Darkglass Electronics

Aggressively Distorting Advanced Machine

(A.D.A.M)



 上記記事の後日譚で述べたとおり、結局Beeboともお別れしてしまった。そんな甲斐性無しの主は性懲りも無く代用品を調達すべく、始動(懲りない)。


 ​要件

 以下の要件で絞り込みを行った。

  • 多機能(コンプレッサーは必須でそれ以外にプリアンプ、ディストーション、EQ、D.I、チューナーなどの機能があると良い)
  • 欧米製(こればっかりは趣味のモノなので妥協できない。主の外国かぶれは伊達じゃないのだ)

 これら要件で絞込みを行った結果、以下の3機種が最終候補となった。



1. TECH21 BASS FLY RIG V2



2. Darkglass Electronics
     Aggressively Distorting Advanced Machine


3.Gallien Krueger BPLEX


 3候補ともに多機能且つ高品質なモノで、何れも主の所有欲を存分に満たしてくれそうだが、今回は2. Darkglass Electronics Aggressively Distorting Advanced Machine(以下、A.D.A.Mという)にした。
 選定理由は、以前からDarkglassのエフェクターに興味があり、いつかは手にしてみたいと思っていたからだ。折しもA.D.A.Mがセール特価だったことも大きい。
 Darkglassは2009年に産声を上げた北欧・フィンランドのアンプ・エフェクターブランド。ベーシストが真に望む製品づくりを標榜しており、ベーシストからの支持の厚さが製品の質の高さとモットーの体現を物語っている。主はそんなMade In Finlandに拘る北欧の雄といったブランドイメージを持っている。

 ​所感


 同梱物

 A.D.A.Mとご対面。筐体はミリタリーテイストなグリーン。この個体は右上の「ADAM」表記から恐らく前期型と思われる(現行は正式名称が表記されている。)前期後期で性能差はないので気にしない。

 Beeboのポップな感じとは真逆の無骨さを思わせるルックスだ。

 A.D.A.Mの持つ機能を簡単に羅列すると

  • コンプレッサー
  • プリアンプ
  • ディストーション
  • 6バンドイコライザー
  • インパルスレスポンス(IR)機能
  • ヘッドホン出力
  • ダイレクトボックス(D.I)
  • クロマチックチューナー
  • MIDI入力対応
  • AUX入力
  • ステレオ出力
  • オーディオインターフェイス機能
  • Bluetoothペアリング(アプリ「Darkglass Suite」でのIR入れ替えやスマホの音楽再生)

 背面

 左側


 ユーザーのニーズを纏めてカタチにしたらこうなった的な感じ。欲張りな主にマッチした仕様だ。なお、これら基本機能は後発品のAlpha・Omega φotonとMicrotubes Infinityに継承されている。


 A.D.A.Mの入力信号の処理プロセスは下図のようになっている。

 マニュアルより抜粋※マルチバンドコンプレッサーは設定変更不可とのこと

○操作など○
 操作はノブ5箇所(Comp、Drive、Character、Blend、Level)のほか、6バンドイコライザー部はタッチセンサー式のスライダーだ(上にスワイプでブースト、下にスワイプでカット。ダブルタップでデフォルト値に戻せる)。更にフットスイッチ3箇所(左からコンプレッサー(以下Aスイッチ)ディストーション(以下Bスイッチ)、IR(以下Cスイッチ)の順)はそれぞれ従来のプッシュタイプに加えロータリースイッチ(下図の部分を回す)として下記の機能も有している。この造りは初めて見た。
  • Aスイッチはコンプレッサー比率の変更及びバイパス
  • Bスイッチはディストーションモードの変更及びバイパス
  • CスイッチはIRの変更及びバイパス

 足で踏むパーツが複雑な機構だと耐久性が心配になるが、まぁきっと大丈夫なのだろう。


 作った好みの音はABC何れかのスイッチ長押しで最大3つまで保存可能。
 
 音は主のフラットワウンド弦でも結構攻撃的な音になる(丸い音は完全に消し切れないが)。Beeboでは終ぞ聞けなかったディストーションの音(Beeboのディストーションはビットクラッシャーの派生みたいなヤツだったのでなんか欲しいモノとは違った)。今度こそは永く使っていきたいものだ。
 コンプレッサーの効き具合は...正直分からん。よく潰れると評判のMXR Dyna Compですら主の耳ではよく分からんぐらいのバカ耳であるため、音に関しては他のレビュアーを参考にして欲しい。


よく潰れると評判のMXR Dyna Compさん


○イコライザー(IQ)

 6バンドEQは環境や必要に応じて適宜触るぐらいで基本デフォルトにしている。タッチセンサーは正直なところ反応がイマイチ。スピーディーに細かい調整を行うならアナログなレバータイプの方が良いと思った。
⚪︎チューナー

 チューナーは1音ずつのチューニング。B、Cスイッチ同時押しで起動する。精度は普通に良いと思う。スライダーの左半分ぐらいがコードのアルファベット(格子越しに見るイメージ。見づらい)表示で右2列がチューナー表示部分。真ん中より上が♯下だと♭となる。完璧なピッチになればスライダーとフットスイッチ上のLEDが緑に光る(下図参照)。


⚪︎アプリ

 Darkglass Suiteでは上述のとおり、IRを好みで入れ替えたり、有志作成のプリセットをダウンロードして自分のA.D.A.Mに反映させることができる。

 好みのアンプとマイクの組み合わせを選択しても良し。

 有志の作成したセッティングをダウンロードしても良し。

 最大6つのプリセットが設定できるみたいだが、DLのプリセットは3つまでしかできない?ちょっと良く調べんと分からん。アプリの操作はマニュアルでも全然詳細に触れてないので完全手探りだが、フィーリングで慣れていく。


 他にもオーディオインターフェイス機能など試していない機能がいくつかあるが、それは追々追記していく予定。しかしとうとうこれでApogee Oneが完全にお役御免になってしまったな...