懐かしのぱちすろ名機列伝xxΣ -14ページ目

大人買い

1号機が登場した事によって、急速に普及したパチスロなんですが、ホールの設備機器までは

対応できていなかったようで、色々不備な点もありました。


台だけでなく営業する為にはコイン・計数機も必要なわけで初期投資を含めるとパチンコの入れ替え

とは比べ物にならない位経費が必要ですからね。


1回交換だったのでコインは台数×1000枚もあればなんとかなったのでしょうが、それでも筐体・

コイン・コイン貸機・計数機も揃えるわけですから20台設置でもトータルでは500万位かかったんじゃ

ないかなぁ・・・??


ちなみにコインサンドではなくコイン貸し機と書いているのにはちゃんと意味がありまして、今のように

台の間にコイン貸し機があるわけではなく、島の端に1台か2台設置されているだけだったからです。


そもそもこの時代にはまだコインサンドなんてありませんでしたからねw



・・・となると、パチスロを打つ為には毎回そこまでコインを買いに行かなければならないのかというと

実はそうでもなく、ほとんどのお店は景品カウンターでコインを販売していました。






銀行なんかで硬貨を両替する場合、50枚単位の束が用意されていますが、これと同じ方法で

お店がコインを準備していたのです。


確か専用の梱包機のようなものがあって、カウンタのおばさんがせっせと拵えていましたw

ビニールタイプだけでなく紙タイプもあり、せこいお店だと手製の茶巾袋のようなものもありましたね。


打ち手は予算に合わせてあらかじめこれをまとめて購入して一本ずつ使用していくというわけです。


パチンコを打つ場合当時は100円単位での遊戯ですから、一度に数千円も購入するのは結構度胸が

いりました。考えて見るとこの辺りから自分のパチンコの金銭感覚が狂って来たのかもw



で、実際に遊戯を始めると、この使用済みの束のゴミをどうするかという問題が発生します。


この頃はお店にサービスの概念なんて存在しませんから、店員がこまめに台を周ってゴミを回収する

なんてことは先ずありません。


必然的にこれらは床に落として行くというのが暗黙の了解・・・というかお店公認のルールとなっていました。

台の周辺にゴミを散らかされるとお店も掃除が面倒なんで、店員が「下に捨てるよう」指示していた位

ですから・・・・・


床一面がゴミだらけになると、ようやく見るに見かねて掃除を始めるといった感じですかね?

掃除が始まると全員が椅子から足を浮かせて掃除が終わるのを待っていたりしますw


ちなみに当時のパチスロは1回交換が主流でしたから、ビッグボーナス終了後はコインは全て交換しな

ければなりません。


この時、使用中でも束の中に残っているコインは交換の対象外となっていました。

その為最も効率の良いのは束を2つに折って、少しずつコインを搾り出す感じで使用していく方法となります。


コイン貸し機だと50枚単位となりますが、束だと必要分だけで済みますから何気に常連さんはほとんど

機械の方は利用していなかったりします。


買い方は豪快でも、使い方は結構せこかったりするのですw



そういえばパチスロの投資単位は今では「K(キロ=1000)」がポピュラーですが、ちょっと前までは

「本」を単位にしている人も結構いました。言うまでもなくこの語源はこの頃の投資方法に由来するものです。


おいちょかばX

【メーカー】山佐
【販売年月日】1999年10月
【タイプ】A
【特徴】公式HP


シーマスター で颯爽と登場したテトラリール

花月 で好評を博した花札図柄

そんなカバな  でマニアックな人気を誇った足し算リーチ目。



人気機種のいいとこを選りすぐった究極の二番煎じマシン。



山佐マシンのベースである大量リーチ目は健在で、どちらかというと、リーチ目を

演出でお知らせする感が強かったのですが、右リールに「勝負」図柄を停止させないと

テトラが発動しない為、適当打ちでは成立Pを見過ごす可能性がありました。


演出の為に目押しを要するという従来とは異なった手順をプレイヤーに強いるわけです

が、脱力系キャラがそのわずらわしさを上手く解消していたように思います。


打ち初めてしばらくは、テトラの発動が面白くてついつい狙ってしまうのですが、直ぐに

飽きてしまいますけどねw


結局演出は初心者向けのものであり、ある程度打ち慣れるとごく普通のリーチ目マシン

でしかありませんでした。そしてその肝心のリーチ目も演出の為にやや曖昧になってい

る点で、ターゲットを絞り込めていなかったような気がします。


販売時期も新筐体の液晶機と重なっており、恐らくメーカーも本気で売るつもりはなかっ

たのではないでしょうかねぇ?


