NS DESIGN CR4 Omni Bass

Fretted Slate Gray




 ​入手までの経緯

 今までWarwick Streamer StageⅠ(中古購入)をカスタムしながら18年間ほど所持していたが、なんか色々と行き詰まってしまった(テクとかモチベとかマンネリとか)...悶々と色々考える内に「アップライトベースってよくね?」と思い始め、吟味に吟味を重ねた結果、コイツが候補に残った。その理由として、
  • アップライトベースなのにフレッテッドが選択できる(CRのみ)。Omni Bassは3モデル展開。CRはフラッグシップモデル(詳細は後述)。NXTaはアクティブ・パッシブ切り替え可能なピエゾピックアップ搭載の中間グレードモデルでWAVはパッシブのエントリーモデル。
  • ネックの長さも一般的なエレキベースと同じ(34インチ・ロングスケールと同じ)でとっつき易そう。
  • 三脚の専用スタンドでのプレイに加えて一般的なエレキベースのようにストラップ装着(付属品:Boomerang Strap System 定価$220)でのプレイも可能。その他、肩掛且つ縦位置のプレイができるFrame Strap Systemなる別売りのオプション(定価$325)もある。

参考:Frame Strap System

  • フォルムがとにかく好き。めっちゃボディが細身でモダンな感じ。他社製で好みに近いものではIbanez UB804-MOBがあったが、総合的な観点からNS DESIGNに軍配が上がった。
 参考:Ibanez UB804-MOB
  • ネームバリュー(NS designはヘッドレスギターで有名なNed Steinberger氏のブランド)も製造国(チェコ共和国製)も文句なし。ただし、エントリーモデル(WAV)のみインド製とのこと。

 ※注 主は趣味の道具こそ製造国に拘るべきという自他共に認める典型的外国かぶれである。今後当ブログ内で生産国について度々言及し意見を述べることがあると思うが、全てこの考えに依るものであることを予めご了承願います。


 自身の決意が固まったところで、1番の難関である我が家の財務省と粘り強く折衝した結果、無金利お小遣いローンの許可が降りたため、すぐさま2020.8月に某大手楽器店に発注。

 しかし、コロナ禍により納期未定のため、手元に届いたのは6カ月後の2021.2月であった。納品当日は碌に仕事が手に付かなかったのは言わずもがな、である。


 ​使用感など

 さて、そんな欧州からの長い旅を終え極東の地に降り立った新しい愛機CR4 Omni Bass(以下、Omniという。)だが、ヨーロピアンハードメイプルで作られたシンメトリーなボディは実際手にとってみると、軽い。一般的なエレキベースのボディを左右両端を一部削いだようなものなので当然なのではあるが。

 カラーリングはレギュラーカラーの他に洒落た有償カラーの設定が計4種あったが、主はSlate Grayを選択した。

レギュラーカラー




Slate Gray以外の有償オプションカラー3種(+$345)。Slate Grayのみ(+$230)となる。


 フレットはフレッテッドを選択(+$320)。アップライトベースなのにフレッテッドというある種邪道とも言えるチョイスは我ながら天邪鬼。余談だが、この変てこなオーダーは輸入代理店(クロサワ楽器)も初めての案件であったそうなので、もしかしたら国内ではこれ1本しか同じ仕様のモノは存在しない可能性...!

 希少価値という言葉に滅法弱い主は尚一層の満足感と多幸感に満たされたのであった。


 音質についてだが、円形の特殊なEMG社のマグネティックピックアップ×4のおかげでノイズは皆無(ピックアップのリプレイス時にEMGがディスコンしてなきゃいいが...)。ブリッジ側のPolarピエゾピックアップと好きな割合でブレンドできるのでアコースティックな音色も自由自在だ。


 弦はD'Addarioとコラボによる専用フラットワウンド弦が張られており、当たり前だがツルツルした触り心地。音色は一言で表すなら角が取れた丸い音。まぁ結局エフェクターで原型を留めないぐらい加工するので問題にならないのだが。

 純正の弦はNS610とNSFW610(ともに定価¥26,400-)の2種があるようで、デフォルトで張ってあるのはNSFW610らしい。NSFW610がNS610より明るいトーン且つ低い張力でパワフルなサウンドを実現とのこと。アルコならNS610が向いているとの説明もあった。両者とも一般的なフラットワウンドベース弦と比較して中々のお値段...今後バラで買う時の参考として下図を掲載する。

 因みに、ロングスケールのラウンドワウンド弦(一般的なエレキベースの弦)も装着可能。


 Omniはアップライトベースの仲間なので弦高は高め、弦のテンション(張力)は一般的なエレキベースと比較すると弱め。かといって弾きづらい感じはなく、エレキベースからの鞍替えは終始円滑に行えた。


コントロール部。上から順に

  1. ボリューム
  2. EMGピックアップとPolarピエゾピックアップの出力割合の調整
  3. ピチカート(指弾き)とアルコ(弓弾き)それぞれに適した出力調整。ボウは所持してないのでピチカートに全振り設定。
  4. トレブルブーストandカット
  5. ベースブーストandカット


 ヘッド部。普通にカッコ良い。ただ弦交換が地味に大変そうな気がする...


