(マスメディア等による取捨選択を経た)事実・経緯だけを見れば、双方ともに「何やってんだ?」となることでしょう。けれど決して、決して「どっちもどっち」ということではありませんっ!

 

 

簡単に言ってしまえば・・・

 

「ダメだと書いてないからやっても良い」という市長に対して「だったら改めてダメだと書くことにするよ」という市議会。

 

・・・そういう理解で良いと思います。

 

 

あるいは・・・

 

「解約するかどうかは俺が(だけで)決める」という市長に対して「相談して契約したことだから、解約するときも相談しようね」という市議会。

 

・・・ということになります。

 

 

●ついにNHKも!

 

こちら、2025年4月22日 22時22分 に配信されました。

 

愛知県豊橋市では新たなアリーナを含む施設の建設について、反対する市長と賛成派が多数を占める議会との対立が続いています。市長は22日、市議会が建設を進めるために定めた条例案の議決を取り消すよう求める訴えを裁判所に起こしました。

 

 

豊橋市中心部の公園では、新たなアリーナを含む多目的屋内施設の建設計画が進んできましたが、去年11月の市長選挙で建設反対を訴える長坂尚登市長が当選し、業者との契約解除を指示しました。

建設賛成派が多数を占める市議会は2回にわたり「議会の同意なしに契約を解除できない」とする条例案を議決し、市長は「議会の権限を越え、法令に違反する」などとして、愛知県の大村知事に条例の取り消しを求める審査を申し立てましたが、先月「法令に違反するとまでは言えない」などとして棄却されていました。

 

 

これを不服として市長は22日、市議会に条例案の議決の取り消しを求める訴えを名古屋地方裁判所に起こしました。

長坂市長は「今後は裁判所において審理がなされるため、現時点では審理の状況を見守りたい」とコメントしています。

一方、豊橋市議会の伊藤篤哉議長は「市議会が議決した条例および愛知県知事の裁定結果への配慮が見られず、とても残念だ」などとコメントしています。

 

 

 

 

 

なるほど「公平中立」を建前とするNHKといったところでしょうか。

 

事実関係としては、概ね、このとおりなので仕方ありませんが、他所様がこれだけ読むと、豊橋はいかにも不毛なことをしているな、という感想で終わってしまうかもしれません。

 

 

なので、強調しておきます。

 

「去年11月の市長選挙で建設反対を訴える長坂尚登市長が当選し」た、という報道を真に受け、それを前提とする限り、今、豊橋で起きている「混乱」について真に理解することはできません。


 

市長選挙公示の段階で、新アリーナ計画(正確には「多目的屋内施設及び豊橋公園東側エリア整備・運営事業」)は、既に契約済みでした。

 

地方自治体と民間事業者との間で締結した「特定事業契約」です。

 

長坂氏は「新アリーナ計画の中止(契約解除等)」という公約を掲げて当選した、ということになっていますが、その手順や費用に関する説明は、ほぼありませんでした。

 

というか、その公約自体、選挙公報に、小さくこっそり掲げていたに過ぎません。

 

さらに言えば、新アリーナを争点と認識し、それについて詳しく知っている有権者は、決して多くはありませんでした。

 

何なら、今に至るも、一番の多数派は「どっちでも良い」でしょう。

 

 

「有権者がアリーナ計画の中止を支持した」というのは、あくまでも長坂氏とその支持者およびマスメディアによる解釈であり、仮説です。


 

●市長になるため?

