赤林山に直登ルートで登ってきました。
この山には以前別のコースから登ったことがあるのですが、歩いたことのないコースを開拓しようということでこのコースをチョイス。
登山口は麓の盛岡つどいの森のすぐ近くにあり、アクセスは良好です。
ただし、冬季は登山口の駐車場は除雪されていないので向かいにあるキャンプ場の駐車場をお借りしました。
キャンプ場はこの時期、ほとんど人がいないので迷惑にはならないんじゃないでしょうか。
では行ってみましょう!
いきなり下る登山道。
「出鼻を挫かれるっぺ」
まず沢を渡って隣接する尾根に取り付かなければならない。
沢を渡ったら登りに転じる。
後は山頂まで、ひたすら登り登り登り…だ。
ちなみにこのコースは地形図に記載が無い。
ハイキングマップなどには記載があるが、その地図にも載っていない分岐が何ヶ所かある。
しっかり道標が整備されているので迷うことはないだろう。
見上げる赤林山と青い空。
まだいくらも歩いていないのに、すでに目の前に山が迫っていた。
この後の急登が思いやられる景色ではある。
山と山を繋ぐように続く細い尾根を渡っていく。
難しい場所ではないが、万が一バランスを崩して転んだら谷底まで滑落だろう。
気をつけよう。
行程も半分を過ぎた頃、直登コースの名に恥じない急登が始まる。
「行くっぺ」
急登に強いツートンは張り切っている。
胸突き八丁の急坂に、あっという間に体力を削られていく。
しかし、このあたりはまだ雪も締まっていて歩きやすかったのだ。
残り四分の一を切った頃、ようやく赤林山本体の姿が見えた。
なんと先程壁のようにそそり立っているように見えたのはただの前衛峰…というか、尾根のコブであった。
また痩せ尾根だ。
雪庇こそ無いが、ここも落ちたらさようならなので慎重に。
ようやく赤林山本体に取り付く。
また一段と傾斜が増した。
雪の質も変わり膝下のラッセルが始まる。
ついにはスノーシューでは先に進むことができなくなってしまった。
ワカンのツートンに先行してもらい、私はツボ足に切り替えることに。
「まかせるっぺ!」
「登れん~」
しかし最後には身軽なツートンですら前に進めなくなってしまった。
足元の雪が次々と崩れ落ちてしまい一歩進んで二歩下がる状態に陥ったのだった。
これが弱層というやつなのか?
締まった雪の上に柔らかい雪が積り、これがどんどん崩れてくるのだ。
最後は二足歩行を諦め、両手両足を駆使し無理やり登りつめた。
「性も根も尽きました…」
「雪まみれだっぺよ」
「赤林山、登ったどー!!!」
本当は箱ヶ森まで行くつもりだったのだが、時間的にも体力的にも限界。
本日はここまで!
あっちに見えるのは東根山かな?
いつかは紫波三山縦走…と思っているのだが、足の確保が面倒くさいので未だ実現していない。
赤林山の山頂は樹林帯に囲まれ眺望はあまり良くない。
木漏れ日の差し込む雰囲気は良いのだが、いきなり風が強くなってきてゆっくりもしていられない。
下山開始だ。
少し下ったあたりのほうが下界を良く見渡せる。
盛南地区から矢巾あたりまで、普段の暮らしている街を上から眺めるのはなかなか良い気分だ。
「そういえば新しいラーメン屋ができたっぺ」
「帰りに寄ってみるか」
※結局疲れ果てて直帰しました…
帰りも同じ道を下る。
急斜面を転がるように…いや、文字通り転がりながら下っていった。
以前使っていたMSRに比べて、今のアトラスのスノーシューは下りに弱い。
シューの後ろ4分の1が一切滑り止めの無いただの板なので、そこに体重が乗ってしまうと成す術なくスリップしてしまう。
これで山岳用を名乗っているのが信じられん…。
全身雪まみれになったが、どうにか無事に下山した。
「お疲れ様でした!」
本当は赤林山からさらに足を延ばして箱ヶ森まで行く予定でしたが、結局赤林山止まりになりました。
時間と体力が限界だったもので…。
直登コース、なかなかタフなルートであります。
特に山頂直下の急登には参りました。
ただの深雪ならもうちょっとなんとかなったと思うのですが、2月に暖かくなった時期に固く締まった雪の上に新雪が積もっていて、踏み抜くわ滑るわ崩れるわでどうにもなりませんでした。
たぶん100m突破するのに1時間くらいかかったんじゃないかと。
雪のある時期は、まったくお勧めできないルートです。
おしまい
詳しいルートなどについてはヤマレコにて