このロザリーの家、気になって、「エロイカ 栄光のナポレオン」を引っ張り出しました。

 

16年前エロイカを読んだ時は、ベルナールとロザリーは引っ越ししたのかと思っていたけど、たぶん違うわ。だってこの家すごくロケーションいいもの。ベルナールとアランが歩いて国会公会まで行く描写があるし。国会議事堂まで歩いて行けるって東京だとやっぱり青山とか赤坂だよなー。一介の新聞記者には買えないでしょう。

 

アランもしょっちゅうやってくる、エロイカにはこの家の描写が結構あります。

アパルトマンの入り口は立派な扉がついてる。エントランスか廊下があって、階段をちょぴっと登ると入り口のドアが。部屋の中は結構いい。結構広い暖炉のついた居間と台所があり、サン・ジュストが下宿していたし、エロイカではカトリーヌが下宿してたので、少なくても1つはゲストルームがあるよ。あと、夫婦の寝室と部屋かどうかはわからないけどフランソワのいる空間となんとベルナールの書斎の空間があります。4LDK?部屋の中にも階段あるから、このうちメゾネットなのね。窓からは人通りの多い小径か小さな広場が見えるよ。

すごいいい家!

エロイカでは、テーブルの上に美味しそうな食べ物が結構いっぱい。フランソワ、相当いい家の子どもだ。

ベルナールの新聞が発禁になって、親子3人家出した後にアランがもぬけの殻になったこの家を訪ねてくるところがあるんだけど、同じアパートメントの住人と思われるお婆さんが出てくる。でもこれはいくらなんでもお年寄りすぎるのでピエレットじゃないなーー。ピエレットの描写はエロイカにはないので結婚したか故郷に帰ったか亡くなられたかしたと思われます。

きっと、ピエレット(重ね重ねピエール坊やの母ね)が住んでいた空間が、エロイカではロザリーベルナール夫婦に吸収されたのよ。改装もしたかも。ベルナールいいな、こんないい場所に家と書斎あって!仕事場の印刷所にも近いみたいだし。本当なら黒い騎士だった彼は、パリに戻っても元住んでいた家はアシがつく危険があるから、ロザリー連れで戻れないと思う。ロザリーのこの家はほんとありがたいわ。

 

ただこの家、ちょっと権利関係、危ないよね。ニコール・ラ・モリエールがサン・レミー男爵からもらった家だとして、ロザリーはニコールの実の娘ではないから、親子相続はちょっと難しいかも。でも、家ってのは居住権が1番強いからね。ロザリーはここで生まれて住んでいるというのが強いよ。フランス革命で共産主義になるんだし。フランソワもここで生まれて育っているというのが強いでしょう。

 

お母さんは貴族のお父さんの囲いものという設定は、ベルナールも同じ。こっちは与えられた家が良い家過ぎて新しい愛人ができた時、追い出されてしまった。この設定、原作者の理代子先生、好きだよね。ベルナールの母のセーヌ川に飛び込んで母子心中試み!母子心中は、児童虐待です。母であっても子の生命を奪う権利はない。ベルナールくん、美化してます。なんでこんなのが美しい優しい母なんだろうねえ。ロザリーも同情して泣いているし。

普通に考えたら大人の女性と5歳の子どもが冬の凍てつく川に飛び込んだら、5歳の子どもの方が先に体温奪われて死ぬよ。母子心中は子どもが死んで母が生き残ってしまう確率の方が高いよ。

 

ベルナールくんさあ、川から誰が助けてくれて、その後5歳から誰に育ててもらったの?ル・グラン学院の学費は誰に出してもらったの?ロビスピエールもそうだけどさあ、奨学金もらうにしても小学生レベルの基礎教育はどこかでしてもらわなければならないじゃん?まだ、当時、小学校義務教育じゃないし。奨学金出ても住む所(寮費や家賃)生活費は必要だよ?

誰かの若いツバメをやるにしても5歳じゃねえ。

 

あと、黒い騎士も疑問なんだよね。いつからやってんの?

ロビスピエールは知っているの?オルレアン公にはもちろんベルナール・シャトレが黒い騎士であることは内緒だよね?どこで着替えてんの?盗んだ宝石の換金はどうやってるの?盗んだ銃砲は軍の銃の管理番号が付いているんだと思うんだけど(衛兵隊の連中が剣売っぱらった時も管理番号あるから誰が売ったかバレたんだよね?)オルレアン公の館に運び込んでいたの?

オスカルに言われた銃の代金1000リーブルはちゃんと払えたの?オスカルはまけておいてやるって言っていたけど1000リーブルって雑に換金して1200万円よ。払える?いや盗んだ宝石、換金すれば払えるだろうけど、そんなことしたらアシついちゃうじゃん。オスカルさまも無茶を言う。

 

とりあえずここで一旦切ります。