アトピー性皮膚炎、慢性湿疹における様々な漢方薬処方
前回の続き、アトピー性皮膚炎についてご説明します。
前回の記事
皮膚が赤く、カサカサになるような湿疹の場合、基本的にはワセリンなどの保湿の外用薬が中心となります。
効きが良くない場合はステロイド剤や抗ヒスタミン剤(内服薬)を用います。
また、漢方薬をそれらと併用することにより、より一層の効果が期待できます
小児のアトピー性皮膚炎または乾燥、湿疹等の皮膚症状へのファーストチョイスは黄耆建中湯です。
黄耆を差し引いた小建中湯も勝るとも劣らずの漢方薬です。
小児漢方のエースでもありますので![!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/092.png)
小建中湯の「中」はお腹を意味します。
身体を温めてお腹の調子を整えて減弱している気を補い増強するといったイメージではないでしょうか![!!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/093.png)
証は気虚でありますから…
元気のない子どもに適応と言われているくらいでありますから、
乾燥していて潤いのない子どもの全身の皮膚には効果があるのでしょう![OK](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/119.png)
また、漢方薬軟膏という手もあります。
代表例としましては、
華岡青洲が考案しました中黄膏(ちゅうおうこう)や、
その他にも太己膏(たいつこう)などがあげられます。
これらはいずれも健康保険適応外です。
その他にも、生薬を入浴剤として用いる方法というものもあります。
当帰と地黄です。
薬局にてこれらをティーパックのようにして入浴剤として使用するということです。
以前に保険適応の生薬を煎じ薬として処方された時にもティーパックのようにされて用いたことがありますのでなんとなくではありますが想像がつきます
これらは四物湯の配合成分でありますから、
湿疹などの皮膚症状に効果が出るということは十分に理解ができます。
入浴剤におきましては、健康保険適応外ですのでご注意を
四物湯は私自身が用いています漢方薬でもありますが、
過去の経験といたしましては皮膚症状として顔のイボが小さくなりかゆみがなくなったことが挙げられます。
顔ということで露出されていますので非常に精神的に楽になったことが印象に残っています
まさか四物湯がイボなどの皮膚症状に効くとは、まさにそのような感じでした。
ヨクイニンという漢方薬も用いたことがありますが、
こちらの方は全くといっていいほど効果がありませんでした
これはウイルス性のイボに効果が期待できます。
いわゆる、うつるイボの場合です。
脂漏性などの老人性のイボなどにおきましては、全くといっていいほど効果がありませんでした
少しほど話が脱線しましたが…
前回の記事で、六味丸単品では小児の湿疹等に効果がなかったとご報告しましたが、
四物湯と六味丸の組み合わせは担当の漢方Drいわく相性が大変よく、
体調がいい時の私自身の漢方処方でもありますので、
慢性湿疹等で悩まれている方は一度試してみますのも一つの手であるかもしれません![グッ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/114.png)
もしくは温清飲と六味丸の組み合わせも如何なものかと…
ご婦人の場合はこちらの方が効きがいいかもしれません。
適応は大人のアトピー性皮膚炎、慢性湿疹等です!
子どもには少し不向きかと![!?](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/094.png)
大人、小児の違いでも漢方処方は変わります。
小児は小建中湯をベースに
大人は四物湯をベースに考えるといいのではないでしょうか。
最後に、アトピー性皮膚炎などの慢性湿疹の治療戦略において、
保湿剤とこれらの漢方薬を上手く併用することは
ステロイド剤からの脱却を考えておられる方々にとっては強い味方になると思います。
つづく
☆漢方夫の8年の漢方薬生活の記事です↓
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