ジャーナリスト 石川秀樹 -4ページ目

ジャーナリスト 石川秀樹

ちょっと辛口、時どきホロリ……。理性と感情満載、世の常識をうのみにせず、これはと思えばズバッと持論で直球勝負。
3本のブログとFacebook、ツイッターを駆使して情報発信するジャーナリスト。
相続に強い行政書士、「ミーツ出版」社長としても活動中。

★相続税の計算、アプリで楽々!! 実用レベルの使いこなし術
 

 

このアプリがなぜ注目されないのか、僕は不思議でなりません。

 

 

アプリ嫌いなので、今まで「アプリ」を推奨したことはありません。

しかしコレだけは強く推します。
相続税がきちんと計算できるアプリ!
しかも無料です。

 

 

相続人の総数ではなく、「配偶者がいるかいないか「他の相続人は何人いるか」で計算します。

そしてそれぞれの実際の相続した額によって算出。
もちろん財産の種類も、現金・預金、不動産、生命保険などごとに記入できます。

 

 

相続税のことをかじってない人にはこの話がどれほど「スゴイ特徴」なのかお分かりいただけないと思いますが、相続税においては「配偶者」は特別の存在です。
この配偶者を織り込むが否かで相続税額は一変するので、この辺を切り分けられるというのは大変なことなのです。

 

 

で、なぜ素人のあなたが相続税計算をする必要があるのか。
実際に計算しないと「相続税は公示されている税率(例えば1億円以下の遺産で30%)ほど高額にはならない」ということが得心できないからです。

そこのところがしっかり分かっていれば、余計な相続税対策に目がくらむこともなく、わずかな金を惜しんで大失敗相続をしてしまう、という愚をおかさなくて済むからです。

 

 

相続対策には、やっていい対策(やるべき対策)とやってはいけない対策があります。
はっきり言って、銀行などから借金をして(わざわざ借金するという手法がまかり通っていますが)する”対策”に、僕はしばしば首をかしげています。

少なくとも資産額2、3億円程度の人がそんなリスクを冒す必要はまったくありません。

 

 

正味の遺産額が3億円あっても、配偶者と子2人が法定相続分を相続する場合、相続税額は2860万円にすぎません。

 

 

ちなみに「3億円」にかかる相続税率は「45%(控除額2700万円」)です。

だからといって[3億円✕0.45-2700万円=1億800万円]かかるわけではないのです。

相続税の計算はややこしいのできょうは説明を省きますが、大多数の人がイメージする相続税額より、実際にかかる相続税ははるかに低いことは間違いのないことです。

 

 

といくら僕が口を酸っぱくしていっても、なかなかみなさん腑に落ちないようですね。
だからこそこのアプリを使って、実際に相続税を計算してみてください。
その上で、なお相続税対策をしたいと思うなら、ぜひ相続対策の専門家を訪ねてください。

(銀行、税理士、弁護士等のことではありません。相続対策の専門家です)

 

 

僕は正味の遺産額3億円までの家庭なら、「相続税対策」ではなく、きちんとした「相続対策」をしてもらいたいと思っています。
「節税」よりも「心の問題」。
ご家族の関係を問い直すことから始め、円満な相続をめざすべきです。

★借金まみれの遺産「全員で相続放棄」は意外に難しい!貧乏くじ引かせぬよう情報共有を
 

 

 

以前書いた「相続放棄とは──法定相続人の順位にも影響!! ただの「辞退」に非ず」と同じ問題です。

 

 

相続放棄をするとその人は「初めから相続人ではなかった」ことになります。

相続人だった人が突然、透明人間になってしまいます。
そこにいるのに姿は見えない。

この状態、相続では透明人間になってしまうというショック以上に親族に大打撃を与えることになります。

 

 

第1順位の法定相続人が全員透明になると、有無を言わせず民法は被相続人の両親を法定相続人にします。
「子(この人たちから見れば孫)がいるから私たちは相続に関係ない」と思っていた祖父母を、突然相続の場に引っ張り出すのです。

 

 

ところが目にした息子の遺産は大借金まみれ。
先立たれた上にそんな状況に追い込まれたら・・・・・。
と悲嘆に暮れている暇はない。
何しろ相続放棄するなら、「相続を知った時から3か月以内」にしなければならないのだから。

 

 

老骨に鞭打って、夫婦で家庭裁判所まで赴き相続放棄の手続き。

「やれやれ、なんとか間に合った」
とほっと一息つきたくなるのが人情だと思う。
でも本当は、相続放棄したのならそれを自分の子ら(被相続人の兄弟姉妹たち)に伝えてあげなければ、まずい。

 

 

第2順位の法定相続人だった自分たち夫婦が相続放棄をしたら、当然に第3順位のわが子たちが相続の矢面に立たされる。

いま私は「当然に」と書いたが、法的に当然にではあるものの、こんな相続の知識を正確に知っている人がどれほどいるのだろうか。
「常識」と言うにはあまりに”精妙”すぎる。
わかりにくいのだ!