 ペグはSchaller製。ギア比20:1のため、細かなチューニングに寄与している。なお、チューニングは一般的なエレキベースと同じEADG。

 余談だが、注文時にレギュラーチューニングとドロップDチューニングを選択できたが、素人なりにネック反りを危惧し、汎用性を重視した結果、レギュラーチューニングとした。

 ペグのつまみ部分が上から見たらS字型になっており、摘みやすいしデザイン的にも優れた造形。大体はIの字だから地味に驚いた。

 これまた余談だが、かつてのWarwickのペグも同社のDa Vinchにリプレイスしたが、Streamer StageⅠはSpector NS-2みたくボディシェイプが丸っこいのでマッチしていたと思う。

参考:Schaller Da Vinch


 まぁ何が言いたいかというと、適正なチューニングには良いペグとブリッジは欠かせないって事。リプレイスするなら海のものとも山のものともつかぬ「令和最新」よりも着実に実績を積み上げてきたメーカー製を選ぶことをお薦めする。


 三脚スタンド(CR TRIPOD STAND)と本体とは1本の蝶ねじで繋がっている。毎回設置及び収納時に着け外しするため、経年でネジがバカにならないかちょっと心配...


 指板のRがヘッド側では大きく、ブリッジ側では小さい(TransRadius)。このお陰でハイフレットの運指もやりやすいと身を以て体感した。


 指板はRichlite。従来のエボニー(黒檀)に変わる人工素材(圧縮したパルプにフェノール樹脂を混ぜたもの)。2012年ぐらいにGibsonが採用したのを機に認知度が高まった。触った感じやはり人工的な感触が感じられるがこれでエボニーと遜色ない性能だというのだから科学技術の進歩には驚かされるばかり。

 しかし、まだまだ指板の素材としての歴史は浅く、耐久性は未知数であるため、世間に広く受け入れられるにはまだまだ時間を要するようだ。

 主は日々のメンテが比較的ラクなのでこういう先進素材は大歓迎だ。


 ボディの裏面。アクティブベースなので9V電池×2が必要。最近1度目の交換を行ったので主の使用頻度的に恐らく1年半ぐらいは頑張ってくれそうだ。


 蓋を外して心臓部。

ピックアップと同じくEMG社のオンボードプリアンプがこんにちは。近年のEMGはハンダ不要のコネクタ式なので見た目がスッキリ。以前所持していたWarwickにEMGオンボードプリアンプ(BQC SYSTEMとPJX Setの組み合わせ)取付の際も非常に楽だった。

 ピエゾピックアップは軽い気持ちで外したら原状回復ができる気がしないので触らない。


 ​唯一の不満点

 付属のケースなのだが、如何せんソフトケースであるが故に防御力が皆無。大事な本体を傷つけないためには別途ハードケースの調達が急務となった。この件については別の機会で触れたい。

→下記記事にて紹介

 周辺機器の紹介

 最後に周辺機器の紹介。主は賃貸住まいのため、アンプは無し。イヤホン又はヘッドホンでここ10年程しのいでいる。よって未だにアンプを通したOmniの音を聞いたことがない。いつかスタジオ入ってみようと画策するも実行には至れていない。(色々考えている内に面倒くさくなり先送りの繰り返し)

 左はTASCAM MP-BT1。所謂ベーストレーナー(2台目)。PCからMP3形式で曲を取り込ませることで曲を再生しながら自分のベースの音も同時に出力され、トレーニングが出来るという代物。数多くのエフェクターが内蔵されているほか、チューナー、メトロノームなど結構機能が充実している。数年前に運良く未使用品をゲットできたため、今は2代目が頑張ってくれているが、未だ代替品が見つけられず今後どうしようか思案中。

 右は最近入手したEmpress Effects ZOIA。

簡単に言うとシンセサイザーとマルチエフェクターが沢山入ってる。あまりに多機能過ぎるため、これ以上の説明は単純に主の知識不足ということで割愛させて頂く。なお、コイツはカナダ製。最後の最後までDarkglassのAlpha-Omega φoton(フィンランド製)と散々悩んだがコイツが若干お値打ち価格だったことが勝負の決め手となった。これから頑張って扱い方をマスターしたい所存。

 ※実はZOIAに関しては後日色々あったので詳細はリンク先でご覧頂きたい。


 前述のヘッドホン、イヤホンについてはまた別の機会に紹介したい。→リンクは下記のとおり

『イヤホンのこと①』ULTRASONEIQ PROBeyerdynamicXELENTO WIRELESS 主がイヤホンに興味を抱くきっかけとなったのは以前ある時、職場の先輩から…リンクameblo.jp


以上、ベースについての紹介とする。不足等あれば適宜追記していきたい。