 

長坂氏の提訴と言えば、かなり前に拙記事のおまけとして、こんなことを書いたりしてます。

 

 

(東愛知新聞2/17-7面)

 

 

長坂さんについて、ワタクシ的に「ちょっとムリ」と考えている、その理由の一端です。

 

分かっていただけますかね。

 

 

 

そんなことを思い出した、ちょうどその折、[X]で、以下のようなポストを見つけました。

 

 

 

 

この方、基本、長坂氏を支持者しているようなのですが、私としては「あー、あれ、敗訴確定してたのか」といったところ。

 

 

 

 

上告を取り下げたのは、日付からして、市長に当選したから、なのでしょうね。

 

つまり、提訴の目的は(現職市長を貶めることで)「当選を得るため」「市長になるため」だったのね、という話です。

 

 

ちなみに、提訴当時の御本人、ブログにこんなことを書いてました。

 

2023年02月18日 23:30 配信の記事です。

 

ところでこの訴訟、現時点では代理人(弁護士)をお願いせず、本人訴訟としてやっています。
今のところ「何事も経験」の精神でやっていけてますが、いずれ手に負えなくなれば、弁護士に代理人を依頼することもありえます。

また、既に冒頭のように約2万円の持ち出しです。

この活動(訴訟)の主体は長坂なおと後援会でないため、
後援会にご寄附いただいても、直接、この訴訟の費用として使えませんが、
それをご理解の上、広く長坂の活動にご支援いただける方が
もしいらっしゃいましたら、下記URLのフォームからご連絡いただき、
後援会にご寄附を賜われれば幸いです。

 

 

 

ならば、此度の提訴は、一体、何のためなのでしょう。

 

 

●市長でいるため?

 

「契約」とは、そもそも相手のあることですし、「解除」にしても、そんな簡単に口にして良いものではないと思います。


実際、簡単なことではなく、「市民の負担をできるだけ少なくするため」として就任直後に手を付けたものの、5ヶ月経った今もって、事業者との「交渉」は平行線、膠着状態。

 

その間、工事は中断したままですが、関係者は一応再開に備え待機しているわけで、それには当選費用がかかっているはずです。

 

ここでさらに問題が長引けば、市民の負担はますます嵩んでいくことになります。

 

 

長坂氏が、それでも、あえて提訴に踏み切ったのは、つまり、長期化しても良い、いやむしろ、その方が良い、と考えているからではないでしょうか。

 

 

ムリムリに契約解除して損失補償はもちろん、こちらも裁判となり多額の損害賠償請求をくらって市内外から批判殺到・・・それは困る。

 

計画中止を諦め、しかし、そうなると「公約を守ろう」というスローガンはどうなったとこれも非難轟々、支持者を失い、生きる屍となりかねない・・・それも嫌だ。

 

 

つまり、結論先送りの宙ぶらりんが一番。

 

提訴は「市長でいるため」の手段でしかない、ということです。

 

 

●言葉の耐えられない軽さ
 

我らが三遠ネオフェニックス、4月23日の試合で中地区連覇を決めました。

 

以下、ホームタウン市長の言葉です。

 

 

◆試合前日

 

「(チームの好調は)ホームの市長として非常に喜ばしいことだと思っております」

 

「(新アリーナの議論と)チームが強い弱いというのは何も関係ない」

 

この2つ、同じ口が、同じ席で言ってるんですよ。

 

 

◆試合後

 

「地区連覇は大変おめでたいことで、ブースターの盛り上がりもよかった。CSでは日本一を目指してほしい」

 

前日の発言の後ですからね。言葉通り受け止めろというのが無理な話で。

 

 

最後に、2本ほど拙記事からの引用を。

 

 

長坂なおと氏。

 

 

かつては、ただ、市長になりたかっただけ。

 

そして今、ただ、できるだけ長く市長でいたいだけ。

 

市民の生活も、豊橋の未来も、

 

市長の椅子に比べたら何ほどのこともない。

 

 

いっそ、そのように考えているのだと見た方が、彼の言っていることやっていることについて、納得いってしまうのだけれども。

 

 

そんな発想に遊んでしまうくらい、そこまで長坂氏を“嫌い”なのは、さすがに私だけですかね。

 

 

 

 

そもそも「新アリーナを争点とする選挙で建設反対を訴える長坂氏が当選した」は、一応の事実ではあっても、それイコール「新アリーナ建設反対が支持された」ではありません。

