引き続き、特色選抜について…
今日は志願理由書の書き方のみについてお話させていただきます。
志願理由書への生徒さんたちの意識という点で私が感じているのは、
まだまだ学校への提出物のひとつくらいの感覚でしか捉えていないな、という印象。
一旦学校に提出して、先生の添削やアドバイスを受けてまた次の提出期限までに直したものを提出 する…そんな宿題感覚で志願理由書を作成しようとしているなら、特色選抜における合格内定は夢のまた夢。特色選抜などすっぱり諦めて一般入試対策に集中した方がいいと思います。
学校への提出期限なんてどうでもいい。
その間にどれだけ読み直し、書き直しをやれるか、これが重要なのです。
去年のある生徒さんの例を少しだけ紹介させていただきます。去年、大量の書き直しをした生徒さんなので、全てではありませんが私の手元にも大量のコピーが残っているので、その生徒さんがどんな意図で書き直しを重ねていったのかがよくわかります。
最初に学校に提出したものは、ある程度うまくまとまってはいますが、誰でも書けるような特徴のないものでした。
自分でそこに気づいたのか、私のアドバイスだったのかは忘れましたが、2回目に書き直したものは学校に提出したものと全く内容も違っていました。
3回目の書き直しでは、1回目と2回目のいいところのほとんどを入れ込もうとしたので、大幅に文字数がオーバーしてしまいました。
しかし、書きたい内容や、こんな志願理由書にしたい、というイメージはやっと確立した感じ。ここからいよいよ本格的な書き直しの作業の始まりです。
看護師を目指すきっかけとなった文を一例に、どんな風に書き直したかを説明しますね。
「私の母は看護師の資格を持っており、その姿を見て幼い頃から看護師という職業に魅力を感じていました。」
全然悪くないですよね?
でも、文章全体を短くまとめる必要がある。
そこで、
「私の母は看護師で、その姿を見て看護師という職業に魅力を感じていました。」
将来の目標を書くに当たって、その目標をもったきっかけは書いていいと思う、というか書いた方がいいけれど、こういった直接自己アピールをしていない文章は極力短くまとめる。そのぶん自分の魅力を伝える文章をもっと書ける。
次に、その高校に入学したいと思ったきっかけについて。
「貴校の高校見学に行ってから、その意識はいっそう強くなりました。」これが最初の頃の文章。
次、
「貴校の高校見学に参加させていただいてから、その意識はいっそう強くなりました。」
これが書き直し。行ってから…は上から目線の印象があり、高校への敬意がないと取られかねないので、言葉遣いを丁寧に。でも結果、文章としては長くなった。
なのでまた修正。
「貴校への高校見学をきっかけとし、その意識は更に強くなりました。」
短くもできたし、学校側に失礼もない。
こんな感じで…せっかく書けた良い文章のいくつかをばっさり削除することでスペースに収めるのではなく、文章全体のイメージを変えずに、余分なところを削ぎ落とすことで、極力書きたくて書いた内容は残す。
この作業を何度も何度も繰り返すんですから、そりゃ書き直した枚数も膨大になる。
それだけではありません。
真剣に向き合えば向き合うほど、書きたい内容も新たに浮かんでくる…
何度も書き直して、表現の仕方も考えに考えて仕上げた文章になったとしても、それより良いと思えた内容があれば、未練を断ち切って新たな内容と差し替えたりもする。
それによってまたスペースに対してはみ出したり、ちょっと不足したりする。
はみ出したスペースに対処するため、削りに削った文章を更に削れるか、考える。
なんだかもう、気の遠くなる作業なことだけは想像がつくのではないでしょうか??
ここまでやる意気込みが皆さんにありますか?
そしてもうひとつ。
この生徒さんは、こんな感じで志願理由書の書き直しを…うちの塾生さんの中でも過去最高と言えるほどやりながら、
その間に行われた下野模試の成績を30点以上アップさせているのです。
どれだけの努力をしたか、想像できますか?
