『ロング・シーズン』の①を書いてから1ヶ月。
書きたいことが多くてまとまらず、ずいぶん時間がかかってしまいました
このドラマ、出演者の演技があまりにリアルなので、ドキュメンタリー番組を見ているような気持ちになることがありました。
今回も主要な登場人物を私目線で簡単に紹介します。
内容に触れていますので、これからご覧になる方はお気をつけください。
王響を演じたのは范伟(ファン・ウェイ)。
私はこの作品が初見でしたが、国内外の受賞歴もある喜劇俳優だそうです。
ドラえもんのような風貌とおしとやかな歩き方が印象的。
王響は正義感が強くて思慮深い人です。
家族と仕事を大切にしていて周囲の信頼も厚い。
そんな犯罪とは無縁の生活をしていた人が、バーでアルバイトをしていた息子の王阳(ワン・ヤン)が水死体で発見されたばかりか、息子に殺人の容疑までかけられてしまうことに。
それから20年後、王響は受験を控えた息子の王北(ワン・ベイ)と2人暮らし。
妻の姿は見当たりません。
王北を心の支えにタクシードライバーをして生活しているようです。
王響の静かな生活に変化が訪れたのは、あるひき逃げ事件の被害者が、20年前の事件当時に王阳と繋がりのあった人物だと気づいたことから。
タクシードライバーをしていたのも、偶然ではなかったように思えてきます。
義理の弟で元同僚の龔彪(ゴン・ビャオ)、元刑事の马德勝(マー・ドーション)と始めた捜査は『三匹のおっさん』のように危なっかしくて滑稽です。
とは言っても『三匹のおっさん』みたいな痛快さはあまりなく、老いの寂しさとやるせなさにほろ苦い気持ちになることが多かったけど。
王響の人柄や感情だけでなく、体臭まで伝わってくるような、静かですが素晴らしい演技でした。
この人なしでは、このドラマがここまで評価されることはなかったと思います。
同僚の龔彪を演じた秦昊(チン・ハオ)。
今作でも安定の演技力でした。
惚れっぽくてお人好しの明るい若者が、20年の間に憎まれ口ばかり叩く甲斐性のないオジサンに変化。
その原因がわかると、龔彪(ゴン・ビャオ)への見方が変わると思います。
どこかで見たような気もしますが、作品を見るのは多分初めての陈明昊(チェン・ミンハオ)。
この方もコメディセンスが秀逸ですね。
ラテンダンスのしなやかな動きが見事でした。
そして、 20年後の3人がこちら。
三人三様の自然な老け方が見事です。
特に秦昊(チン・ハオ)さんのぽっちゃりメイクは、途中まで役作りで太ったのかと思っていたほど。
3人のとぼけた会話が大好きで、何度見ても笑いが込み上げます。
続いて、私が一番好きなのがこの人。
王響の奥さんです。
心配性でちょっと迷信深いところもあって、賢いお母さんとは言えないかも知れませんが、こんな風に無条件に愛してくれるお母さんがいたら子供は幸せだろうなぁと思います。
小さな世界に暮らしていても人を見る目は的確でした。
夫と一緒に悲しみを乗り越えて欲しかった。
林晓杰(リン・シャオジエ)さんの演技はまさに神レベルでした。
全12話しかないので一話一話が濃密ですが、ほぼ全ての伏線が回収される最終話はかなり見応えがあります。
とにかく何度見ても泣けてきます。
「往前看,别回头!」
(前を見ろ、振り返るな!)
王響の掛け声は全ての人へのメッセージのようでした。
見るたびに気づきがあって、とても緻密に作られた作品なんだろうなと感じます。
家庭や職場の生活様式や習慣も興味深かったし、『バッド・キッズ 隠秘の罪』のキャストが思いがけず登場するという楽しみもありました。
私の満足度は満点❗️
全ての大人の方におすすめしたいドラマです。
独特な音楽もドラマにピッタリでした。
蛙池さんの歌う「夜长梦多」は特に印象的で、今も耳に残っています。