昨日HSSに行ったらブログもっとやれって言われたので調子こいてもっとやります。
みんな!そんな顔しないでついてこい!!(笑)
今回はレバー比1の脚について考えてみます。
脚に関してのレバー比とはタイヤの上下方向(正確にはたぶんロワアームの先端)とダンパーの縮む量の比率のことです。
とりあえずまずは小難しいことを考えずにレバー比1とレバー比2の違いについてです。
まずはレバー比1。
この状態を1Gとして考えて、縮めた時のレバー比1と2の違いは下の図のようになります。
レバー比2はロワアームの中央にダンパーを取り付けた状態。
単純にダンパーの縮む量は半分になります。
縮む量が半分になるということはダンパー内のオイルの動く量も半分になります。
減衰は半減です。
またダイヤフラムのエア室の反発も減ります。
たぶん反発は半分だと思うんですが気体の計算はわからないのでパスw
要するにダンパーの働きは半減ってことです。
次にバネはどうなるかですが、
ダンパーが縮む量が半分なので当然バネも半分です。
ここでバネレートが出てきます。
バネレートは1mm縮むのに何グラムの重さが必要か(またはN)を示しています。
たとえば100g/mmと書いてある場合は1mm縮めるのに100g必要ということです。
そして2mm縮んだ場合は2倍になり200g必要になり、3mm縮める時には300gになります。
倍々ではなくプラス100g。
0.5mm縮める時は50gです。
これを表にするとこんな感じになります。
つまり脚は柔らかくなる。
それを補うためにバネを硬くしますが、ここで200g/mmのバネを使うと・・・・
レバー比1と同じになりました。
レバー比が変わってもバネの固さで補うことが出来る、ということです。
レバー比1にすることで得られる効果はダンパーの減衰や反発力の特性ということになります。
この効果はロワアームのダンパー取り付け位置を外側にしていった場合の特性の延長線であって、レバー比1という名前そのものに何かしらの特別な効能があるわけではないことを示しています。
レバー比1は何もすごいことではない。
それだけです。
では、WRAPUPなどから出ているナックル直付けのレバー比1アームも無意味なのか??
いいえ違います。
あれにはあれの特性があります。
WRAPUPのVXアームを代表するようなサスペンションはダンパー取り付け位置がアウターサスピンからズレた位置にあります。
ジオメトリーによっては走行中にもキャンバーが変化しますのでダンパーの縮む量がそれによって左右されます。
まったくキャンバー変化を起こさない場合はダンパーをどこに付けようがダンパーには何も影響しませんが、ネガティブキャンバーに変化する場合はダンパーの取り付け位置が下に逃げる方向に働くためダンパーの縮む量も減少します。
つまり完全なレバー比1ではなくなるってことですね。
アッパーアームをハイアッパーにした場合はリヤがピッチで沈むとレバー比は減る方向になりピッチしやくす、ロールではキャンバー変化が少ないのでレバー比1に近くなりロールしにくくなります。
といっても縮み始めはレバー比1なので硬く、沈み込むにつれて柔らかくなる可変特性です。
働き的にはシーソーダンパーの逆。
スタビライザーに近いかもしれません。
スタビライザーほど安定した効果は得られないとは思いますが。
ただ、一般的に使用されるキャンバー変化量ではダンパーに与える影響は微々たるものなのでVXアームでこの効果を得るのは難しいでしょう。
4度キャンバーが変化しても上の図くらいの効果しか得られません。
通常は1〜2度くらいの変化しかしないはずなのでレバー比の変化といえるほど大きな影響は出ないはずです。
ダンパーの取り付け位置をアームの隣の穴に変更したくらいか、それ以下です。
キャンバー変化を起こしてまで得る効果かと言われれば疑問が残りますね。
ナックルのダンパー取り付け位置をもっと車体側まで伸ばせば取り付け位置の上下移動が多くなるのでもっと強く効果を得ることが可能になると思います。
しかし・・・前回のブログでも書きましたが、走行中にGやロールによって変幻自在に変化するジオメトリーやダンパーの動きは大変複雑なため癖が非常に強いセッティングになります。
なんだか毎周動きが違う気がする・・・なんていう動きになりかねません。
極力、最小限のジオメトリー変化に留めるのが安定した走行の最低条件だと考えてますので、自分はあまりオススメしませんね。
もし試すのであればこれらの動きを念頭にセッティングを出してみてください。
自分はやらないよ!
あの頃は意味もわからず買ったけどね!w