もちろんこの生徒さんは特色選抜で合格しました。けれど下野模試の成績は最後までアップし続けたし、県立高校の一般入試の問題にも塾で挑戦して、合格ラインを50点以上も上回る点数を取って有終の美を飾ってくれました。
どこまでも、手を抜くということをしない生徒さんでした。
これくらい、やれる気概が持てないなら本当に特色選抜なんて受けない方がいいと思います。
もうひとり、こちらは数年前の生徒さんですが、やはり特色選抜の準備に誰より熱を入れていた例を紹介します。
この生徒さんのケースは特殊も特殊…
そもそも、特色選抜で入学したい高校に入るための学力が圧倒的に足りない‼
一般入試の点数で言ったら、優に100点以上足りない(>_<)
なので、そもそも一般入試は受けない(^_^;)
私立高校の受験で塾での勉強も終了、の予定だったのですが、どうしてもその県立高校への未練が断ち切れず、じゃあ特色選抜だけ受験してみようということに。
仮に特色選抜で合格した場合、その学力では入学してからが大変だろうというご意見も重々承知。この生徒さんなら大丈夫という確信がありましたからね。そこは細かい話になるので省略いたしますが。
しかし…
本当に本当に、その生徒さんはその高校に入りたかったのですね。そこからの努力たるや、物凄いものがありました。
まず、志願理由書の書き直しは先に紹介した生徒さんと同じくらいの回数を重ねました。
やり方は同じで、まずスペースなど無視して自分のアピールポイントをとにかく書きまくる。
そして内容は削ぎ落とさず、文字数を減らすという、例の途方もなく大変な作業。
面接練習も同様。塾での面接練習の回数はこの生徒さんが恐らく最多。
毎日毎日、誰よりも早く来て、二人で何度も何度も面接練習ですよ…。
まあ、私立の入試も終わって受験勉強も必要ないというレア中のレアケースではありますが、それにしたって誰もがこなせるレベルの練習量ではない。
しかも、家でも鏡に向かって練習、お風呂に入ってる間も練習…。ちと怖い( ̄□ ̄;)
まあ、そりゃ受かるよね、という労力の費やしかたではありましたし、実際見事合格してくれたのですが…
さすがに発表の報告来てくれたときは二人で泣きました(^_^;)
まあ勉強には苦労してるけど、高校行って自分の目標もしっかり見つけられたし、もう2年生も終盤だけどもちろんドロップアウトの可能性なんて皆無。頑張って合格してくれて良かったです。
レアケースなんで参考まで、ですがとんでもなく努力した例として挙げていいですね。
以上、両名ともに、(決して誇張でなく)その年の栃木県でいちばん努力をした2人をご紹介させていただいたわけですが、
全然違うように見える2人の共通点、それは
とにかく全てが志願理由書の作り込みから始まっているという点なのです。
これまたしつこくお話ししますが、
特色選抜の面接官である先生と受験する生徒さんは初対面。
どんな質問をしていくかのベースとなるのは、志願理由書という1枚の紙でしかない。
そこにどんな内容を盛り込むかで、面接の中身が大きく変わってくる。
だからまず、志願理由書を徹底的に作り込む…
これがものすごく大切なんです。
あとですね、もうひとつ、この2人の共通点。
他の誰でもなく、私を全面的に信用してくれたということ。
これは誤解して欲しくないのですが、私以外の誰の意見も聞くなと指導していたわけではないんですよ。
学校の先生の意見にもきちんと耳を傾けつつ、良いと思えた意見は取入れる。
だけど、最終的な決定は全て、生徒さん本人と私で納得したものにしていく、というスタンスを貫いたということです。
いろんな人の意見を聞くのはいいこと。
けれど、それらを全て採り入れていこうとすると内容に整合性がとれなくなりパニックになってしまう。
文章の変遷と、それに至ったストーリーを自分以外に知っている人はひとりで充分で、その人間の客観的な意見を参考にしつつ、自分の感性を最大限信じて作った文章こそが素晴らしいものになる。小説家と編集者の関係みたいなもの、というとわかり易いですかね。おー、たまに上手い喩えをするなと自画自賛(笑)
まあ、このブログを目にした生徒さんには
ここまでの覚悟があって特色選抜に臨めますか?
と問いたいですし、
目にした保護者様には是非お子さんに、
これくらいの覚悟を求めていただきたいと思いますねー。
志願理由書の書き方、というより
特色選抜に臨む意気込みについて、みたいな内容になってしまいましたが…
熱量は伝わったのではないでしょうか。
まだまだみんな甘いんだよね(^_^;)