「思った以上に早く結果が出て驚いた」・・・うん、まあ、そうでしょう。
「裁定結果が与える直接の影響はない」・・・いや、えと、そうなんですか?
契約解除も、住民投票匂わせも、長坂なおと氏にとっては、実は手段でしかなくて。
あれもこれも、物事を進めていくためではなく、ただただ現状(市長である自分)を引っ張りたいだけだったり、という気がする今日此の頃です。
●すなわち、影響は避けられない!
まずは、中日新聞を。
(中日新聞4/2-14東三河版)
長坂市長は多目的屋内施設(新アリーナ)計画をめぐり、契約解除にも議決を要する条例改正の取り消し裁定を県に求めた審査申し立てが3月31日付で退けられたことについて「思った以上に早く結果が出て驚いた」と語った。市は裁定に不服があれば60日以内に提訴できるが、長坂市長は「検討する」と明言を避け、自身の公約でもある解約方針については「裁定結果が与える直接の影響はない」と述べた。
ノラリクラリと周辺事項について語った後、核心部分については、例によって「検討する」でございますよ。
●“鍔競り合い”も、望むところ?
東愛知新聞の記事で、この件に関する経過をおさらいしておきましょう。
◆昨年12月26日:市議会 条例改正可決
豊橋市議会12月定例会は最終日の26日深夜、緊急動議で提出された「豊橋市議会の議決すべき事件を定める条例」の一部改正案を賛成多数で可決して閉会した。市議会の議決を経て結んだ契約について、解除する時も議決を要するとする内容。自民など提案者によると「多目的屋内施設(新アリーナ)と豊橋公園東側エリア整備運営事業」の契約も対象となる。
◆1月14日:市長 特別再議申し立て(※20日間期限の19日目)
豊橋市の長坂尚登市長は14日、昨年12月市議会で可決した一定額以上の契約解除を議決要件とする条例改正について、議会権限の超越と法令違反の可能性があるとし、審議と採決のやり直しを求める再議(拒否権)を申し立てた。市議会は29日に臨時会を開き、即日採決するとした。
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今回は、条例送付の翌日から20日以内の公布期限(15日)までに違法性などが認められ、地方自治法で義務付ける「特別再議」で申し立てた。市長裁量での10日以内の一般再議は見送った。
◆1月29日:市議会 条例改正再可決
豊橋市議会臨時会は29日、議会の議決を経た契約の解除を議決の要件に盛り込む条例改正案について審議し、賛成多数で原案通り再可決した。市が再議を申し立てていた。市が結んだ2億2500万円以上の契約が対象で、長坂尚登市長が中止を掲げる豊橋公園での新アリーナ建設も含まれる。
◆2月18日:市 知事審査申し立て(※20日間期限の20日目)
豊橋市は18日、豊橋公園での多目的屋内施設(新アリーナ)と公園東側エリアの整備・運営事業を巡り、契約解除を議会の議決事項に加える条例改正案が市議会で再可決されたことに対し、議決を取り消すよう知事審査を申し立てたと発表した。県市町村課へ同日付で申立書を提出。県は今後、有識者らでつくる審査委員会で裁定する。
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県市町村課によると今後、有識者や学識者3人で自治紛争処理委員会を速やかに設置。委員名で市議会へ副本を送り、審査申立書を受理した翌日19日から90日以内に知事裁定を発表する。
◆3月31日:県知事 申し立て棄却(※90日期限の41日目)
豊橋市議会が可決した契約解除を議会議決事項に加える条例改正を巡り、長坂尚登市長が議決の取り消しを求めて申し立てた知事審査で、大村秀章知事は3月31日、棄却する裁定を出した。審査に不服があれば4月1日から60日以内に裁判所に訴えることができる。
できるだけ期限いっぱい使って引っ張った長坂氏に対し、県の裁定は期限の半分も使っていないという・・・
そりゃ「思った以上に早く結果が出て驚いた」くらい言いたくなりますわね。
●4月1日:市長 定例記者会見
そんな心情を隠しきれない記者会見だったように思います。
市議会は昨年12月定例会で、市の契約解除に議会の議決を要件とした条例改正案を可決した。長坂市長は1月14日に採決をやり直すよう再議(拒否権)を申し立てたが市議会は再可決。長坂市長はこれを不服とし、2月18日に大村秀章知事へ審査を申し立てた。3月31日に知事審査は棄却されたが、市長は1日から60日以内に裁判所へ訴えることができる。
1日の市長会見で長坂市長は「思ったより早い裁定に驚いた。内容を精査し対応を考えたい」と提訴の方針について明言しなかった。
ということで、実際に裁判に持っていくかどうかは別として、とりあえず60日間は引っ張るのでしょう。
結論を出すまでは、市議会の不信任を牽制できるし、市長でいられるわけですからね。
●「個人の感想」
長坂なおと氏。
かつては、ただ、市長になりたかっただけ。
そして今、ただ、できるだけ長く市長でいたいだけ。
市民の生活も、豊橋の未来も、
市長の椅子に比べたら何ほどのこともない。
いっそ、そのように考えているのだと見た方が、彼の言っていることやっていることについて、納得いってしまうのだけれども。
そんな発想に遊んでしまうくらい、そこまで長坂氏を“嫌い”なのは、さすがに私だけですかね。
ただ、あの(?)中日新聞ですら、こんな「解説」記事を掲載しています。
(中日新聞4/2-15東三河版)
長坂市長は就任直後に新アリーナの整備運営契約解除を指示した。公約を実現しようとする姿勢は当然だろう。ただ「選挙の結果を受けての判断」として、説明抜きに突き進むのはどうか。
市民団体が集めた新アリーナ継続を求める13万人分の署名や、さまざまなスポーツ団体から要望が出ている以上、なぜ反対するのか論拠をいま一度明らかにする必要はないのか。建設費や運営費が多額過ぎるのか、前市長の“約束違反”が問題なのか、建設場所が不適切なのか。市議会の場で長坂市長の口からその明確な説明は聞こえてこない。市議時代、明快な論陣をはり、それが魅力の一つだった長坂市長。それだけに人が変わってしまったとの感はぬぐえない。
新アリーナ建設の可否は一施設の問題にとどまらない。豊橋市を外から人を呼びにぎわいと活気のある街にするのか。街の発展よりも住民の満足を重視するのか。「どちらか」ではなく「どちらも」が正解で、そのバランスをどこに置くのか決めるのが政治の役割だろう。
上記、引用した部分に関しては、まあ、そうでしょうと思います。
しかしながら、今になってそんなことを言われても・・・
長坂氏が市長に当選したことを含め、現今の豊橋市政混乱の原因、その幾分か、いや、けっこう多くの部分は、中日新聞の報道姿勢(殊に市長選挙投票日に至るまでの)にあるんじゃないんですか、と思わないでもないです。