インディーズのヘヴィ・メタル・バンドVRAINのライブを観るために東京・恵比寿に足を運んだ。「ちびらり」というバンドが主催するイベント『轟音玉手箱』の第2回で、ASRAやMARY'S BLOODも出演する。

会場となる「LIVE GATE」の場所をチェックしておこうと思い、とりあえず開場の1時間半ほど前に到着したが、地下に続く階段にはもう行列が出来ている。なるべく前の方をキープしたかったので、そのまま待つことにした。私が腰をかけた位置からは、エレベーター前でVRAINのメンバーがプロモーション・ビデオを撮影している様子がはっきり見えた。

※その時の映像がこれ→http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=4206403

予定より30分ほど押して開場し、開演時刻になると、ステージを遮るカーテンの横からちびらりの女性シンガーと男性ギタリストが出てきて、前説を行う。この後も二人は幕間のたびに登場し、出演バンドのシンガーを交えながらテレビの歌番組のような楽しい掛け合いを披露した。このような趣向はメタルのイベントとしてはひじょうに珍しいけれど、ライブ活動やアルバム制作などの裏話なども聞けて得した気分になれた。

トップ・バッターは仙台から来たASRA。バンド名の通り、インドの古代神話をコンセプトにしたエキゾチックで変則的なメタルを追求する5人組だ。ちなみにこのイベントに出演したバンドは、どれもシンガーが女性でツイン・ギターという編成だった。

DISK UNIONで特典のDVD-R目当てに買ったアルバム『AHURA MASTER -MARGA-』は、プロダクションの弱さに加え、ヴォーカルの弱さも相まって、独自の世界観を消化し切れていない印象を受けた。しかしライヴでは、じつにオーセンティックなパワー・メタルを聞かせる。音源ではどこか“内向き”な感じがしたものの、MCは意外と饒舌だし、シンガーの表情も豊かだ。

ただ、声の細さは変わらず。どちらかというと、バラード・ナンバーやヘヴィネスを強調したスロー・テンポな曲の方が声に合っている気がする。

続いてLOUD'N'PROUD。このイベントで唯一の男性シンガーのバンド……と思いきや、シンガーは女性だった。失礼しました。でもどう見てもホスト風のイケメン男子としか思えない。

曲調は80年代の「ジャパメタ」の流れを汲む王道スタイルだが、やはりSHOW-YAというよりも44MAGNUMやANTHEMなどに近い雰囲気だ(この辺はよく知らないので正確な喩えじゃないかもしれないけど)。

そしてVRAIN。前任ギタリストNODOICHIの脱退や、栃木県在住のシンガー兼キーボーディストHIROの被災などといったトラブルが重なり、活動休止を余儀なくされていたが、なんと2名のギタリストを迎えて復活を果たした。その第1弾となる前月のライブは、残念ながら仕事の都合で観に行けなかっただけに期待が高まる。

シンセサイザーを導入したサウンドに加え、中世ヨーロッパの貴族と宇宙人が合体したようスタイリッシュなコスチュームで、サイバーパンク的な世界観を体現する自称「ネオ・ドラマティック・サイバー・ハード・ロック」。

ところがHIROのMCは、なぜかこの日にかぎって栃木弁。近未来的な衣装とのギャップが可愛い。

ただ、のっけから新曲2連発、その後もアルバムの後半に入っているマニアックな曲ばかりが続き、『EMERALD』や『SOARING REFRAIN』のような派手なナンバーを期待していた自分にとっては少々肩透かしだった。

おまけにこの日は音の分離が悪く、シンセは元より目玉となるツイン・ギターも視覚的なインパクトに留まっていた。イベント全体を通して機材トラブルも多かったらしく、次回やるときは会場を替えたほうがいいかも。

次は、個人的にはVRAINと並ぶ本日のメイン・アクトMARY'S BLOOD(「マリーズ・ブラッド」ではなく「メアリー・ブラッド」と発音する)。VRAINのTシャツを着て最前列を陣取っていた観客たちが、幕間にいそいそとMARY'S BLOODのTシャツに着替えていた。