 

 

相続人には順位があって
(配偶者は特別な存在で順位なしに常に相続人。ああ、わかりにくい)

順位ごとにもらえる分に差が付けられている。
順番があるからいつかもらえるのかと思えば、前の順位の者が1人でもいればお呼びがかからない、ただの人。
それなのに前順位者が相続放棄した途端に声がかかる。

 

 

『残り物に福がある』どころか、こんなときにお呼びがかかるんじゃあ、ろくなことではないというのが相場で、その通り。
相続人にされてみれば遺産は大借金だ!!

「第1順位も第3順位も締め切りは3か月なんてあんまりだ。第一、相続放棄したなんてこと、知らされてもいない」
と言いたくなって当然だ。

しかしそんな主張(というより嘆き)は一顧もされない。

 

 

「相続放棄」という決め事、危なすぎると思う。
意味を誤解している人が大勢いるに違いない。
だから大借金を遺す場合、第一に遺す者(被相続人)が相続人たちに仁義を切って頭を下げ、事前に(嫌な情報であろうと)借財を事細かに伝えておくべきだ。

 

 

次いで、先頭切って相続放棄する者は、「ああ、自分は助かった」ではなく、放棄する理由を推定相続人全員に知らせる義務があると、自分の責任を自覚しておくべきだ。

 

 

「相続放棄」は実に分かりにくい概念だ。
心してこの”常識”を心に刻んでおこう。

 

 

★「リア王」になる前に遺言書を遺す。老醜の私より今の私の方が人を幸せにできそう!
 

 

人は変わります。
いや、人さまはともかく私は、この頃我慢が聞かなくなってきました。

 

 

プツンと切れやすくなっているのを感じます。

歳を取ったこれからは、腹が立った、バカにされた、軽んじられたからと、その度に人を切っていったら、気がつけば”独り”なんてことにもなりかねません。

 

 

「リア王」は誰の心の中にもすんでいそうです。
若いころに比べて、明らかに物欲は減退してきました。
気に入った物以外は持ちたくなく、世の中にあふれる大半のモノには興味がありません。

人に対してもそうなりそうで、それはそれで『困ったことだ』と思い始めています。

 

 

こんな人間が財産を持ったらどうなるでしょう。
どうせあの世に持っていけるものはない。
だからみんな遺していくに決まっていますが、
例の頑固さ、好き嫌いが出てきたら、人を傷つけてしまいそうです。

 

 

今なら「理性」でもって、公平に人を判断することができます。
誰に何もどのように遺すかを決めなければならないとしたら、
10年後、20年後ではなく、間違いなく「いま」ですね。

 

 

猜疑心が膨らむ前に、遺言のおおもとは作っておこうと思います。

★超入門・お宅の相続で何が起きるか 「法定相続分」で分けてはいけない!
http://yuigonsouzoku.net/ultra-introductory-inheritance-problem/

 

このところ「相続税」について書き続けています。
「相続税」と書くと、この文字を見ただけで「関係ない」「資産家の話なんて読みたくない」とスル―されがちなんですが・・・・。

 

 

私が”資産家向けの話”なんか、書くと思いますか?

私の興味は自分と同じ「庶民の家庭の相続」にしかありません。

 

 

昨年から相続税の基礎控除額が40%も減額されたので、中の上クラスでも「相続税がかかるか、かからないか、ビミョーなところ」という人が増えてきました。

この層を狙って、さまざまな相続関連業界、金融・保険・不動産・各種士業・ファイナンシャル関係・・・・など、雨後のタケノコのようにさまざまな提案を行ってきています。
もちろん私も行政書士であり、この”業界”の端っこに存在しています。だから私も、正しいと思ったことは積極的に提案し、発信しています。

 

 

その中で「これは違うと思う」ということを言う人が出てきており、案外多くの人がそれを頭から信じているようなので、ひとこと言ってみたくなりました。

 

 

それは「夫が亡くなった1次相続で、配偶者の税額軽減の特例を使って妻が全財産を相続するようなことをすると、確かに1次相続では税が大幅減額されるが、配偶者がいない2次相続でかたきを取られ、1・2次合計ではかえって高くつく」という論です。

 

 

コレ、間違いではありません。
5億、10億円以上を持つ資産家に言うなら「その通り」。
しかし純資産1億、2億円くらいの”ちょい富裕層”に言うなら慎重でなければならない、と忠告申し上げたい。