お蔵入りさせるほど出来が悪いわけではないけれど、メインにするほど完成度が高い

わけでもない・・・結局最後まで中途半端な台だったんですが、実はこの曖昧さがこの

台の本当の持ち味だったりしてw




■ゲームで遊ぶ

山佐Digiワールド・テトラマスター

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秘宝伝

【メーカー】大都技研
【販売年月日】2006年6月19日
【タイプ】A400-ST
【特徴】公式HP

山佐→アルゼ→サミーと目まぐるしく推移した4号機の覇権争いの最後を飾ったのは

ダークホース的存在だった大都技研でした。



元々マニアックな演出でコアなファンから支持されていたメーカーだったのですが、

4号機の終焉が大都によって見届けられる事になるとは夢にも思いませんでした。


スペック的には既にどこかで見た事あるような・・・という二番煎じ的なゲーム性だったの

ですが、この台のヒットは登場した時期・メーカーとしての信頼度・ファン層の変化という

運の要素もかなり味方していたような気がします。



何せかつての盟主達からリリースされる機種には名機の趣の欠片も感じられないような

過去の栄光にしがみついた様な台ばかりでして、それと共に古参ファンは一人二人と去っ

てゆき、気がつけばホールの客層は告知ファンとST機世代によって埋め尽くされているよ

うな状況で、そこには目押しや技術介入性を楽しむというかつてのパチスロファンはほぼ

絶滅状態でしたからねぇ・・・・



考えて見れば特定のメーカーに人気が集まると、それと同時にある程度のファン層の入れ

替えが起こるのは止むを得ない現象なのでしょう。



初期に圧倒的人気を誇った山佐の武器は「大量リーチ目」だったのですが、これはそれまで

「覚えるのに時間がかかる」「ややこしい」と決して万人向けのものではありませんでした。


アルゼにしても、「技術介入性」というそれまでタブーとされた領域に新たな可能性を見い出した

事で、若年層の取り込みに成功しています。


サミーに至っては「一撃性」による、大量出玉でそれまでのスロットの概念をひっくり返してし

まいましたからね。



それぞれが新規ファンの開拓に成功している反面、それまでのファンをある程度犠牲にしている

のはパチスロの人気が焼畑式農業的に拡大を図っていた為でしょう。


当然の事ながら肝心の土地がなくなってしまっては、収縮に向かうのは当たり前の話しで、現在

はその焼け野原に残ったわずかな芽を再び育て始めているような気がします。


・・・まぁ、それがいつまでかかるかはわかりませんが(汗


大都の場合、それまでとは違い単に周りが勝手に自爆していった結果、勝手にトップに躍り出た

感が強いのですが、新機種を連発するのではなく、じっくりファンを育ててからタイミングよくリリー

スした事が成功の要因だったのかも知れません。


設置期限の兼ね合いから、元々はお蔵入り予定だったこの機種が大都の4号機の最後を飾る

事となったのですが、それまでよりもスペック的に見劣りがするにも関らず、人気面ではホール

でもトップクラスを維持していました。


吉宗や番長とは全く異なったゲーム性であった事から、この台をリリースするのは(他に売る台

がなかったにせよ)かなり冒険であったと思われます。


これはメーカーに対し、お客からもホールからも信頼を勝ち得ていなければ不可能だったと言え

るでしょう。冷静に考えてこの機種の設置時期がもっと早ければほとんど話題にならず姿を消して

しまったはずですからね。



ちなみに自分がこの台にあまり手をださなかったのは、ゲーム性云々とかいう問題ではなく初打ちの

印象が強すぎた為です。新装数日後の8時頃、たまたま空き台があったのでものは試しにと打って見

た所・・・・・





それまで0付近をうろうろしていたグラフが突如暴走開始(滝汗


スペック知らなかったので、結構波が荒い台なのかなぁ・・と思って後から解析見てあらびっくり。

打ち続けていたら一度はと・・・夢見るような理想的な展開を最初に体験してしまうと、さすがに

もう御馳走様という感じですねw





■ゲームで遊ぶ

