猛将親父 〜第117話 毛利軍動く〜 | 歴史を感じよう

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日本史について感じたこと、調べたことを連載形式で書いていきます。また、神社やお寺、史跡巡りしたこと、プロレスについても書いていきます。わが愛犬てんのことも語っていきます。そして…「オイラ、えいたろうの相棒のコアラだよ。是非読んでね。」

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目次




天下を競望せず…

わしは吉川元春(きっかわもとはる)の三男、広家(ひろいえ)です。



織田(おだ)方であった別所長治(べっしょながはる)、織田裏切り播磨の三木城(みきじょう)に籠城!

別所長治


その報せを元春は日野山城(ひのやまじょう)で聞いた。



元春「ついに動いたか…弥助(やすけ)、弥助はおるか?」


忍びの弥助がやってきた。


弥助「はい。」


元春「これより毛利(もうり)は殿(輝元のこと)を総大将に播磨に進軍する。気がかりは宇喜多直家(うきたなおいえ)。」


弥助「宇喜多を見張るのですね。」


元春「うむ、いつ裏切るかわからぬ奴だ。頼むぞ。」




別所長治籠城の報せを知った織田方の羽柴秀吉(はしばひでよし)は姫路城(ひめじじょう)にいた。


秀吉「やはりか…先の加古川での評定で長治の叔父、吉親(よしちか)と口論してしまったから、もしやとは思っていたが…」


そこへ秀吉の軍師である竹中半兵衛(たけなかはんべえ)が来た。


竹中半兵衛


コアラ半兵衛さんは秀吉さんの才を見抜き、信長さんより秀吉さんに仕えたんだよね。でも、この頃は病になっていたんだ。



半兵衛「秀吉様…」


秀吉「半兵衛!病が悪化しておるのであろう。横になっておれ。」


半兵衛「この一大事。寝てなどおれませぬ…別所のみならず毛利が攻めてきます。」


秀吉「確かに、我らは別所と毛利に攻められしまう。」


半兵衛「別所が三木城に籠城。まずは三木城周辺の支城を落とし西国街道を確保しなければなりませぬ。」


秀吉「西国街道か、その上で信長(のぶなが)様に援軍を依頼しよう。」


半兵衛「毛利がこちらに来ぬようにするために宇喜多を味方につけるのです。そうすれば毛利は背後に宇喜多をつけるのを嫌がり進軍できぬはず。」


秀吉「なるほど、では黒田官兵衛(くろだかんべえ)に調略を…」


半兵衛「すでに官兵衛は動いておりまする…ゴホッゴホッ!」


秀吉「大丈夫か⁉︎半兵衛、そなたの策で進めていく。後はわしに任せておけ。」



天正6年(1578年)3月、羽柴軍は三木城の包囲を開始し、周辺の支城のひとつ野口城(のぐちじょう)を落とした。







毛利は吉田郡山城(よしだこおりやまじょう)が輝元(てるもと)が、日野山城(ひのやまじょう)から元春が、三原城(みはらじょう)から小早川隆景(こばやかわたかかげ)がそれぞれ出陣していた。



毛利軍はまずは備中高松城(びっちゅうたかまつじょう)に入った。


備中高松城跡



備中高松城には宇喜多直家もやってきた。


直家「これは輝元殿、自ら御出陣とは頼もしい。」


輝元「そなたも知っておろう。播磨の別所長治が織田を裏切り、我らに通じてきたのだ。」


直家「そのようでございます。」


隆景「直家殿、ここは毛利と宇喜多で進軍し播磨並びに中国地方を侵攻している織田を追い出す好機ぞ。」



元春は何も言わず、直家をジッと見ていた。


直家「……宇喜多は行きませぬ。」


輝元「行かぬとはいかなることじゃ?」


直家「我が居城、石山城(いしやまじょう)から近いところにある上月城(こうづきじょう)は織田に付いた尼子(あまこ)勢がおります。これがいるのに石山城を留守にはできませぬなぁ。」


隆景「上月城はわずかな兵、この好機に構ってはおれませぬ。」


直家「宇喜多にとっては目障りな上月城。安心はできぬ。」




元春はゆっくり立ち上がり、




太刀を鞘から見せた。


元春「…ならば上月城を落としてみせましょう。」



その時、直家は元春の目に恐怖を感じていた…





つづく…



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