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雑記

愛食家な彼女も、45回


愛食家な彼女

大体の大筋とトリックこそ決まっているけど

基本的にアドリブ小説なので


何度か休載したものの


ここ最近、ほぼ毎日書きあえて掲載出来ていることに

少し自分でも驚いている。


ここにきてやっとこさ物語が動き出したのだから

進めやすいのは当然としても


その場の思いつきで、ネタを載せたり、文章の形態を崩しまくってみたり

あれこれチャレンジしてみることで、

何故か実験的な感覚がある。


第一章のリテイク版を最後まで上げきるのと、第三章の続きを上げることのほうがどう考えても順番的に先なのだが


妙に楽しくなってきてしまった。


薄野紗江(現代)についての描写をできるだけ少なくして

なぜかわからないけど、高柳と付き合っているという状況

薄野紗江(過去)についての描写をできるだけ多くして

現代版と比べてみると、どうしても違和感が出るという状況


読んでる人間側には、いらいらする文章だろうなぁと思いつつ

意図的にそれをやるとどうなるのか?


そういう綱渡りをずっとしている感じ、そのリスキーさも

描いてるほうとしての楽しみだったりする。


こうして書いていると、まるで自慰的な小説だけど、それもたまにはいいや。


そうそう、第三章幸福在処は完成を急ぎすぎたせいもあり納得がいかないので

一章二章と同じくリテイクする予定。


第四章、いつ掲載できるんだって感じだけど、中途半端に自分で納得のいかないもの世間にさらすよりはましだよな。




小説 愛食家な彼女 45

「駄目だ・・・妄想レベルだ。」


その他のキーワードからもマッピングに行きつくほどのつながりは見当たらない。


「調査不足だ・・・・明らかに」


そう思って、もう一度キーワードを見返してみる。


他にもキーワードをを集めてみる者の大した形は見えてきそうになかった。


しかし・・・


一番気になるのは小学生というキーワード・・・・。


まともに見ると、偶然小学生という言葉が重なっただけで、事件そのものを見れば小学生が深くかかわったことなど、第三の事件の被害者くらいだ。

気にするほうがおかしい。


ただ気にかかるのだ―ここに第五の事件を加えた時、それは意味をもつような気がしてならないのだ。


第五の事件―昨夜巻き込まれたコンビニ強盗・・・予測通り関わっているとするならば

小学生と言うトピックスに新たに追加されることになる。


ビデオでも見るように昨夜の映像が脳内に再生される。

転(くる)、転(くる)、転(くる)

あの事件でも結局人はしんだ。

女子高生、笹川と呼ばれていた少年、おれの目の前で死んでしまった少年、そして、警部から聞かされた美作という・・・・・まて!!!


もう一つ、もう一つ名前を聞いたはずだ。

ええと、ああくそ、なんだったか・・・・・。


思考は霧の中に差し掛かり、あるはずのものが近くにあってもまったく見える気配のない焦燥感。


目は、答えを求めやみくもに、思いだす「きっかけ」を求め奔走する。


それが捜査資料に映ったとき、おれの背筋に電流が走った。


そう、そうだ―蓋山だ!


そうだ・・・奥出警部は―蓋山も死んでしまった―と言っていた。

あの状況下では、おそらく笹川と呼ばれていた少年の本名といったところか。

奥出警部が何故それを知ったかどうかはわからないが


この蓋山という苗字が、第二の事件にそのまま出ている。

被害者の恋人だ。


蓋山が京都という土地において多いか少ないかでいえば少ないに違いない。

これは偶然の符号?

いや、考えにくい。奥出警部の態度と合わせれば関連性を疑うのは自然。

アリ―そう、これは『アリ』なんだ。

ごくりと喉が鳴った。

蓋山は現在拘置所。

謹慎処分中に、奥出警部に見つかることを考えれば自ら会いに行くことは難しいか?


いや、こういう時こそ―。


 ◆ ◆ ◆


「で?そんなあいまいの論理で、けが人の私に高柳のお使いをしろって?」


女が気分を害した時の声は、男よりも低く感じるのは俺だけだろうか?

少なくとも、俺は今そのように聞こえている。


「どの口がそんなこと言えるんだろうか?大口叩いて、結局犯人を死なせてしまった高柳君・・・・。」


心臓にぐさりと来た。

冗談ではなく、大口叩いて、二つの命を守り切れなかったのは確かだ。

おれは、思考が下り、気分も下り、一気に頭が重くなったような感覚に苛まれ、次に出す言葉を引っ込めるしかなかった。


「しかたない、別に責める気はないんだよ。高柳。お前は全力を尽くしたと思う。」


藤本刑事の声は低いままだった。

だが、俺の気持ちは大分と楽になっていた。

―その瞬間ふと気づく。

藤本刑事は、叱るのがうまい人なんだと。

タイミングのいいところで反省をうながし、それで落ち込んだ俺をちゃんとフォローしてくれる。卑屈にさせずに人を叱れる人ってそうはいない。


俺、本当にいい先輩持ったな・・・・。


「だが、それとこれとは別だ。何故、何針か塗って安静にしているように言われた私がお前のわがままを聞かなくてはならない?お前どんだけ鬼畜だ?」


「それはそうですが―」


「そうですがも糞もない。あの後、いっこうに見舞いもこない!電話もかかってこない!それでようやく電話がかかってきたら、そんな理屈で怪我人を使う気か!!?ふざけるのもたいがいにしろ!!」


「・・・・」

ぐうの音もでない。

しかし、ほかに頼れるあても・・・・。


「それに高柳・・・私はまだお前の約束を果たしてもらってない。」


電話の向こうで小さなため息が聞こえた。


「全てを話してくれるって言ったじゃないか・・・・」


なぜか胸が締め付けられる思いがした。

そんな・・・そんな、寂しそうに言わないでください。そんな声出されると反則じゃないですか・・・・(何が?←自主つっこみ)。


「どういう意味か全然わからなかったけど―私はお前のその言葉で自分を曲げたんだぞ?ひどいじゃないか・・・・」


うわぁ、なんか切ない声で言われたぁ!!?駄目だ!完全にコントロールされてる!いつもの藤本刑事の口調からは考えられないようなはかなげな声に、思考が洗脳されそうだ!


