今からもう７年前のことです。
出雲大社に参拝して
その次の日に
出雲大社の祖神さまといわれる
日御碕神社(出雲市)を参拝しました。
その、日御碕神社で私は偶然、
神の宮とよばれる神殿へ
まっすぐ向かっている
神職さんを目撃しました。
神職さんは神殿に入ったあと
お供えをして
祝詞を唱えておられました。
私も神の宮で手を合わせ
神職さんのその様子を
外から拝見していました。
すると神職さんは
祝詞を奏上したあと
小声で
なんとお経を
唱え始めました。
なぜお経？
理由がすごく知りたかったけど
私には知り得るすべもありませんでした。
このことはその後も私の中で
ずっと謎のままでした。
さて、
あれから７年が過ぎ
今回、私は
出雲の鰐淵寺へ参拝することになりました。
ところでそれより前に
私は見えない世界から
夜中に叩き起こされて
千日回峰行のドキュメンタリー番組をみせられる
ということがありました。
そのおかげで
それまで知らなかった
相応さんというお坊さんと
相応さんが開創した
比叡山の無動寺(滋賀県大津市)を知りました。
出雲から帰宅して
鰐淵寺の由緒について
いろいろ調べていると
なんと鰐淵寺は
その無動寺と
関係が深かった
というではありませんか。
めちゃくちゃ驚きました。
見えない世界がわざわざ私に
無動寺について
私に事前に知らせてきていた
ということに。
見えない世界は
なんでそこまでするんだろう？
山岳修行の場だった鰐淵寺は
円仁さんがきっかけで
比叡山との関係が深まり
天台寺院となります。
比叡山の無動寺も
あのとてつもなく厳しい
千日回峰行の拠点ですから
鰐淵寺と無動寺は
天台宗の修行の場だったという点で
たしかに共通点はあります。
さらに
無動寺のことと同時にわかったのが
次のことでした。
後白河法皇の『梁塵秘抄』に
「出雲の鰐淵や日の御碕」とうたわれていて
平安時代末期頃には
鰐淵寺や日御碕神社が
聖(高徳の僧)が住む所として
そして修験行場として
全国に知られるくらいだった
というのです。
日の御碕というのは日御碕神社。
実はその、日御碕神社。
社殿は
徳川家光公の命で
幕府直轄工事として着工されていて
日光東照宮と同様の権現造りです。
日光東照宮の造営を差配したのは
天台宗の僧の天海さん。
しかも天海さんは
家光公に仕えていたので
幕府直轄で日御碕神社の社殿を造ったのは
天海さんのアドバイスだった可能性大です。
天海さんが
そこまでしたくなるということは
日御碕神社が
神仏習合の時代に
仏教との関りがひときわ深かったと
うかがえます。
ところで神仏習合の時代は
神社より仏教寺院の方が力が強いことが多く
かつて鰐淵寺は
出雲大社を管理する
「別当寺」を務めていました。
しかしやがて
鰐淵寺と出雲大社の関係は薄れていき
江戸時代になると出雲大社は
全国で最も早く神仏分離を実現しました。
日御碕神社も出雲大社に続いて
神仏分離を実現したことでしょう。
しかし日御碕神社は
かつてそれだけ
仏教と強く関わってきただけに
神前で読経するという慣習を
ひそかに残したのかもしれません。
そうだとしたらその事情は
今の私だったら
とてもよく理解できて
心から納得できました。
日御碕神社は
出雲大社の祖神さまといわれれば
そりゃあなおさら
「こっそり」になるだろうな…。
私が７年前に日御碕神社で抱いた謎。
見えない世界はその答えを
今になって私に渡してきました。
こんなに年月が経っても
ちゃんと答えを渡して来るところが
ある意味律儀で
ちょっと驚かされます。
でも私の疑問は
まだ残っていまして。
見えない世界はなぜ私に
神職さんがこっそり読経しているのを
わざわざ見せたのか
ということでした。
さっきも書いたけど
見えない世界は
なんでそこまでするんだろう？
も、謎です。
もっと
大事なことがある気がして
気になりました。
つづく
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