 

 

自宅の不動産まで加えて1、2億のこの層は、必ずしも現金、預貯金をふんだんに持っているわけではありません。

加えて今は「100歳長寿時代」。
それも「寝たきりでも100歳長寿が不思議でない時代」ですよ!
まさかの大長寿の間に、老後資金は底をつくかもしれない。
介護が必要になったり、脳梗塞に見舞われずっと病院や施設にお世話になるかもしれない。
介護費、医療費、無料ではありません。

 

 

子に法定相続分を相続させる余力がありますか?
マイホームを相続するとその価値があまりに大きいために、現金・預金は子よりも少ない金額になることは必定!
なんで壮年期にいて自力で生きられる「子」に大金を持たせなければならないんですか?
持ってもらうべきは妻(子から見れば「お母さん」ですよ)!

 

 

それを数字バカは”現場”を見ずに、「資産家さんたちは専門家がついているので1次相続、2次相続のからくりを知っている。しかし相続税がかかるかどうかの家庭では(専門家がついていないから)この話を知らない。だからもし機会があればアドバイスしてください」なんてことを言ってしまう。

 

 

話はあべこべです!!

 

 

配偶者の取り分を減らしてでも2次相続に備えるべきは「大資産家」の相続。
「プチ富裕層」の相続では、配偶者にグッと厚めに相続させるべきです。
目先の相続税を減らしたいためじゃない、
配偶者に安心できる老後を過ごしてもらうために!

★「尊厳死宣言」より有効です、延命に対する私の「事前指示書」!!
http://yuigonsouzoku.net/my-advance-directives/




どのような状況なら「延命」を望まず、静かに死を受容したくなるでしょうか。
「尊厳死宣言」のような居丈高な物言いでなく、謙虚に死を迎える覚悟について書きたいと思いました。



私を生かすため懸命に英知を絞り努力してくださっている医療や介護現場の人たちにも納得してもらえる”お願い文”。
「事前指示書」というと無味乾燥な感じがありますが、「こういうときにはこうしてください」と、あらかじめ病院側に伝えておく文書です。









「延命措置」をするかどうかということは、患者の一存で決めることは難しそうです。
必ずしも患者の判断は正しくないし、かと言ってお医者様任せではまさかの「寝たきり(なのに)100歳まで長生き」にさせられないとも限りません。
そこで「尊厳死宣言書」などを書く人も出てくるわけですが、
僕にはどうにもなじめない。
宣言が末期がんほかの「重篤な病」の最後に限定されているのが引っ掛かります。



いま「延命」の是非を論じなければならないのはソコではない、と思うんです。
実際に末期の病気にかかっているとしましょう。
「最後はバタバタと救命措置などせずに、静かに死なせてほしい」と言っておけば、それを配慮してくれる時代になってきています。



本当に問題なのは、そういう分かりやすい場面ではありません。
なし崩し的に「延命措置をされてしまう(しまいかねない)」
老化に伴う病気の場面です。
これがまだ、意外に論じられていません。
それで一石を投じるために、自分用の「事前指示書」を書いたわけですが。




すでに意識をまったく失い、意思能力もなく、家族や近しい人たちの存在も認識できないような危篤状態においては「経管栄養」は不要です。
また一時的に危機が去った場合でも、意識レベルが回復する可能性なく低下するばかりであることが予測される場合は、経管栄養を施さないでください。
すでに経管措置をしている場合でも、意識のない状態が長く続く場合には挿管を中止し、静かに死なせてください。




以上が私の老後、鼻からチューブを入れて栄養を摂る状態になったとき、そしてその状態が長く続く場合にしてほしいことのすべてです。
しかし最後の最後、自分の死をどのタイミングで受け入れる(医療側からすれば経管栄養法をやめる)かについては、最終の決定権を家族に委ねることにしました。
理由は────





最後の最後で私は、私の生死に関する最終決定権を家族に委ねました。
もちろん自分の意思、わがままを貫き通すことはできます。
しかし、家族の想いはもしかするとほかにあるかもしれません。



事実、家内がこのような「指示書」を残した場合、私は相当に悩み考え抜くと思います。
本当に死期が迫っており、生きている状態を保つ方が苦痛が大きい場合には彼女の選択を「是」とするかもしれませんが、
意識としては明確なものがなくても、ふたりの間に魂がなお触れ合っている感覚がある場合には、私は”家族”として彼女の事前指示書を認めないでしょう。



そういう感覚があるために、最後は家族にお任せしようと思った次第です。
(最後の4段落は本文から抜粋)