この日の会場となった渋谷「チェルシー・ホテル」 は、アカシアオルケスタにとっては初めてのハコですが、
大阪に同系列の「シャングリラ」という店があり、 そこではワンマンをやったりしているとのことです。

天井のシャンデリアに、 所々剥がれかかった赤い壁紙。名前の通り、アメリカの安ホテルのバーを思わせる、どこか退廃的な雰囲気のライブハウスで、アカシアオルケスタのアダルトなイメージにピッタリです。明暗を効果的に使い分けた照明もムーディーで、 あたかもPVを生で表現しているかのようでした。

この日は『カナリア』『大嫌い』『狗尾草』『エゴイスト』とオーソドックスな流れで、フィニッシュもやはり『プレイゲーム』。

そうした“キメ曲”を除いて、セットリストの約半分は昨日と異なりましたが、昨日の『結び糸』のような意外性のある曲をもっと聴きたいというのが正直なところ(シングル曲の『一人遊び』を演らないのは何故だろう……?) 。

* * *

ところで、この日のアカシアオルケスタは4バンド中3番目の出演でしたが、その前に出たのは新宿二丁目を中心に活動しているというXジェンダー(中性)のテクノ系ユニット「ユニ音」。

セッティング時にはビジネスマン風のがっちりした男性が真剣にノートPCをいじっていたので、無機質でクールなサウンドを予想しましたが、いざ始まってみれば客席にまで乱入するハイテンションなパフォーマンス。

アカシアオルケスタのメンバーも大のお気に入りのようで、 フロアーでノリまくってる4人の姿、 とくに岬さんのはしゃぎっぷりが印象的でした。その後アカシアオルケスタの演奏中にも、岬さんはMCで「前のユニ音で叫びすぎて声ガラガラになっちゃった」 とコメント。実際はしっかり声出てましたけど。
大阪のジャズ・ロック・バンド、 アカシアオルケスタが今月5日と6日に亘って東京でライブを行いました。

まずは5日(日)上野ブラッシュの模様です。

橋本ゴリラというソロ・シンガーの企画イベントに、 4番中2番手で出演。

オープニングを飾る曲はたいてい『カナリア』か『大嫌い』なのですが、この日はポジパンの流れを汲んだダークな疾走感を伴うナンバー『結び糸』で意表を突きました。タンバリンを打ち鳴らしながら歌い踊る藤原岬の姿は、腰まであるロング・ヘアーも相まって、ジプシーのような妖艶さを醸し出します。

また前回の東京公演とは打って変わって、ほとんどMCを挟まず畳みかけるように進行。 それでもフィナーレはいつものとおり、右手をかざす振り付けで盛り上がる最新シングル曲『プレイゲーム』で締め括りました。

イベントの最後には、当日の出演者全員がステージに上がり、セッションが行われました。
 
曲は(おそらく)橋本ゴリラのオリジナル。 サビの部分に振り付けがあるのですが、普段はクールなイメージのアカシアオルケスタのメンバーも4人全員ノリノリで踊っていたのが可笑しかったです。

さて時間軸は前後しますが……
 
トリの橋本ゴリラの演奏中に、ちょっとしたハプニングが。

反戦をテーマにした曲を歌う前のMCで、彼が戦争に対する想いを述べたところ、フロアーの一番後ろにいたおばあちゃんが突然叫び出したのです。

「私は昭和4年生まれです! 戦争を経験してます! 戦争なんてないほうがいい! だから戦争をやめる歌を聴きたい!」

……(絶句)。

この日のイベントを通して、このおばあちゃんがいちばん“ロック”だと思いました。
LIGHT BRINGERは女性シンガーFUKIを中心とし、ツイン・ギターにキーボード奏者を擁する6人編成の大所帯ヘヴィ・メタル・バンド。

いわゆる「メロパワ(メロディック・パワー・メタル)」にカテゴライズされますが、アニソン風の歌詞と曲調に加え、とらのあな限定販売のシングルをリリースしたり、まったく同じメンバーでアニソンのコピー・バンド「らぶり~」もやっていたりと(ちなみにLIGHT BRINGER自体も「ラブリー」と略される)オタク・カルチャーとも親和性の高いバンドです。

下北沢「レッグ」で行われたこの日のライブは、今年5月に発売された新作アルバム『MIDNIGHT CIRCUS』に伴うツアーの最終日であると共に、バンド初のワンマンでした。インディーズのミュージシャンを紹介するテレビ番組『音龍門』に出演した効果もあり、200人ほどの収容人数でソールド・アウトになったそうです。

