100歳の画家の受賞エッセイ  | ワクワクしよう~癒されよう~! Feel Freeにアキのふらっとアレコレ♪

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二人の娘は独立
プレリタイアライフを楽しんでいます♪

引っ越し、海を跨いで11回
いろんな価値観に触れて揉まれて
世界は無限に広がっていて
こうあるべきは一つもないと

これからも柔らかな心で、導かれるように、ワクワクしながら歩いていきたいです♡

おはようございます

あきです




3月11日ですね

1号の受験で母娘2人だけ一時帰国していた時

電車の中で大きな揺れをを経験しました

電車の中に閉じ込められて3時間 

あの時はこんなに被害が及んでいるとは思いもしませんでした


改めて震災の犠牲者の方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます



 

 



 

先日銀座線のパブリックアートを見てきた時のブログで触れた本

 

 

 

 

 

 

やっと借りられました^ ^

野見山暁治さんの日本エッセイストクラブ賞受賞作品です




 

野見山暁治さんの略歴ですが簡単に


1920年福岡で炭鉱業の父のもとに生まれ

17歳で上京、現芸大に入学します

戦争に応召されるも病気で離隊

そのまま終戦を迎えます

そして31歳でフランスへ

43歳で帰国

51歳で芸大教授就任

81歳で名誉教授に

87歳で明治神宮前駅(原宿駅)にステンドグラス壁画、、、となってますね


この壁画、どれだろう


ありました、ありました

西口改札入ったところ


「いつかは会える」


で、ただいま100歳


青山一丁目の駅改札抜けたところにあるステンドグラス作品が氏の100歳の時の作品です

 

「みんな友達」




この本を知ったのはreikoさんのブログでした

 

読み始めたら止まらない

 

何しろ当時の美術学校、現芸大出身の現在100歳

 

交流関係の幅広さは野見山氏の人徳に依るところか

面倒見の良さがここかしこに現れてその人間性に魅かれます

 

日本美術にからっきし弱い私が知っているだけでも

 

藤田嗣治

FOUJITAのお洒落なパリのカフェの絵はお気に入りの一つ

 

坂本繁二郎

アーティゾン美術館で今見られる坂本繁二郎作品

 

和田英作

昨年藝大コレクション展で初めて見た和田英作作品

 

駒井哲郎

一昨年の横浜美術館での駒井哲郎作品

 

 

などなど、、、

 

この本ではちょっと変り者の偏屈爺さん、椎名其二氏が実はファーブル昆虫記を大杉栄氏とともに翻訳した人と知ったのも、reikoさんのブログでした

 

シートン動物記は何冊か持ってたものの、ファーブル昆虫記は虫が苦手過ぎて、、、フンコロガシの話しか知らないんです

これ、国語の教科書の話でしたっけ




 

パリ留学時の日本人画家との交流や

戦後の日本の食うや食わずの中、絵を生業として生きていく覚悟の仲間と助け合いながらの生活


そして九州福岡の子供の頃の話など

作家顔負けの豊かな表現力でしたためていく


その筆力に圧倒です



 

例えば氏の交友関係から少しだけ紹介すると

 

藤田嗣治


第二次世界大戦徴兵前夜に、藤田夫妻にお別れのもてなしを受ける著者でしたが

アッツ玉砕などの戦争画を描いた藤田は日本で叩かれ、逃げるように留学先のフランスに帰り、そこで帰化したのは知っていたものの

フランスでも戦犯扱いを受けていたのは初耳

フランスでの孤独と日本への思慕が野見山の言葉を通してその言動の端々に現れます


なぜ藤田の奥様がここまで頑なに日本での展覧会を許さなかったかか

おぼろげに浮かび上がり胸が締め付けられるのです

 



坂本繁二郎


彼の元に絵を習いに通う政府高官の妻と

既に病んで目も見えなくなっている老人画家との交流をやっかみ半分で眺める著者

その文章はタイトルにあるデッサンというよりまるで一枚の物語絵のように美しいのでした

 

 


和田英作


美術学校校長だった日本画画壇の長老に会ったのは、美術学校制服を着て法隆寺に行くバスの中

短いエッセイの中で繰り広げられるいくつかのエピソードは、和田英作氏がなんと寛大で腰が低く、優しい人であったかを物語ります

吹きさらしのホームで濡れながら汽車が出るまで著者を見送る和田氏

その姿が目に浮かんで、その優しさに心打たれます


 


駒井哲郎


新人画家として雑誌で紹介される同級生駒井哲郎

その都会派を気取るノーブルないい男っぷりとクレーに似た画風のオシャレさにすっかりコンプレックスを持つ著者

実はお互いがお互いを認め合う存在だったと知るその友情の過程にホロリ涙

 

 

他にも自身の福岡の子供の頃の話や芸大入試への疑問を投げかけるエピソード


本当に画家なのだろうか

文筆家の間違いでは?と思わせる文章にすっかり虜にさせられました




ピンときたら是非


日本の戦争前後の画家の作品にもっと親近感が湧くはずです^ ^


少なくとも私はとても心動かされましたし

やはり作者の人となりをこんなふうに知ると、その作品をもっと見たくなりますね



ついでにこの本も




薄い本なので1日で読み終わりそう^ ^


炭鉱育ちの幼少期からの思い出話などなど

楽しいです


 




今日も素敵な一日になりますように^ ^





 

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