大都技研公式パチスロシミュレーター 秘宝伝

¥1,469Amazon.co.jp


大都技研公式パチスロシミュレーター 秘宝伝・押忍!番長・吉宗DS
¥4,480Amazon.co.jp

パチスロTV

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AT機で一気に4号機の主役に踊り出たサミーは、総合エンタティメント企業らしく

ゲームソフト等も積極的にリリースしてファン層の拡大を図りました。


そんな時期、家庭用ゲーム機ではなく、パチスロゲ-ム専用ハードまで登場させ

ていたのを覚えている人はいるでしょうか・・・・・??



「パチスロTV」と名づけられたこのマシンは、デザインがそのままパチスロのコントローラー

になっており、専用カートリッジがあれば、思う存分家庭でパチスロが楽しめるように作られていたのです。



しかし、その思惑は見事に外れたといいますか・・・・実際にどの程度売れたのか・・・・登場間もなく

ホールの景品として姿を見たものの、これで遊んでいる人は自分の周りでは皆無でした。



値段は結構手頃だったのですが、PS2等でかなりリアルに再現されたシミュレーターソフトが登場して

いた状況で、スーファミレベルのゲーム機で一体どう楽しめというのかとw


当初のは、次々と新作をリリースするという話でしたが、ハードが売れていないのにソフトが売れるはずも

なく、あっという間に消えてしまいましたよね?



PlugIt! パチスロTV専用カードサラリーマン金太郎
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PlugIt! パチスロTV専用カートリッジ 猛獣王TV
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そういえばアルゼもSNKを子会社化した際、ネオジオ対応の専用ソフトを多数リリースしましたが

こちらも景品コーナーで色褪せた状態でかなりの期間放置されていたような・・・・・


両方ともアイディアは素晴らしいとは思うのですが、あまりにもニーズを限定し過ぎていたのではないかと。

いずれもパチスロ機自体が売れに売れていたからこそ、出来た芸当でしょうね。


ポロリ

今のパチスロはハード面でメーカーの工夫が随所に凝らされており、操作性で不具合が生じる事なんて

滅多にありませんが、4号機中期位までは新台の入れ替えペースは数年単位という感じでしたから、メー

カーもコストのかかるモデルチェンジを頻繁に行なうはずもなく、一度登場した筐体は余程の不具合が発

覚しない限りは、そのまま流用されていました。



まぁ、操作性という面では打ち手の慣れという要素もあったわけですが、それでもこの時代ならではの独特

の仕様として、一部のメーカーがレバーの球体部分をねじ込み式にしていた事が印象に残っています。



ちょっと意味がわかりにくいかも知れませんが、今の機種ってレバーと球体が一体型になっていますので

球の部分が外れたりする事はありませんよね?


ねじ込み式というのはレバーの棒状部分の先端がネジになっており、ここに球体部分をはめこんでいるのです。



従って、同じ方向に力を加え続けていると、この球体が次第に緩んでゆき、限界を越えるとポロリとレバーから

外れてしまうのです。



打ち慣れていると、時々緩みをチェックして自分で絞め直したりするわけですが、中にはそんな事おかまいなし

に毎回強打で遊戯する人もいたわけで、突然スロの島に球体が跳ねる音がコダマして失笑を買っていたりする

のが当時の風物詩だったりしますw



しかし、この落ちるのに気付くのはまだマシな方で、球が外れているにも関らず強打してしまって、レバーの先

端で怪我をする人ってどこのお店にもいたのではないでしょうか?


自分の覚えている範囲では山佐・ベルコ・高砂の筐体がこの外れるタイプだったと思います。


特にこの頃の高砂は裏物が蔓延していましたので、クソはまりした人が腹いせにわざと球を持ち帰るのか、

最初から棒だけになったレバーが結構あったような・・・・






そういう自分も何故かベルコの球を所持していたりしますが・・・・・(汗