私はといえば、CDは入手可能なかぎりすべて持っているのですが、ライブを観るのは初めてです。チケットはネットの前売り予約で買ってあったものの、平日ということで休みを取れるか不安でした。案の定仕事が入り「めんどくさいな~どーにかならんかな~」と思っていた矢先、その出向先との間でトラブルが起こってしまい、当日だけでなく今後も行かなくてよくなったという『猿の手』みたいな裏話もありましたがむふっそれはさておき。

ライブはアンコールが4回もあり、2時間にも及ぶ充実した内容。『MIDNIGHT CIRCUS』からはボートラ扱いの『LAZY MAZE』を除く全曲、10分に及ぶプログレ風の大作『WHITE LOCKED NIGHT』、ピアノをバックにFUKIがマイクなしで歌い上げるバラード『HEARTFUL』、さらにはTVドラマ『左目探偵EYE』でデーモン閣下と共演した際に演奏した未CD化曲など、ワンマンならではの趣向を堪能できました。

ただ、好みの問題もあるのでしょうが、演奏はテクニカルで手堅くまとまっている反面、良くも悪くも整いすぎている印象で、ライブならではの勢いや迫力に欠ける感は否めません。ポップスならともかくヘヴィ・メタル・バンドならもう少し荒さがあってもいいと思うのですが……。

FUKIのハイ・トーン主体のヴォーカリゼーションは、以前ディスク・ユニオンで1stアルバム『TALES OF ALMANAC』を購入した際に特典で付いてきたライブ映像の不安定な印象から一転し、貫禄すら漂わせる堂々とした歌いっぷりでした。とはいえ『奇跡』の間奏後の押し殺したような声音で歌う部分や『WHITE LOCKED NIGHT』の台詞は聞き取りづらく、低音域の強化が今後の課題と言えるかもしれません。

終演後は売店でメンバー全員による握手会が行われ、参加者にはFUKIから『MIDNIGHT CIRCUS』の宣材ポスターが手渡されました。

上野ブラッシュにて7117とアカシアオルケスタの対バンが再び実現した。

(前回)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1413746436&owner_id=12828509

その前日が店長の誕生日だったとのことで、先週1週間にわたって連日イベントが行われていた(6月2日にはCROMAGARAGEも出演)。誕生日の翌日にあたるこの日も、オープニング・アクトを除けば実質的にスリーマンであり、通常より長い持ち時間(約40分)が取られていた。

オープニング・アクトは男性3人組の「オトループ」。爽やか系のギター・ポップとファンキーなビートの融合を試みていたが、どっちつかずで中途半端な印象。曲も耳に残らず。

続いて7117が登場。このところ7117のライブでは、サックスのASUKAが客席を盛り上げる横で、シンガーのabはクールに構えるというスタイルを取っていたのだが、この日はabも客席との間にある柵に身を乗り出し、アグレッシブに観客を挑発する。

こうしたabの激しいステージングは、ソロや7117に加入した直後のライブではよく見受けられたものの、去年の中頃からは上述した役割分担のために抑制されていた。しかし、そういった「キャラ作り」は理解しつつもやはり物足りなさを感じていたのは事実で、当のab自身も少なからずフラストレーションを抱えていたようだった。

そこをいくとこの日のステージは、スランプから脱却し、迷いを吹っ切った、まさしく完全燃焼と呼ぶにふさわしいものだった。終了後、放心状態になる。しばらく忘れていた感覚だ。

しかし、余韻にばかり浸ってはいられない。もう一つのメイン・アクト、アカシアオルケスタのステージである。

オープニングはいつものとおり、ラテンのビートとタンバリンに乗せた『カナリア』で幕を開けたが、この日はサプライズとして普段のライブではめったに演奏しないというバラード・ナンバー『息吹』も披露された。

演奏に入る前に、シンガーの藤原岬が、この曲の歌詞を書いた経緯について切々と語る。ジャズを基調とした都会的でクールなサウンドが売りのアカシアオルケスタであるが、ただのおしゃれさんではなく、根っこの部分にこうした“アツさ”が流れているからこそ、この手の音楽に馴染みのない私の胸をも揺さぶるのだと思う。

トリを務めたのは男性6人組の「8-eit」。前出の2バンドに続き、彼らもジャズ・ベースの曲調で、塩辛いブルージーな歌声が強烈なインパクトを与える。

メンバーのイケメン率が高く(どういうわけかキーボード奏者だけは冴えないおじさんだが、彼は彼でイイ味を出している)またシンガーがヴィジュアル系のようなメイクをしていることから、インディーズ時代のシドをも彷彿とさせる。実際、この日の女性客の大半が彼ら目当てだったようだ。

