない。
大事なものは、未来。自分自身の明るい未来のために。いまを“マジ”に生きること。


ふらつく頭をおさえるトリゴヤ。勝利の代償は小さくない。相手の悪意をすべて受け止めなければならない。精神的負担は計り知れない。

しかし、闘いは続く。


「R11倉庫か…」

“あのひと”の居所も、見えた。


パン!

遠くで

一発の銃声が…。


シブヤ、サド、ブラックも同時に聞く。


トリゴヤは、すぐに、走り出していた。


“あのひと”のもとへ

マジすか学園3☆#4ー6☆

ニューヨークシティ
ハーレム

H7倉庫ー


(サド…、ごめん…ね)

廃倉庫の埃や砂にまみれた赤いスカジャン。ラッパッパ旧四天王トリゴヤの戦闘服。トリゴヤは、一方的に殴られ、瀕死の状態で倒れている。


「だから、イヤだったのよねー。トリゴヤの相手は…。弱すぎてつまらないわー」

アンダーガールズ八番隊
隊長

阿比留リホ。

右で束ねた黒髪が揺れている。黒眼がちのかわいらしい瞳で
人差し指を口許に当て、典型的なアイドルを意識したしぐさで見下ろす。
汚いものを見るようにー。


(許して…)

………

物心がついたころには、もう、自分は、普通じゃないんだと、感じていた。


『こいつ気持ちわりー』『あっち行こうぜー』
『こわいよー!』

わたしの能力を知ると、皆、わたしを気味悪がり、恐れ、迫害し、最終的に離れていった。それも仕方のないことなのかもしれない。
だって、全部、見えてしまうのだからー。すべて。
善いところも、悪いところも。
わたしは、いつもひとり。
他人なんて、表面上は、いい顔をしていても、裏を返せば、ドロドロのグチャグチャだ。
吐き気がする。ウザイ。


でも、“あのひと”は違った。裏表のない真っ直ぐな性格。豪放磊落。


『すげーなー!そのちから!』

初めて、誉められた。


『一緒に、“てっぺん”目指そうぜ!』

初めて、頼られた。


『おめぇ、そのちから、あんまり使うと、あぶねーんじゃねーか!?』

初めて、心配された。



………


(わたしは…、“あのひと”のためなら、命を賭けてもいい…、マジになれる…、だから、変わるよ…また…、それが、わたしにとって…、ただひとつの答え…
許してね…サド)



「うらぁ!やる気あんのー!?それで四天王だったの?ウソでしょ!?アハハ!」

トリゴヤを足蹴に
阿比留が高笑いする。


トリゴヤは、自らの頭の中に、鳥小屋に閉じ込められたイメージをつくりだす。

助けてー

たすけてー

タスケテタスケテタスケテ…




思い出す。

壮絶という言葉では、言い表せないくらい激しかった
頂上戦争のことをー。

『てめーらのヤンキー魂はそんなもんか?ざけんじゃねーぞ!気合い入れろー!』

“あのひと”の檄。

また、あの戦場に、わたしはー




帰ってきた。




いつの間にか
阿比留のすぐそばに、異形の人影が、あった。

長い髪が、狂気に満ちた顔を半分覆い隠している。


「たーだーいーま」


トリゴヤが…、



覚醒した。