女性メンバーを中心に構成される所謂「嬢メタル」は、音楽性は元よりヴィジュアル面も重視するバンドが多いけれど、その中でもMARY'S BLOODは最たるものだろう。メンバー5人全員がアイドルのような美形揃い。それも同じ系統の美女ばかりではなく、ギャル系、妹系、パンク系、癒し系、男前女子と5人それぞれキャラが立っている。加えてコスチュームも、白を基調に統一しながら各々のキャラクターに合わせてコーディネートされており、徹底したイメージ戦略が伺える。

音楽面に関しては、前出のVRAINのようなテクニカル志向とは対極に、シンプルなアレンジで攻める。メタル・バンドにとっては誉め言葉にならないかもしれないが、パンク・ロックに通じる勢いもあり、ライブ向けのサウンドと言える(ちなみに1stシングルの曲は『SAVE THE QUEEN』というが、とくにSEX PISTOLSを意識したわけではないとのこと)。

またMCも控えめで、儀式のような緊張感を演出する。そんな中、シンガーEYEの「女性の強さや人間の尊厳について歌っている」という発言が胸を打った。

ただ、この日は新曲がメインで、音源化されている曲は先述の『SAVE THE QUEEN』と『BLOOD』の2曲しか演奏されなかった。新曲のお披露目はサプライズとしては面白いかもしれないが、元よりライブハウスの劣悪な音環境で曲の良さを十全に伝えきることはできず、盛り上がりに欠ける内容であったことは否めない。私としては、いつもCDで聴き慣れている曲が、ライブではどのような表情を見せるのか……というのが楽しみだっただけに、VRAINと同様、不完全燃焼に終わった感がある。

トリを務めるのは、主催者のちびらり。コミック・バンドのような名前とは裏腹に、正攻法のパワー・メタルで迫る。幕間のトークによると加圧トレーニングで鍛えているというだけあって、とにかくヴォーカルの声量が半端ではない。

ファンたちもグッズの団扇を振り上げてそれに応える。この団扇には歌詞のサビの部分が印刷されていて、一見の客でもシンガロングに加われるように工夫されている。それを読むかぎり、ジャパネスク志向の語彙が陰陽座に通じる世界観もあるけれど、曲調自体はよりキャッチーで気持ち良く首を振れる。

この日はVRAINの新作シングル(ちなみに特典としてメンバー全員のサインが入ったフライヤーが貰えた)やMARY'S BLOODのメンバー全員サイン入りCDなど出費が嵩んだため、あいにく持ち合わせがなくなってしまったが、いずれ音源を入手してしっかり聴き込んでみたいと思わせる逸材であった。

3日の土曜日は、abのアコースティック・ライブを観るために上京。


会場となるイタリアン・レストラン「Bar E Torattoria Piu(バール・エ・トラットリア・ピュウ)」の最寄り駅「池尻大橋」は渋谷の先にあり、かなりの距離だ。しかし、二部構成で合わせて1時間のワンマン・ライブとあっては重い腰も上げなければならない。



百錬ノ鐵 アメブロ支部

百錬ノ鐵 アメブロ支部


開場の30分ほど前に到着する。壁一面のガラス越しに店内の様子を伺うことができ、まさにリハーサルの真っ最中で得した気分。ラインナップは主役のabの他、アコギ奏者2名が伴奏を務める。7117のプロデューサーで、ライブではキーボードを担当する浅田昌也と、2007年に再結成を果たした「もんた&ブラザーズ」のギタリストshuだ。もんたよしのりのポジションにabが収まっている、と考えたらなんだかすごい。


リハが押したため、15分ほど遅れてスタート。この日のライブは7117を中心としたabの持ち歌に加えて、昭和の名曲を中心にカバーするという趣旨である。第1部は『オリビアを聞きながら』で幕を開けた。abが福岡から上京したばかりの頃、キャリアの第1歩となるクラブ・シンガーのオーディションで歌った曲であり、思い入れがあるのだという。


ab自身は以前からアコースティックの生演奏に興味を抱いていたものの、通常のバンド編成よりも曲間のMCの比率が大きいことから躊躇っていた、といったことが語られる。普段のライブでMCが下手だという印象はまったくないのだが、ファンの贔屓目もあるのだろうか。


