私は政治家という職業がきらいだ。
無駄にえらそうで、自己利益に執着するイメージが強い。
その調整能力が社会に必要とされていることは理解するが、個性が強すぎて、あまりお近づきになりたいとは思わない。
国民のためと宣いながら、公益をないがしろにし、しばしばウソをつく。
よって彼らが主役になる選挙には、できるだけ参加しないようにしている。
政治家が必要なくなる社会がやってくればいいのに、と心から思っている。
とはいえ現状、政治が経済に与える影響は大きいので、結果について考えることはある。
日本の衆院選やアメリカの大統領選といったビッグイベントについては、過去記事で若干の意見を述べている。
それを過ぎたいま、政治について語ることはしばらくないだろうと思っていた。
が、最後にちょっとおもしろい選挙があったので、ちらっとだけ書いておきたい。
兵庫県の知事選だ。
先日の日曜日、投開票が行われた。
まず経過と結果から、短くまとめておこう。
パワハラ疑惑などの告発文書で失職した前知事が、出直し知事選に出馬し、再選された。
この結果に、どうにも我慢できない人々の「意見」が、じつにおもしろい。
いや、おもしろいというか、ぶざまにも映る。
パワハラ野郎が再選されるなど、彼らにとっては許しがたい結果である。
「正気が狂気に敗れた」とか「政治的に無関心な」やつらのせいとか、そのコメントはあまりにもひどいように思われた。
自分たちの意見が敗れたら、相手の頭がおかしいせいにする。
自分たちのやり方がまちがっていたのではないか、ここが足りなかったのではないか、などと「反省」するのは二の次だ。
なぜなら、より正しいのは自分なのだから。
そう思っている側は、結果が意に沿わなかったとき、自分に落ち度があったのかよりも、卑劣な「相手のせい」にしようとする。
自分が言うのは良くても相手が言うのはダメ、という論法はADHDっぽい知人がよく使っている。
周囲の状況が見えない人と、自分を信じている人の行動は、ある意味よく似ているということだ。
たとえば前回の衆院選で、敗北した自民党がこの手のことを言ったら、彼らがどんな罵詈雑言で反応するか。
想像するだけで、ため息が漏れる。
国民が愚かだから選挙に負けた──なるほど、そうかもしれない。
だったら「民主主義」だの「国民国家」などという不完全な概念から撤退し、私のように隠棲するか、異なる戦いに身を投じるべきだろう。
ちなみに私は、この「内部告発」問題が出てきたときにも、ブログですこしだけ触れている。
たしか騒がれていた内容について、「政治家なんてそんなもんだろ」というようなコメントをした気がする。
内部告発を「通報された側」が裁くのはどうか、という点に疑問を呈した以外、なぜ騒ぎになっているのかわからない、という立場だ。
正直、怪文書に近い内容だったようにも思われる。
それでもマスコミは「知事けしからん」という論調を堅持した。
告発者が自死したことも、その要因かもしれない。
世論の流れは一様に知事に批判的で、以前彼を支持していた政党までもケツをまくった。
知事が交代するのは自明で、多くの政治家や議員たちもそちらの船に乗っかった。
ゆえにマスコミをはじめとする多くの人々が、この結果におどろいた。
オピニオンである自分たちのリードに、選挙民がNOを突きつけたことについて、とあるマスコミ人は自分たちの「敗北だ」とまで宣った。
私は個人的に、それこそが大問題だと思う。
マスコミ人さん、あんたいったい、だれと戦っているつもりなんですか?
オピニオンリーダーを自任する「自我の強い」人々は、自分たちの「扇動」をおびやかすすべてのものと戦うつもりなのかもしれない。
「多様な意見の存在」よりも、「自分の意見の優勢」のほうが大事──要するにそういうことだ。
内部告発の内容については、まだ結論は出ていない。
これからさらに詰めていくらしいが、多くの選挙民はこれが「でっちあげ」あるいは「些事」であると判断した、ということになる。
いずれにしろ、結果だれが得をするのかだ。
彼らが、新しい知事のほうが都合がいいと判断したのは、なぜか?
改革派である知事について行けない県職員や、不信任案を議決した議員、新たな候補を擁立した政党と、それを支持した市長などの守旧派。
彼らが知事に交代してほしいのは、そのほうが自分たちの利益になると判断したからではないか?
しかし有権者の多くは、その恩恵に浴せない。
そこで、与えられた情報から「どっちがマシか」を判断した。
元知事を排除したところで、もっとろくでもないやつが後釜に座るだけだ。
そう選挙民が判断したにすぎないのだろう、と私は思っている。
ここまで書いて、いいオチが思い浮かばなかった私は、chatGPTに意見を求めた。
すると彼は、即座に以下のような提案をくれた。
「そろそろ“政治そのもの”を見直す時期かもしれない。でも、たぶんそんな未来も遠い。だから今日も、私は政治に期待しない生活を続けていくことにする。」
私を代弁してくれるきみが、代わりに政治もやってくれないかな。
たぶん凡百の政治家より、AIのほうがナンボかマシだろうから。