 

投票日の出口調査を見れば、有権者は必ずしも新アリーナをメインイシューとして投票したわけではないことが分かります。

 

仮に、長坂氏や彼の支持者が言うように、新アリーナがファーストイシューだったとするなら、各候補の得票率(建設中止の長坂氏は36%、継続・推進の浅井氏32%、近藤氏29%)からして、新アリーナ賛成派の方が多いことになります

 

 

 

 

🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥 🍥🍥🍥

 

 

 

以下、資料として。

 

 

(中日新聞4/23-23面)

 

 

 愛知県豊橋市の多目的屋内施設(新アリーナ)計画を巡り、市議会が契約解除にも議決を要するよう可決した条例改正について、長坂尚登市長は22日、取り消しを求める訴えを名古屋地裁に起こした。新アリーナ計画の中止を唱える長坂氏と計画推進派が多数を占める議会の対立は法廷闘争にもつれ込んだ。

 

 訴状によると、市は「契約の解除権は専ら長の権限に属する」と主張。条例改正について「(議会の)権限を越え、または法令に違反する」と述べ、取り消しを求めている。

 

 提訴を受けて伊藤篤哉議長は「とても残念」とコメント。長坂氏は「審理の状況を見守りたい」と談話を出した。

 

 市は市中心部の豊橋公園内で2027年度完成を目指して新アリーナ建設を計画し、周辺整備や57年までの運営も含め約230億円の契約を24年9月に締結。計画中止を訴えて同年11月の市長選で初当選した長坂氏が契約相手の民間事業者グループに解約協議を申し入れたが、議会が反発し、議決を経た契約について解約にも議決を必要とする条例改正を提案、可決した。長坂氏は県に取り消しの裁定を求めたが、大村秀章知事が3月に退けていた。

 

 

 

(中日新聞4/23-13東三河版)

 

 

 豊橋市が整備運営契約の解除を申し入れている多目的屋内施設(新アリーナ)計画を巡り、3月にあった事業者側との協議の概要が本紙の取材で判明した。長坂尚登市長の就任による「政策変更」を主張する市に対し、事業者側が「市長交代のみで民間の財産を奪うだけの公益上の理由があるという理屈は成り立たない」と反論するなど、解約の可否そのものから折り合えない状況が明らかになった。

 

 市は今後の協議について、予定の有無も含めて「答えを控える」(スポーツ施設再編室)と話している。

 

 本紙が入手した議事録などによると、協議は3月4日に市役所であり、事業者側は代表企業の不動産会社スターツコーポレーション(東京)や構成企業の前田建設工業(同)の担当者、弁護士ら10人が、市は田中久雄文化・スポーツ部長(当時)を筆頭に7人が出席した。

 

 契約条項のうち「市の任意による解約」(第107条第1項)を根拠に市が解約を求めているのに対し、まず冒頭に事業者側が「同条の要件を満たしていないと考えている。よって解約に向けた協議として参加していない」と強調した。

 

 さらに事業者側は、契約に基づく「本事業を実施する権利」を「法的に保護された民間事業者の財産」と主張。同条項の適用には「事業の実施を上回るだけの公益上の必要性があることについて、具体的かつ明白で現実の必要性という客観的なレベルの根拠がなければならない」と訴え、「根拠を文書で示してほしい」と求めた。

 

 市は3月24日付の文書で「根拠」について回答。計画中止を公約に掲げた長坂氏が当選した24年11月の市長選について「本事業に関する住民要請に変化が生じたことに他ならず、本事業を実施する必要がなくなった」と述べた上で、こうした「住民要請の変化」による解約が成り立つとの見解を伝えた。また、同条項に基づく解約の可否について双方の見解が異なる中、今後の協議について「ご意見」を求めた。

 

 同室によると、この文書に対し事業者側から4月上旬に返答を受け取ったが、「現時点で内容について答えられない」という。

 