SHANGRI-LAの相方であるsattinも来ていた。産休中の彼女は当初、一般の客として来る予定だったが、せっかくだからということでゲスト参加することにしたらしい。第1部ではザ・ピーナッツの『恋のバカンス』とオリジナル・ラブの『接吻』をデュエットした他、待機中に客席から話しかけるなど、MCに苦手意識をもつabを温かく、的確にサポートしていた。ライブハウスでの演奏とは異なり、終始ホームパーティーのような雰囲気だ。


なお、この日のabのファッションはニンフ(水の妖精)を思わせる水色のヒラヒラしたドレスに加え、第1部ではツバの大きな黒い帽子を被っていた。口元だけが照らされてセクシー、とはsattinの弁。もっともshuには不評だったとのことで続く第2部では脱いでいた。


第1部終了後、本来は食事のための休憩が1時間ほどあったのだが、客はみんな開演前に食事を済ませていたため、20分ほどで再開した。


第2部の1曲目は、ソロのレパートリー『三つ数えて』。アコースティック・ライブということでセットリストもバラード限定になるのかと思いきや、こういうノリの良い曲も披露された。テンポを落としているため、なんだか退廃的な雰囲気になっていて面白い。


ただ、アレンジが元曲とあまりにも違っているためか、歌を入れるタイミングがずれる場面も。shuの華麗なギターさばきに、うっかり聞き入ってしまったようでもあった。ちなみに、ギターは浅田がコードを刻む上でshuが縦横無尽にフレーズを繰り出すといった分担であったが、音の分離があまり良くないのか浅田の前のアンプからshuの音が聞こえてきたりして、少し混乱してしまった。


sattinとの2回目のデュエットは、abをイメージしてsattinが歌詞を書いたというSHANGRI-LAのバラード・ナンバー『ISLAND』。先日、sattinのアコースティック・ユニット5 minutes on footが突然解散してしまったのは記憶に新しいけれど、SHANGRI-LAの方はこれからもマイ・ペースに続けていってほしいものだ。

また7117のナンバーとしては、最新アルバム『JUNK PARADISE』の中から7117自体のライブではまだ一度も演奏されたことのないバラード『ヒメゴト』も披露された。


本編のラストを締めるのは、abと同じ福岡出身のMISIA『EVERYTHING』のカバー。オリジナルとはまったく違う声質なので、まったく違う曲のように聞こえるが、カラオケの十八番であるというとおり堂々とした歌いっぷりで自分のものにしていた。


その後アンコールもあり、7117の『JUNK PARADISE』が披露される。最新アルバムのオープニングを飾るアップテンポなタイトル・チューンを、アコースティック・アレンジ特有のグルーヴ感で盛り上げていた。

千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館で開催されている『妖怪変化の時空』に足を運んだ。
http://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/special_03.html

ちょうど10年前の夏に『異界万華鏡―あの世・妖怪・占い―』と銘打って大規模な妖怪特集を開催した歴博であるが、毎年そのような企画を行っているわけではなく、一昨年の『百鬼夜行の世界―百鬼夜行絵巻の系譜―』以来である。ゆえに公式サイトをチェックするのをすっかり忘れていて、終了の前週になってようやく開催を知った次第。


一昨年と同様、今回も第3展示室内の一室のみを使ったミニ特集だ。妖怪や幽霊の絵を『風聞と怪異・妖怪』『歌舞伎』『妖怪絵巻の世界』『妖怪絵師列伝』という四つのテーマに分け、ガラスケースに並べただけのシンプルな趣向である。百鬼夜行絵巻はスペースの都合で一部分のみ展開。作品の全体を表示するスライドなどといった凝った装置もなく、正直なところ物足りなさはある。


とはいえ、各種妖怪本などで見慣れた歴史的名作の原画を目にできることの興奮は大きい。日本の粋な妖怪画には、やはり和紙の素朴でしなやかな質感がしっくりくる。もしこんなものが自宅の物置からポロンと出てきたら……なんて想像してみるのも楽しい。

現在リニューアル中の第4展示室では、それらを常設展示する予定もあるとのことで、今回の企画はその予告といった色合いが強いようだった。

なお『異界万華鏡』『百鬼夜行』の際には、それぞれ充実した解説が付された読み応えのある目録が販売されたが、今回はなし。イベントの記念グッズとしては、妖怪を胸元にプリントしたTシャツやマグネットが売店にあった。

