イラスト&ショートストーリー製作工場 -88ページ目

「キミに質問があります」

シャキーン* が、ボクは大好きだ。

「借金じゃないよ。シャキーンね」


この前の放送で、むずしい質問を友だちに出して、

遊ぶというのがあったよ。

おもしろいから、ボクとやってみない?

二択だから、どちらかを選べばいいんだ。

いい? ボクの出す問題に答えてね。

いいよね。



1問、

「好き」と「愛している」は、どちらが長く続く?

次ね。



2問、

「バカ」と「アホウ」はどっちが言われたらつらいの?


3問、

「パパが弱い」のか「ママが強い」のどっち?



4問、

「ママの言うことが正しい」のか「おばぁちゃんの言うことが正しい」のどっち?



5問、
「世の中のことを知らない方がいい」のか「知った方がいい」の?



どうだった? おもしろいでしょ。

正しい答えは「大人になればわかるよ」って言われた。

だから、答え合わせはいいよね。



日刊というわりには、ほぼ週刊「キミに伝えたいこと。」キャンペーン中!

まだ、いっぱい問題があるんだ。

また遊ぼうぜ。



*「シャキーン」NHK教育チャンネルのキッズ番組







「スリラーな話」

午後、妻と中古リサイクル店に行った。


土曜日ともあってか、引き取りカウンターの前に列ができていた。

持ち込んだゲームソフトや本を買い取ってもらっているのだ。

カウンターの脇にテレビモニターがあり、

マイケル・ジャクソンのミュージックビデオが流されていた。


マイケルが月明かりで、オオカミに変わっていく


「スリラー」も、その一つ。

当時、そのミュージックビデオに世界じゅうの人が魅入ったものだ。


懐かしいビデオを立ち見しながら、

「それはいつごろの話だったろうか?」

と僕は考えた。


デートの帰り道、「もし・・・」と僕は話を切り出した。

彼女はつぶらな瞳を向け、「なに?」と聞く。

彼女の自宅までの500メートル、暗い歩道に街灯が点々と足元を照らす。

見上げれば夜空には月。

もし、この月のせいで僕がマイケルのように、

急にもがき始めてオオカミになったら、どうする?

「怖~い」と首をすくめた彼女。

「マジで!」

僕はそう言って、爪を立ててみせる。

「キャ!」と叫び、笑いながら走り出した彼女。

「マジだぞ~」と言いながら、僕は彼女の後を追いかけた。


あれから27年経つのか・・・。

「初デートのこと、覚えている?」と僕。

「そんなこともあったかしら?」

と、妻は宙を見つめた。


今は亡きマイケルがゾンビたちと踊り始める。


日刊というわりには、ほぼ週刊「キミに伝えたいこと。」キャンペーン中!

「今思えば、」

と妻は押し殺したような声で言う。


パパは豹変してもタヌキさんだから、

将来、もっとお給料取れるように頑張れって、

思いっきり蹴飛ばしてやれば、よかったわ。


そんな風に、昔にない強さで。

それが、スリーラー・ナイト―――。


「生かされている意味」

何かに生かされていると思うことがある。


小学低学年で、鍵っ子の僕が河川敷で遊んでいて

川に落ちて流された時も

予備校生だった僕が裏路地の道路を横断していて

101回目のプロポーズ」よろしく大型トラックが鼻先で止まった時も

目を開けた時、僕は生きていた。

その後、東京に出て、一端の社会人となり

生かされているという自覚もなしに

何のために生まれたのか何て、キザに悩んだりして


当時、巷で流行っていた尾崎豊の歌う「15の夜」じゃないけれど

盗難ではなく5年ローンでようやく手に入れたバイクで国道を走っていたら

ファミレスから唐突に出てきた車に跳ね飛ばされた。


身体が弧を描くように宙を舞い、アスファルトに叩きつけられた後で

目をそっと開けると、そこには青い空があった。


流れる雲を見つめ、救急車のサイレンを聞きながら

間抜けな僕は、その時、ようやく気が付いたのだった。


日刊というわりには、ほぼ週刊「キミに伝えたいこと。」キャンペーン中!

僕たちは死ぬためにではなく

生きるために生まれてきたのだと