平日の夜ということもあって、動員はなかなか厳しいようだったけれど、オープニング・アクトを除けば音楽性が統一されており、またそれでいて三者三様の魅力をアピールすることに成功していた。

去年の12月、東京・上野のBRASHに7117の対バンとして出演したアカシアオルケスタが、ふたたびBRASHでライブを行なった。大阪のバンドなので、都内では年に数回しか観られない貴重な機会である。

しかも、これまたふたたび7117との共演であった。共にジャズをベースにしたスタイリッシュなサウンドで、ジャンル的には「ポップス」にカテゴライズされていながらも、ライブではハード・ロックばりにラウドでアグレッシブ。そして強烈な存在感を放つ女性シンガーを擁している点においても、7117とアカシアオルケスタには共通項があり、さながら東西ディーバ対決(?)といった趣。

今回は、BRASH開店一周年企画の一環として「スリーマン」という形態。とはいえオープニング・アクトが加わるので、実質的に4組の出演となった。開場30分ほど前から入り口で待つ。その前には大阪ナンバーのバンが停めてあり、がぜんテンションが高まる。

18時半に開演。新世代の鍵盤楽器「クロマトーン」を駆使する、遊佐未森風の不思議系シンガー・ソングライター小山あかりを経て、見世物小屋を思わせる不気味で陽気なSEに乗せ、アカシアオルケスタが登場。

前回から丸1ヶ月挟み、たっぷりCDで“予習・復習”する時間があったわけだが、今回はまだCDに収録されていない新曲が中心。バキバキに歪んだオルガンが暴れまくるガレージ・サイケ調のナンバーもあり、そっち方面のバンドと組んでも面白いかなと思った。

ただ、おそらく地元と同じセットリストなのだろうけれど、関東では観る機会が少ないだけに、CDの曲をもっと演って欲しかったのが正直なところ。とくに『一人遊び』『結び糸』『操り人形』などシングルカットないしPV化されている代表曲をもっと盛り込めば、より強くアピールできたのでは(あと欲を言えば『君がくれた青』も聴きたかった。いちばん好きな曲なんだけど……) 。

ヴィジュアル面においては7117と同様に、バックの男性3名は黒いスーツ、フロントマンの藤原岬は露出度の多い刺激的なコスチュームというコントラスト。とはいえ、7117の男性陣が基本的にサポート・メンバーなのに対し、アカシアオルケスタは正式メンバーであるためか、演奏中のアクションが激しい。ギターレス編成ながら物足りなさを感じさせず、気迫に満ちたアンサンブルは圧巻と言うほかない。岬嬢の美貌に眼を奪われてしまうが、キーボードの人のアヤしい動きにも要注目だ。

続いて我らが7117。1月に観た際、abは病み上がりとのことでいまいち精彩に欠けるステージだったけれど、今回は普段どおりパワー全開で一安心。ただ、前回に続き衣装は微妙だったw 終演後に聞くと、本来準備していた衣装を家に忘れてしまい、上野で購入したらしい。

一方、もう一人の主役であるサックス奏者のASUKAは、ステージ前方に踏み台を置くことにより、客席との仕切りのバーまで身を乗り出し、積極的に観客を煽り立てていた。

この日は、今月27日に発売されるニュー・アルバムから『バタフライ』という新曲を披露。展開の激しい、濃厚な印象のハード・チューンで、7117の集大成とも言える曲調に期待が高まる。
 
トリを飾ったのは、シンガー・ソングライターの右藤綾子。シンセのカラオケを基本に、時にはアコギをつまびきながら、ゆったりと歌う。ステーキの後にすき焼きが出てきたような“濃い”“熱い”ステージが続いただけに、さながら口直しのシャーベットのように心地よく聴けた。常連と思しきサラリーマン風の男性客が、愛情の裏返しのような野次を飛ばしていたのも微笑ましい。男子二人と「男の娘」の三角関係を題材にした歌もあり。

その一方で、カジュアルな私服に着替えたアカシアオルケスタの面々が、闇にまぎれて物販を撤収していた。上野から大阪までの道程を、これからメンバー自ら車を運転して帰るわけだが、この日はその前に寄る所があると言っていた。abさんもライブの後に仕事が入っていると言っていたし、華やかなステージの裏で人知れず努力しているのだ。