「病院で待ってる。」

「走っていきます。」


俺は紗江一筋です(←自分に言い訳)


 ◆ ◆ ◆


で、着いてみると

―むくれた顔の紗江と、ケラケラ笑う藤本刑事がいた。


「なんでここに?」

もちろん紗江にそう聞くと、紗江はいよいよ泣きそうな顔をした。

「別に・・・、ケンジ君から珍しくお昼ご飯のお誘いがなかったから、携帯に電話をかけても出てくれないし、それで沙世さんに連絡したら沙世さん怪我して病院にいるって言うし、お見舞いに来てみれば・・・・藤本警部が・・・」

「が?」


「高柳の薄野に対する愛情を確かめようって・・・・・」


・・・・・・。


・・・・―ええと、もしかして今俺・・・


「OUT?]

「Yes,もっちごっつでOUTだよ、高柳☆」

なぜか満足そうにピースを決める『藤本コノ野郎』。

ついに泣き出した紗江。

公開と謝罪とその他もろもろと怒りでゆがんだ俺の顔。


なんだ?この状況。

小説 愛食家な彼女 44

自宅に、捜査資料のコピーを持ち込む。


もちろん無断だった。


情報を取り出すときにはある程度手法と言うものがきまっている。


まず、何も考えないで情報だけを読み取り、内容だけを理解する。


無駄に関連性を求めない。


次に、ワードにラインを引いていく。

同じ言葉にワードを引き

さらに、ワードから連想される言葉を別の用紙に列挙し

そこに含まれている言葉がないか捜し出す。


完成を用いない、論理的思考を働かせる前の全段階。


フラグメントを上げていく。

さらに集められたワードをグループ化しトピックスを与えていく。


頭の中にインデックス(目録)を作り


次にマッピング―ここで思考を始めて働かせることになるのだ。



高柳はけしてずば抜けて頭のいいほうではない。

だが、思考の細分化と効率性に特化した頭の使い方を常に知っていた。



最も多く出てきている言葉


殺人事件では 死 殺 死体 殺人 があげられるが


これを一番大きなまとまりとする。


さらに、次に出てきている情報で大きなものは


食べるに関連するワード―。

第一の事件で、汐芳樹がほのめかした食人行為をもととし

それにつながるワードを書いていく。

第二の事件

塩 胡椒

第三の事件

ケチャップ マヨネーズ ビネガー

第四の事件

バター 食塩 胡椒



殺人事件に得意なこのトピックス―これが、『共通性のある死体損壊』の根拠であり

連続殺人事件と名付ける原因となったものだ。


これをひとまず置いておく


さらに次に多くワードをもったトピックス これが 『薬』 だった。


第一の事件

被害者の父親は薬剤会社の社長

第二の事件

麻薬中毒の蓋山

第三の事件

被害者の父親は治験審査委員

第四の事件

被害者はオキシノ化粧品の所属


同率で多かったワードをもったトピックス

『性』


第一の事件

女性関係の多い被害者

第二の事件

援助交際、浮気、別れ話

第三の事件

冷え切った家庭

第四の事件

少年愛


さて、次に多かったワードこれが珍しかった。

『小学生・少年』


第一の事件こそ関連はないものの


第二の事件

第一発見者は小学生

第三の事件

被害者、第一発見者ともに小学生。

第四の事件

被害者の性的興奮対象が小学生。



そして、重要な情報がもうひとつ

『死因』

のトピックス。


―共通性―


が、


ない。



この情報は不思議だった。

連続殺人事件において獲物を変えるということは不可思議ではない。


ただ、この犯人の場合においてはそれが不可思議で他ならない。


犯行現場に調味料の痕跡を置いていくたいどは

人食という行為のアピールに他ならない。

そしてこの行為は同時に、挑発的であると同時に

「冷静・計画的・故意的」であることを示唆し


そう言う犯人像から察すると・・・・・。


やっぱり変だ。


この犯人は、猟奇的でありつつも、冷静で、計画的だ。


実際、今になっても犯人の影さえつかめていない現実がある以上―この犯人は挑発的な態度をとりながらも、それ以外のところでは狡猾に几帳面にことをうまく運んでいるーそういう人間に違いない。


―だったら、なんで無意味に凶器を増やすようなまねをするんだ?


そう、死因に同じトピックスがない以上、犯人は殺人の度に凶器という物的証拠を増やしていることになる―それはこの犯人の犯人像とは合わないことだ。


ましてや、同じ殺し方をしないということは、凶器を増やすどころか、一度手慣れた殺人の手法を使わないということ―わざわざやったことのない殺人手段を使って、この犯人は不安にはならないのか?


それも、犯人像と合致しない行動だ。




この時点で、高柳には一つの疑念が生まれた。




本当に、これは『連続殺人事件』なんだろうか―?

だが、それはこの殺人事件に起きている「できごと」に連続性がないという事ではない。


高柳が思ったこと・・・それは・・・・


―『殺人に連続性がない』のではないのだろうか?―


ということだった。