レンブラントは誰の手に | ワクワクしよう~癒されよう~! Feel Freeにアキのふらっとアレコレ♪

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二人の娘は独立
プレリタイアライフを楽しんでいます♪

引っ越し、海を跨いで11回
いろんな価値観に触れて揉まれて
世界は無限に広がっていて
こうあるべきは一つもないと

これからも柔らかな心で、導かれるように、ワクワクしながら歩いていきたいです♡

おはようございます

あきです
 
 
 
 
またまたタイトルだけで映画を見てきてしまいました

一番空いている時間帯を狙って平日朝一番に



 
レンブラントは誰の手に
 
 
始まった途端思ったのは
あれ?思ったのとは違う!
アートドキュメンタリーだ〜!
寝ちゃうか?大丈夫か?私…
 
 
だったのですが
これがなかなか面白かったのです
 
ドキュメンタリーと言っても
 
レンブラントを1人楽しむスコットランド古城のバックルー公爵
 
 


レンブラント発掘の虜になっている、レンブラントが肖像画を描いた先祖を持つアムステルダムの11代目ギャラリーの画商 
ヤン・シックス 
 
 


弟子による作品が多く贋作もとても多いのだ、と自ら模写して巨匠の技量を称賛し、その真贋に苦悩するレンブラント研究の世界的権威
エルンスト・ウェテリンク アムステルダム 大学名誉教授

 



レンブラントをコレクションできて狂喜乱舞のNYのアートコレクターで
個人所有の名品を皆に公開することに意義があると公言するちょっと成金ちっくな人
と思いきや、米国では有名な投資家であり環境保護活動家でありアートコレクター
トーマス・カプラン夫妻

レンブラントを世界で最も数多くコレクションし、レンブラントの生まれ故郷に因んでライデン・コレクションと名付けているのです


 


レンブラントを税金対策で手放さなければならなかったフランスのロスチャイルド男爵
自室のベッド脇にかけたこの夫婦の肖像画、その売却額200億円


 そして

 
このレンブラントを国外に出したくないルーブル美術館とフランス政府
 
レンブラントを生まれ故郷にと考えるアムステルダム 美術館館長などなど…

そもそもこの肖像画はオランダにあったものなのです
 
 


この絵の真贋とその商機とプライドに群がる人々



それぞれのレンブラントへの愛、時に名声への固執や思惑が
「美はだれのもの?」という問いを観ているものに投げかけます
 
 
なんといってもその辺りの思惑から対極にいる
信頼している画商から絵を買うことを楽しみにしている老夫婦コレクターの純粋さが物悲しい
 
 
またそれとは別に
レンブラントの筆致の特長などが贋作調査と共に丁寧に描かれていてこれまた面白くて
 
輪郭から茶色い影、そして明るいところはササっと描き、一番明るいところは敢えて描かない
目元から鼻にかけてのS字のライン
一日で描いた絵とは思えないほど糊でパリッとさせた襟のひだの表現力
襟の端の裏返り方
 
なんて言われたら、レンブラントを直接見て確かめたくなるというもの
 
 
 
レンブラントという1人の画家の絵に対するこれだけの熱い熱い思いとドラマが映画いっぱいに繰り広げられます

途中で、これ本当にドキュメンタリー?
脚本があるんじゃないの?と思ったくらい
 
 
監督はウケ・ホーヘンダイク
 
オランダ系ユダヤ人のホロコースト体験の映像で最優秀テレビ・ドキュメンタリー賞の受賞経験を持ち
2010年「ようこそ、アムステルダム国立美術館へ」
そしてその続編
2014年「みんなのアムステルダム国立美術館へ」を監督
 
10年にもわたる国立美術館の改修工事の舞台裏のごたごたを描いたアート・ドキュメンタリーで美術館ビジネスの裏側を余すところなくカメラに収めているとか
観てみたいです

 
「大画家の絵画を所有するエリートの世界は、裕福で年配の白人男性が牛耳っているものの(レンブラントの作品を所有する女性にはまだ一度も出逢ったことがない)、
どの時代にも通じる普遍的なテーマをそこに見つけることができたのです。
それはうぬぼれ、野心、狩る本能、金欲、傲慢、情熱というのは、人間ならば誰もが持っているもの」と語る彼女の言葉
 
 
レンブラント礼賛と表面上捉えがちなこの映画とは裏腹に
強烈な監督のメッセージが込められて
見終わった後にしんみりと心に響きます
 
 
思い出したのが最近聞いたオルセー美術館館長の言葉
「絵を傷つけるかもしれないリスクより皆にこの素晴らしさを知ってほしい
だから絵を見る姿勢に寛容にしている」


 
海外の美術館はほんの少し前まで、絵を模写したり、話したり、子どもたちの授業に使われたり、それはそれは自由に鑑賞していましたっけ
 


日本では静かに見ることが半ば暗黙の了解のように考えられていて
その美を理解できる人だけのものなのかと思うほどちょっと敷居が高い
絵の前でずっと動かない人、話しまくる人、写真を撮る人、足音を立てる人にとても敏感だったりする
かくいう私も多少敏感だったりしたかもと反省
 


が、最近オンラインでの美術館の学芸員さんたちの座談会を聞く機会があったのですが
そこでこんな言葉をききました
 

もっと自由に絵を見てほしい 
しゃべってもいいと思う
他の人にも役に立つことを話したらいいのでは?
今はお喋りは控えなければですけどね^ ^
 

なるほどね
ちょっと気を付けよう
 
美は誰のもの?
1人1人に突き付けられます


オールドマスターを見るのが好きな人には特にお勧めです







三寒四温
春が近づいてきていますね

緊急事態宣言は延長されてしまいましたが
あと少しの我慢
気を引き締めていきたいです



今日も皆様にとって心穏やかな1日でありますように♡