 豊橋公園内の新アリーナ計画を巡っては、市が市長選約1カ月半前の24年9月、新アリーナや周辺の整備と57年までの運営を含む約230億円の契約を結んだ。

 

 市の任意による解約 契約(第107条第1項)では「市は、本施設等を他の公共の用途に供することその他の理由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合またはその他市が合理的に必要と認める場合には、6カ月以上前に事業者に対して通知することにより、本契約の全部または一部を解除することができる」と定めている。
 

 この解釈や対象について市は入札実施前、参加希望者との個別対話で「市が必要不可欠な公益上の目的を達成するために解除する必要があり、かつ他に選びうる手段がないと認められる場合等であり、現時点で具体的に想定されるのは災害対応またはこれに準じる非常事態の場合との理解でよいか」と問われ、「ご理解のとおり」と答えている。

 

 契約の第107条第1項をめぐる豊橋市と事業者側の主な主張 
 

 【豊橋市】 
・契約解除を政策方針に掲げた長坂市長が市長選で当選したことが、本事業に関する住民要請に変化が生じたことと考えており、同条項に基づく解除が可能
・政策変更が行われた中で解除に向けた協議を申し入れている
・(入札前の)個別対話で同条項に関して「現時点で具体的に想定されるのは災害対応またはこれに準じる非常事態の場合」と回答したが、その時点の想定であり、回答後に生じた他の事由による解除権を放棄する趣旨ではない

 

 【事業者側】 
・災害対応以外の事由も対象になるのはその通り。だが、同条項に定める解除権が発生する要件は「市が必要不可欠な公益上の目的を達成するために解除する必要があり、かつ他に選びうる手段がないと認められる場合等」。解除権発生の根拠が存在しないため、解除できない
・事業者側は契約上、本事業実施の権利を持っている。この権利は法的に保護された財産。行政側の事情で私有財産権を制限するには、私有財産権保護の要請を上回る公益上の理由が必要で、かつその公益に具体的かつ明白に予測されるニーズがある場合や、現実の差し迫った必要性がある場合。客観的レベルの根拠がなければならない
・市長選が一定の政治的意味合いを持つことは否定しないが、組織のトップが変わったこと以外、契約締結時と客観的事情は何も変わっていない。市長交代のみで民間の財産を奪うだけの公益上の理由があるという理屈は成り立たない
・個別対話の内容も法的拘束力がある

 

 

 

 

ブログランキング・にほんブログ村へ  にほんブログ村 ニュースブログ 気になるニュースへ にほんブログ村 哲学・思想ブログ 人間・いのちへ にほんブログ村 地域生活(街) 中部ブログ 豊橋市情報へ
 

      

 

 

 

そんなこんなで、場外のモヤモヤは晴れませんが、とりあえず、ちゃんと喜ぶことにします。

 

 

 バスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」は23日夜、横浜市内で「横浜ビー・コルセアーズ」と対戦し、終盤に逆転して82対77で昨季に続く中地区優勝を決めた。ホームタウンの豊橋市では「穂の国とよはし芸術劇場プラット」でパブリックビューイング(PV)が開かれ、430人のブースターが待ちわびた地区優勝の瞬間に沸いた。

 

 

 

大野HCの言葉。

 

シーズン前のアイチカップや今日の地区優勝もそうですが、天皇杯では自分たちが見たかった景色を見ることができなかった悔しさなど、一つ一つの結果の中で地区優勝は本当に満足できるものです。
 

ただ、もう一つ自分たちが本当に行きたい場所があります。
 

昨シーズンは本当に悔しい思いをしてシーズンが終わってしまったので、自分たちだけではなく支えてくださっているブースター、パートナー、地域の皆さんもその景色が見たいと思ってくれているはずなので、そこに一緒に行きたいと思っています。

 

 

 

ゲーム・ハイライト。

 

 

 

祝! 中地区連覇!!

 

WE are ONE WE ARE PHOENIX !!