今年の春にTBS系列で放映されていたTVアニメ『Aチャンネル』のイベント『AチャンネルFes!~みんなで仲良くAしましょ!~』に行ってきた。

日曜日なので本来は何の気兼ねもなく観に行けるはずなのだが、あいにく仕事が入ってしまった。休日出勤を免れた代わりに、翌日は朝4時に起床してこの日の分の作業を片づけなければならない。終電を気にしながら観るライブほど興冷めなものはないが、チケット代を無駄にしなかっただけでも幸いとすべきだろう。


原作は、女子高生の何気ない日常をスタイリッシュな絵柄と独特のユーモアで活写した、いわゆる“萌え系”の4コマ漫画である。主要なキャラクターは教師を除けばほぼ女子で占められており、若干百合的なニュアンスもあるため、個人的には気に入っていた(とはいえ、単行本が出たら買うというていどで、さほど熱心なファンではないことをお断りしておく)。

しかし、私自身が流行に疎いということもあるだろうけれど、巷で評判になっているという話は寡聞にして知らない。深夜帯とは言えTVアニメ化されるという情報を、TwitterのTL上で目にした時には、デマかと思ったくらいだ。しかも、てっきりローカル局でひっそり流れるものと高を括っていたら、TBS系列で全国放送されており、うっかり第1話を見逃してしまったという体たらくである(繰り返すが公式サイトをチェックするほど熱心なファンではない)。

その上、今回のイベントの会場は、なんと日本青年館である。見逃した第1話をチェックするためDVD第1巻を買うと、特典として先行予約のサイトにアクセスできた。マイナー(と言い切ってしまっていいのかわからないが)なアニメのイベントを、これほど大きな会場で開催するというのが珍しいのと、本格的なアニメ・イベントに参加したことがなかった(石丸電気のミニ・ライブなら何度かあるが)ため、貴重な機会だと判断し応募してみることにした。

抽選には通ったものの、席は2階の真ん中ら辺。これじゃあ先行予約の意味ないじゃん、と思いきや、蓋を開けてみれば満員であった。実際のところ、私は『Aチャンネル』を見くびりすぎていたのかもしれない。


さて、当日は秋葉原で途中下車し、メッセージ・ペーパー特典目当ての百合漫画を計2万円ほど買い込んだ。同人コーナーを横目に見ると、ほぼ『まどマギ』一色であるが(森永みるくが描いたのもあった。買わなかったけど)、『Aチャンネル』の二次創作もいくつか出ていた。TVアニメ化を受けて、やはりそれなりに認知はされているようだ。

会場に着いたのは開場30分前であった。そこにはすでに『Aチャンネル』のTシャツやタオル、バッジなどの公式グッズを身につけた観客が大勢待機しており、洋楽ロック・バンドの来日公演のような熱気が漂っていた。グループで来ている人たちも目につく。『Aチャンネル』の私設ファンクラブのようなものがあるのだろうか。


開演時間を10分ほどすぎると、今回のイベントの司会者であるニッポン放送の男性アナウンサーが登場した。客席にどよめきが走るも、リハーサルが長引いているため、これからさらに開演が“押す”のだという。終電のことが頭を占領し、気もそぞろである。

けっきょく本来の開演時間である18時より30分ほどすぎてから、本編スタート。司会者の挨拶の後、ステージ中央からせり上がってくる形で河野マリナが登場し、アニメのオープニング・テーマ『MOURNING ARCH』を熱唱する。この曲を生で聴けただけでも仕事を後回しにして来た甲斐があったと思えるほどの名曲で、爽やかさと切なさが絶妙の配合でブレンドされたメロディーに会場のボルテージもマックスに達した。


続いて、声優陣の中から男性を除く6人の女性が全員登場し、河野を交えてクイズを行う。アニメのシーンをピックアップし、一部分に修正をかけた上で、その隠されている部分をあてるというものだ。正確な回答をするよりも、むしろ回答者の“ボケ”を楽しむといったノリ。ようは初回限定版DVDに特典映像として収録されている特別番組『Aチャンネル+』の拡張版といったところだ。録画もしていたので後日何らかの形でソフト化されるものと思われる。

