勉強の「カタチ」③ | なすの学習塾 塾長のブログ 那須塩原市 学習塾

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日々の塾講師ライフでの出来事・気づきを徒然なるままに...


うちの塾は不登校の生徒さんも対象にしているので、平日の昼間、みんなが学校に通っている時間も教室を開けていることがあります。

ひとり、もう2年以上、学校には行けていないけれど塾にはずっと通ってくれている生徒さんがいらっしゃいます。

通い始めてくれた当初はなかなか話す話題もないし、何か聞いても答えてくれたりくれなかったり…最初からコミニケーションが上手く取れていたとは言えませんでした。

でも、その生徒さんと一緒に勉強している時間は最初から楽しかった。目的がものすごく明確だったから。
そう。その生徒さんは「勉強すること」だけを楽しみに毎回塾に来てくれているのが確信できた。そりゃそうですよね。勉強以外の話題は何もない中、勉強するのが嫌だったらうちに来る意味なんてないわけですから。

すごく私の解説をしっかり聞いてくれて、きちんと問題演習にも取り組んでくれるので、学校に通っている生徒さんと同じ内容を5教科3年ぶん、きちんと終わらせることができそうです。正直家で復習する習慣とかはないし、忘れてしまうことも多いけれど、
その時その時に学ぶべきことはきちんと学んでくれたと思います。よく頑張ってくれました。

高校を受験するかも自分の中ではっきり決まらず、じゃあ何のために塾で勉強しているの?
という疑問だって、自他共に持ってもおかしくない状況…
でもほんとにずっと、きちんと勉強してくれている姿を見ていて、私は
「これもひとつの勉強のスタイルなんだ」
ということをその生徒さんに教わった気がします。

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坂本龍馬が初めて富士山を見た時、こんなようなことを言った(らしい)。

「この富士山を見て、わくわくする者と何も感じない者とでは明らかに違う。私はこの富士山をの光景を後に思い出せないかもしれないが、この富士山を見た時に感じた感動は一生忘れることはないだろう」


そして前にもブログで紹介しましたが、
私の愛してやまない
太宰のこの名言…

「学問なんて、覚えると同時に忘れてしまっていいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが尊いのだ。」


正にこれなんです。

勉強すること=学力を上げる、志望校に合格する、えらい人になる…etc.

そんなもん、どうでもいいのです、本当は。
しっかり勉強する、ということにこそ意味があり、その瞬間こそが何より尊い。
そしてそれはきちんと勉強した人にだけ、将来の財産となりうる。

それを龍馬と太宰と、この生徒さんに私は教わった…。

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「これこそ勉強のカタチ」と言わず、
「ひとつの勉強のスタイル」と表現したのは、太宰はああ言ったけどやっぱり勉強したことは身に付いた方がいいかなとは思うから。

けれど、なんとなーくダラダラ学校での授業も流して受けていたり、塾でももう少しできるのになーと思わずにはいられない子を見ていたりすると、やっぱりこの不登校の生徒さんの方が、テストの点数では量ることのできない尊い時間を過ごしているよなーって心から思えてしまうんです。

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今ではいろんなことを聞ける・話してくれる関係になりました。表情もとても豊かになったし、相変わらず勉強はしっかりやってくれるし、益々楽しい時間が過ごせています。

ここまで打ち解けてくれた要因は、思い返してもよくわからないけれど、ひとつ言えるのは私が「不登校」の子を特別扱いしていないっていうのも大きいのかなって思います。
別に学校行けないなんて、ダメなこととも思わないですしね。ちょっとおとなしいとかうるさいとか、スポーツ得意とか苦手とか。スタバの抹茶フラペチーノが大好きとか。その子の個性として認識していればいいレベルのことであって、塾で勉強教えるにあたっては特に問題とすることでもない。むしろ誰もいないときに集中して指導できるし、学校で変な教わり方もしていないぶん理解度も高くもっていけるので、メリットの方が大きいくらい。
そんな感じで接していたから居心地も良く感じてくれたのかもしれません。本人には聞いてないので推測でしかないけど。

そんな風にコミニケーションが段々とれていく中で、なかなか話題にできなかった将来のことも、普段の会話の中でできるようになりました。
これを話題に出せるようになったのは、その子の趣味や得意分野などをいろいろ聞かせてもらっているうちに、
この生徒さんは今学校に行けていないけれど、それを心配しなくても大丈夫だ、と思えたこと、それと同時に、この生徒さんの才能を活かすには、やはり高校に進学しておいた方がプラスになると思えたこと、そしてそれを伝えても今なら本人もそう思えるだろうと感じたこと…。これが大きいですね。にしてもよくぞここまでの関係性を築きあげられたものだと改めて思い返すと感激。

ここ数週間ですごくいろんな進展があったのだけれど、それは現在進行中のことなので、またあとでということにさせていただきます。

ひとつ言えるのは、
やっぱり太宰の言葉は間違ってなかったなと。
今まで過ごしてきた瞬間が決して無駄ではなかったと今すごく実感できています。


目標も漠然、結果も求めない。
ただただ純粋に、その場での勉強をしっかりやることだけを求めるという…


これもまた勉強の「カタチ」。


イチローがメジャーリーガーやめて、
純粋に野球楽しみたくて、でも真剣に野球やりたくて、草野球チーム作った気持ち、わかるんですよねー。

結果とか記録とか、そういうものじゃなく、野球っていう彼がいちばん好きなものを純粋に一生懸命やることこそが、彼の財産となるんだろうなーって思います。

ま、だからってイチローが高校出ていきなり草野球やり始めてそればっかりやってたら、そりゃ食べていけないわけで(笑)、
やっぱり私も数字や順位と闘う世界で生きて行かなければ生活できないわけですが…

まあこんなピュアでプラトニックな勉強とのつきあい方をさせてもらえる塾の講師はそうはいないわけで、

そういった意味でこの生徒さんとの出会いはとても素敵なものだったな、と思うのでした。



長くなるほどまとまらないのが私のブログ(笑)
今回もダラダラ~になっちゃいました。

全ては太宰の言葉に集約されているので、そこだけ読んでいただけたら充分です(^_^;)
本当に、真剣に勉強する、という行為そのものがとてつもなく尊いことです。この気持ちをもっともっと多くの生徒さんに味わってもらわねば‼



というわけで…
明日もテスト勉強、みんな頑張ろうねー‼