次に河野が退場し、声優のみで2種類のゲームを行う。まずは作品の中から各キャラクターの印象的な1コマを取り上げ、当該キャラクターを演じる声優が、他の声優がつけた台詞の中からベストとワーストを選んで演じる。それが一通り終わると、声優が3人ずつの2チームに分かれ、各々が作ったカルタを取るというゲーム。

こうした趣向からもわかるとおり、このイベントは『Aチャンネル』という作品より、むしろ声優ありきのようである。実際、声優たちのトークも作品の魅力や印象に残ったシーンなどに言及することはなく、もっぱら楽屋オチに終始していた。また、原作者である黒田bbやアニメ監督の小野学らの出演もなかった(客席にはいたらしいが)。

そう考えると、今回の満員御礼も声優の人気によるものなのかもしれない。なるほど『Aチャンネル』の女性声優陣は、いずれもアイドルとしてもじゅうぶん通用するほどのルックスとキャラクターを備えている。

とはいえ声優ファンの方々には申し訳ないが、私にとって声優はあくまでも裏方であり、水樹奈々クラスの大物を除けば特に関心の対象ではない。顔と名前すら一致しないくらいである。あくまでも「作品」のファン(とはいっても先述のとおりあくまでもライト・ユーザーだが)である私としては、会場の熱気がどこかアウェイなものに感じられたのが正直なところだ。


もっとも、退屈だったわけではけっしてない。イベントの最後を締めるのは、やはり音楽。取り分け『Aチャンネル』は、なんと全13話の各エピソードごとに異なった劇中歌を設け、4名の主要キャラクターがソロで、あるいは複数名で歌うという豪華な試みに挑戦している。それもいかにもなアニソン調だけでなく、演歌、テクノとバラエティに富む。

イベントでは、もちろんそれらの曲も披露された。さすがに全曲とはいかないが、メドレー形式ではなく各曲ごとにフル・コーラス歌われるところに、このアニメにおける音楽の重要性が示されていた。

加えて、主要キャラクター4名にはそれぞれのイメージ・カラーがあり、持ち歌を披露する声優が交代する度、観客はそれぞれの色のサイリウムを持ち換えて振っていた。私はと言えば、入場の前に物販で購入した赤いサイリウム1本のみだったので、少し心許ない。

ラストは、4人で歌うエンディング・テーマ『ハミングガール』。他の曲でもそうだが、アイドルのような振り付けがあり、とくにこの曲は4人の動きを合わせるため入念なリハーサルが施されたそうだ。開演の遅れもそれが理由らしい。

演奏終了後、感極まって泣きじゃくる声優も。【トオル】役の悠木碧だ。「観客の表情をしっかり見ておきたくて初めてコンタクトを入れた」とも語っていた。そんな悠木はこの日、初めて人前で歌い踊ったとのことだが、まったく気にならなかった。パフォーマンス自体の良さもさることながら、たんに声を当てるだけにとどまらない声優という職業のハードルの高さと、それを難なくこなしてしまう彼女たちの実力とプロ根性に感服した次第である(相変わらず名前は覚えられないが……)。


3時間に及ぶ長丁場のイベントが、ようやく終わったかと思いきや、会場全体からアンコールの声が。まだ退出するわけにはいかないようだ。ううむ、終電が気になって仕方がない……再開までの時間が苛だたしく過ぎていく。

じらすかのように3分ほどの時間が経った後、ステージ後方のスクリーンにアニメが映し出される。OVAとして発表される続編を告知するものだ。番組終了から数ヶ月も経った中途半端なタイミングでイベントを開催した意味が、ようやく理解できた。

そして司会者に導かれ、会場で販売されていた水色の特製Tシャツ(主要キャラクター4名をシンボライズしたイラスト入り。先述のサイリウムにも同じイラストが入っていた)に着替えた6名の声優と河野が登場。ふたたび『MOURNING ARCH』。基本的には河野の独唱だが、サビを全員で歌うスペシャル仕様だ。


炸裂するパイロと共に銀テープが飛び交う中、華々しくイベントは幕を下ろした。客席では三三七拍子も上がったが、余韻に浸る間もなく駆け足で信濃町駅へと向かう。幸い終電には間に合い、私の長い一日も終わった。


「はてなダイアリー」で公開しているブログ『百錬ノ鐵』およびmixiに掲載していた、ライブやイベントのレポート、ディスク・レビューなどの記事をアメブロに移行しました。